売れる文芸系同人誌を作るときに考えたい6つのこと

僕は、無間書房という文芸同人サークルの代表をしていて、いくつかの同人誌を企画して販売してきました。

また、文学フリマなどの同人誌即売会で、様々な文芸系同人誌を見てきています。

今回は、そこで感じた文芸系同人誌を作って売るときに気をつけた方が良いと思ったことを紹介いたします!

 

未熟な作品でもいい

自分の作品なんか売っても大丈夫なんだろうか…?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、多少未熟な作品でも大丈夫です。

当然、あまりにもひどい作品だったら売れないでしょうし、ずば抜けて良い作品であれば飛ぶように売れるでしょう。

しかし、まあそれなりに書けていれば、その冊子に対して文句を言う人はあまりいないと思います。

ただ、自分一人の作品を出すと買っていただける方の好みとマッチしない可能性があって次の購入に繋がらなくなる可能性があるため、できれば複数人で書いてアンソロジー形式で出すのがおすすめです。

その中で気に入った作品が一つでもあれば、次に出したときも買っていただける可能性もあります。

表紙で目を引く

小説は各々が自分の好きなものを精一杯書けばOK。それ以上に重要なのは表紙です。

同人誌即売会で冊子を手に取るときも、表紙がきっかけであることが多いです。

漫画系の同人誌であれば、中身をある程度パラパラとめくればそのクオリティをある程度把握することができます。

しかし、文芸系同人誌の場合は、じっくり読まなければその全貌が分かりません。パラパラとめくっている方もいらっしゃいますが、なかなかその冊子の内容のみ力を伝えるのは難しいでしょう。

だから、分かりやすくて美しい表紙に力を入れることが大事なのです。小説の中身で多少がっかりしても、「まあ表紙が好きだからいいか!」という風になる可能性もあります。

また、即売会の店番をしていて感じるのですが、お買い上げいただく方の10人に1人くらいは、冊子の中身を全く見ずに表紙を見ただけで買っていきます。もしも表紙がダサかったら、その10人に1人は買っていなかったはず。これは非常に大きなことです。

コンセプトを明確に

表紙の次に大事なのがコンセプトです。コンセプトが優れていれば、大抵はそれに引っ張られて収録されている作品も素晴らしくなります。

私はいつもノンジャンルの文芸誌を売っているのですが、やはりそれだと苦労してしまいます。売れやすいのは、ちゃんとそこに何が書いてあるか分かるもの。

評論本であれば、それが何に対するものなのかが明らかな場合が多いのである程度買いやすいです。

小説本の場合でも、「〇〇というお題で集めて書きました!」とか、そういうコンセプトがあった方が、内容がイメージしやすくて買いやすいと思います。

レイアウトで魅せる

これは余裕があるならで大丈夫ですが、中のページのレイアウトにも気を配りましょう。

一気に時間と労力がかかってしまうので、好きな方以外にはあまりおすすめしないのですが、たとえば雑誌風に編集することができればウケは非常に良いです。

パラパラとめくっただけでは内容は対してわかってもらえないのですが、レイアウトの素敵さは伝わるので、そこを訴求することで買っていただけるかもしれません。

人を集める

できる限り個人誌を作るのはやめた方が無難だと思います。

どんなに頑張っても、あなたの作品が好きではないという人は一定数います。表紙で、コンセプトで、レイアウトで買わせて、あなたの買いた文章が気に入らないばっかりに次はあなたの作った本を買ってくれないかもしれません。

それはそれで仕方のないことかもしれません。しかし、複数人で書くことによって、その悲劇を防ぐことができるのではないでしょうか?単純に、買いている人の人数が増えればその中に気になる文章を書く人がいる確率も高まります。

たとえ10本掲載されている文章のうち9本がつまらないと感じられても、1本だけでも素敵な文章があれば、その本は素晴らしいものとして読者の印象に残ることでしょう。

また、同人誌の売り上げにおいて関係者の購入というのは非常に強力な販売経路です。関わる人が多ければ多いほど、その人の関係者が増えていきますので、部数がはけることになります。

必要なら金を出す

同人誌なんだからといって、ぜんぶ自分で作ろうと思わないでください。必要なところは金を出しましょう。

もちろん、自分ですべてを作りたいのであれば作るのもありです。それが同人誌の醍醐味だと言われれば、確かにそうなのですから。

しかし、自分が得意ではないことを仕方ないと言い聞かせながらやっているのであればあまりに不幸です。そういう場合は、お金を出して人に頼んだ方が良いのではないでしょうか。

どういうところにお金をかけられるか? 究極的にいえば、自分は何をしなくてもお金さえ払えば一冊の本はできてしまうと思います。

企画に対してお金を払い、それに沿って買いてもらった原稿に対してお金を払う。編集や公正にお金を払い、組版や表紙にお金を払う。全体の進行管理や入稿管理なども、お金を払ってやってもらうことも可能でしょう。

その中で、自分のやりたいコアの部分はどこなのか。そして、自分ができないから他の人にお願いした方が良い部分はどこなのか。ここを見極めることが大事です。

個人的には、やはり冊子の顔となる表紙イラスト・デザインは、少しお金がかかってもできる人に依頼するのが良いのではないかと思います。

まとめ

以上、文芸系同人誌を作成するときに気をつけたいことをまとめさせていただきました!

はっきり言って、文芸系同人誌はぜんぜん売れません。告知など一切せず、上に触れたことを一つも気にしていない本であれば、文学フリマなどに参加しても1部も売れないということが本当にあると思います。

別に売れることが全てではないのですが、せっかく製本をするのですから、売れる本を企画したいという方が多いのではないかと思い、まとめさせていただきました。

みなさまの本作りの参考になれば幸いです!