ネネネの短歌条例第二回「ストリート・ネオン」

まちがえて掴んだ腕があまりにも君に似ていて離せなかった。
正しくはない道だった。分かっててそれでも進んでいこうと決めた。
好きだった花言葉とか明け方の煙の尾とか変な癖とか、
今までを諦めるのは簡単で、なんだわたしは平気なんだね。
大切に守ったつもりの思い出を捨てても変わらず笑えるんだね。

国道に放ったピアスが歪むのを車の窓からずっと見ていた。

もう二度と大事なものを作ったらだめなんだって言い聞かせてよ。
永遠はないと知っても呪ってよ。憎んで恨んで忘れないでよ。

許したり許されたりを繰り返すあの頃みたいに無邪気な嘘を
つくことはもうできなくてただ泣いた。
汚いネオンがきれいに滲む。

そういえばはじめてキスした夜、君の頬は涙で少し濡れてた。
見開いた瞳の中に映り込むわたしは知らない顔をしていて、
君の見る景色の一部にすぐ溶けた。

あのとき君に囚われたんだ。

愛なんて通り過ぎなきゃわかんない。明かりがまぶたの裏でも光る。

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●短歌条例とは?
57577の短歌のリズムでつくられた詩のこと。お笑いコンビ、ラーメンズの「条例」ネタが元になっている。

ABOUTこの記事をかいた人

ネネネ

短歌をつくって絵を描くライター。
最近川の近くで一人暮らしを始めました。食べられるチーズと食べられないチーズがあります。特技はおいしいコーヒーのお店を見つけること。