ピクシブ文芸が10/27にオープン 他の小説サイトとの差別化は?

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幻冬舎とpixivによって、文芸小説を投稿することができるサイト「ピクシブ文芸」が2016年10月27日にスタートすることが発表されました。
投稿機能の他に、利用者の小説家デビューを支援するための連載等を行い、月間文芸誌「小説幻冬」とのコラボレーションも行われるとのこと。

ピクシブ文芸

ご存じの方も多いとは思いますが、これまでにもpixivに小説を投稿する機能はありました。また、pixivが運営するオウンドメディアpixivision(元pixiv spotlight)にも「小説」をいうカテゴリが存在しています。

しかし、pixivはイラスト投稿サービスが中心となって成長してきたこともあり、小説のランキング上位は二次創作で埋め尽くされています。また、pixivisionの「小説」カテゴリも最後の更新は2015年の7月。投稿機能を有しているとはいえ、他の小説投稿サイトからは一歩出遅れている状況でした。

ところが、ここのところ小説投稿サイトでは新たな動きが活発となってきています。老舗の「小説家になろう」や「E★エブリスタ」に加え、翻訳機能が特徴的な「taskey」、出版社が運営する「novelabo」「カクヨム」「ツギクル」、サービスの終了が発表されましたが、吹き出しとテキストでストーリーを作る「ストリエ」などをはじめとして、大小様々な投稿サイトがあります。

その中で、「ピクシブ文芸」はどのような立ち位置を獲得することになるのでしょうか?

 

ピクシブ文芸の詳細

ピクシブ文芸を利用したい場合は、まず本家pixivに登録する必要があります。そして、本家pixivに小説を投稿するときに「小説をpixiv文芸に投稿する」にチェックを入れると、その作品はピクシブ文芸に掲載されることになります。

何とも回りくどい方法ですが、
・これまでpixivの小説投稿機能を使っていたユーザーを逃がさない
・二次創作ではない新たな小説投稿サービスを作る
という二つの目的が重なると、こうする以外に致し方ないでしょう。

カテゴリは、以下の9つが用意されています。

文学/エンタメ/エッセイ・ノンフィクション/恋愛/SF・ファンタジー/ミステリー/ホラー/歴史/子供向け

標準的な構成だと思いますが、「子供向け」がやや特殊かもしれませんね。「児童文学」と領域的には重なるところがあるでしょうか。

小説コンテスト

他の新設投稿サイトと同様に、ピクシブ文芸でも小説コンテストが実施されます。ここでいかにユーザーを集めることができるのかが、ピクシブ文芸の明暗を分けるでしょう。カクヨムは、各カテゴリに賞金を潤沢に用意し、この点では成功したように思います。

幻冬舎が運営に入っているので、書籍化への筋道はしっかり整っています。その上でさらに注目すべきなのは、大賞にはテレビ朝日での映像化も約束されているということ。「公開は地上波、BS、CS、インターネット配信など作品に応じて選定」とあるので、どれほどの露出が見込めるのかは分かりませんが、それでも大きなチャンスとなることは間違いないでしょう。

ピクシブ文芸の展望

ピクシブ文芸は、この小説投稿サイトが乱立する時代にどのような立ち位置を獲得していくのでしょうか?

まずピクシブ文芸と比べられるのは、カクヨムでしょう。KADOKAWA×はてな、幻冬舎×pixivと、両者ともに出版社×Webサービス会社という組み合わせになっています。出版社は新たなコンテンツを探し、投稿サイトはマネタイズの出口となる場所を探している中で、この2つが結びつくのは当然の流れであると言えます。

さて、そうなったときにピクシブ文芸はカクヨムと何が違うのでしょうか。

出版社の違いというものは大きく出てくるのではないかと想像することができます。KADOKAWAは、スニーカー文庫を初めとしてライトノベルレーベルが強い出版社です。はてなの文化が入り込むことによって、やや違う系統の作品が生まれることも想像できますが、それでもベースはライトノベルだという印象があります。

一方、幻冬舎もライトノベルのレーベルを持っているものの、その他の小説も多数出版しています。また、わざわざ「文芸小説」という言葉を随所で使っているところから、「脱ライトノベル」の匂いを感じ取ることができます。

これはあるいは、ただの僕の勘違いかもしれません。しかし、大手の出版社と投稿サイトが組んで進出してくることで、ネットでの文芸の場に多様性が生まれます。それは丁度、文芸誌や小説誌にそれぞれの文化があるように。これまではライトノベル系の小説に出版のチャンスが集中していたところに、ピクシブ文芸は新たな風穴を開けるのではないか。そんなことを勝手に期待しています。

まとめ

カクヨムがオープンしたときにも、投稿サイトにはてなの文化が流入することで何か化学反応が起きるのではないかと想像していたのですが、それはまだまだ大きな流れにはなっていないように思います。

ピクシブ文芸も同じように、すぐに大きな流れを生み出すことはないでしょう。むしろ、カクヨムと比べて後発ということで、厳しい戦いを強いられることになるかもしれません。

ただ、ユーザーとしてはチャンスが増えるというのは非常に良いこと。複数投稿の場を持つと管理が大変になりますが、自分の作品にあったサイトをうまく見つけていきたいですね。

 
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