GWの一冊はコレ!大学生に圧倒的オススメの『神楽坂愛里の実験ノート』

はじめましての人は、はじめまして。神楽坂愛里botの中の人です!

『神楽坂愛里の実験ノート』シリーズが好きすぎて、作者さんに内緒で、Twitterを使ったヒロイン・神楽坂愛里のbot活動を始めていたところ、なぜか作者さんに公認のお墨付きをいただきました。

本日は春休みを終えてウキウキと入学された新★大学生の皆さまや、現役大学生の方に『神楽坂愛里の実験ノート』シリーズをオススメしようと思います。

理系(特に理学部や農学部などの研究系)の学生生活において、実験は命の次に大事なモノ。けれど、時には魔が差してこんな風に思うことがあるんじゃないでしょうか。

  1. 実験しててもなかなか結果が出ないのがダルい
  2. 同期のあの子はうまくいってるのにどうして私だけ……
  3. そもそも学生のクセに研究して何になるの?

そんな得も言われぬ停滞感を感じているそこのあなた!
今なんとなく心にグサッと来たあなたですよ!
そんなあなたにこそ、『神楽坂愛里の実験ノート』を読んでほしいです!!

『神楽坂愛里の実験ノート』って?

2019年1月に発売されたライトミステリの本です。
ヒロインは努力の力でノーベル賞受賞を夢見る大学院生のリケジョ、神楽坂愛里。
田舎の故郷を出て、農学部(※1)という新しい境地から夢を追いかけるを目指す彼女ですが、なかなか結果を出せず、停滞感を募らせています。

そんな彼女にひっそりと恋心を寄せるのは不幸体質の後輩、福豊颯太。彼の不幸オーラのせいか、突然研究室の実験に使うラットが全滅してしまう事件が起こります。

ラットの突然死に違和感を抱いた愛里は独自に調査を始め、ある真実にたどり着きます。
事件の謎が紐解かれていくと共に、愛里の努力に対する強い思いが伝わってきて……?

ぶっちゃけどこが良いの?

私、神楽坂愛里botの中の人イチオシポイントは、本作の等身大の大学生に寄り添う姿勢です。

大学生になると高校生の頃と違って“何か勝手が違って不自由を感じること”がありますよね。
高校の学び舎では殆ど重視されなかった学外での活動が、自分という人間の評価に大きく影響すること。自分の裁量でやらなければならないことを探し出して、期日内に終わらせなければならないこと。”がんばったつもり”でも、結果がわかりやすく出なければ評価されないこと。

ただ、“がむしゃらに勉強ができていればこと足りた”高校生活とは大きく異なり、大学生活では自分で自分をコントロールし、一定の成果を出さなければなりません。

そんな大学生ならではの悩みや喜びが、本作ではとてもリアルに描かれています。

停滞感に打ちひしがれる主人公

ヒロインの愛里は、辺境のド田舎の出身。地元の同世代の子達は実家の農業を継ぐ宿命を抱えており、周囲の大人たちも、愛里に農家の嫁になることを期待しています。

しかし、愛里自身は地元の同世代の子たちとは異なり、幼い頃から勉強の好きな子でした。渋谷の109のビルを見ても「109は素数だ!」と喜びだすようなリケジョで、将来はノーベル賞を取りたいと願っていました。そんな彼女ですが、実際に大学に進学して研究をするとなかなか結果が出せず停滞感に打ちひしがれてしまいます。彼女は研究をするために親に無理を言って大学まで行かせてもらったので、周囲を納得させるためには、実際にノーベル賞をとるか研究で一定の成果を出さなければなりません。ハッキリと彼女の周りの人から言われた訳ではないようですが、彼女は使命感を持って研究をしているのに、うまくいきません。

成果の出ない研究に意味はあるのか? もやもやとした彼女の心が事件を契機にクリアになっていく様には、読んでいて元気を貰えます。また、「本当に自分の大学生活はこれで良いのか?」と自らをふと省みるキッカケにもなるでしょう。

田舎特有の世話焼き文化

実は、神楽坂愛里botの中の人もド田舎の出身で、愛里の境遇にシンパシーを感じるところが多くあります。中の人の地元は住民が60人程度の村で、未だ猟師が獲ってきた鹿や猪を食したり、道祖神を祀るために藁をこよってしめ縄を作ったりする風習が生きています。

当然、何かしらの行事の際には村人が顔を合わせ、近況を報告し合うしあいながら酒を飲み交わすので、村の中での情報交換も盛んです。

家柄と父親の仕事と子供の学歴で村内の優劣関係が決まり、成績や素行などの情報は風が吹き抜けるように情報共有されました。

「〇〇さんの家の子は頭が良い」
「テストでも良い点ばかりを取る」
「でも、運動はちょっとできない」

私には、この田舎ならではの世話焼き文化に、常に優等生でいることを脅迫されているようでとても窮屈でした。だから、地元を半ば捨てるような形で勉学に励み、遠方の大学に合格したのです。動機は愛里に比べるとかなり不純ですが、田舎から出たい、出るからには結果を出さなければならない、という点では同一の使命を課されていました。

私も、田舎のことが本当に嫌いなわけではありません。優しく見守ってくれたり、顔を合わせると大体どこの家の子か聞いて身を案じてくれたりします。

けれど根本的な何かが合わなくて(私も合わせられなくて)それを申し訳なく思っています。

さて、意気揚々と大学に通いだした中の人ですが、早々に挫折しました。

私は文系でしたが、入学後すぐに研究の才能がないことに気が付きました。
「文献を読んでいってもなかなか内容が理解できない」
「周囲にはどんどん論文を読んで成果を出している子が居るのに何故……」
「そもそも学生が研究して何になるの?」

ーーと、つまりは研究を楽しめなかったのです。

今にして思えば進学校育ちのサラブレッド達と、田舎の地元高校でTOPでは基礎学力からしてかなり異なっていたのだと理解できます。しかし、当時の私には理解ができませんでした。

なんとかしなければ人に合わせる顔がない、けれど何をしたら良いのかわからない。時間だけが無意味に過ぎていって、とても憂鬱な気持ちになりました。地元に帰ると、私は何をしに村から出ていったのかという気持ちに苛まれるので、地元に帰省するのも億劫でした。

ひたむきに努力をすること

そんな頃に読んだのが『神楽坂愛里の実験ノート』シリーズです。
当時は小説投稿サイト「エブリスタ」さんで連載されており、書籍の形でこそありませんでしたが、重要なエッセンスはそのままです。

「たとえ今、結果が出なかったとしても努力はいつかきっと実を結ぶ」
「必要なのは努力したという経験」

という本作のメッセージは、後ろ向きだった私の考えを前向きにさせてくれました。
私の努力の対象は、残念ながら最後まで研究には向かいませんでしたが、他の努力できる対象を見つけ、それに打ち込むことができました。

私のようにつまづいたとき、誰かが必ず手を差し伸べてくれるわけではありません。

けれど「自分が何かに夢中になっている」「ひたむきに努力をしている」という自己認識は、自分だけでなく周りの人にも伝わります。周りの人に対して負い目を感じずに自分らしく居られる力になるでしょう。

本作はそんな私の大学時代を支えてくれた物語ですので、これからの大学生がつまづいたときにもきっと力になってくれると思います。

さいごに

本作発売後のレビューには理系の在校生・卒業生から「大学生活の描写がリアル」「懐かしい!」「あの機材使った……」と、嬉々とした声が聞こえてきました。ロータリーエバポレーターやオートクレーブなど、理系の学生さんには馴染み深い機材等も出てきますので、そちらもお楽しみいただけれるかもしれません。

もちろん難しい理系器具に関しての説明も丁寧にされているので、文理の壁を超えて楽しむことができますよ。

本作の中での愛里の「一生懸命さ」「ひたむきさ」は、私達が大学生活でついつい忘れがちな”努力の意味”を教えてくれます。

一度しかない大学生活。
「なんとなく」ではなくこれからの自分の人生に必要なものを掴みに前向きに楽しんでみませんか?

さぁ、このGWは『神楽坂愛里の実験ノート』を読みましょう!

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#神楽坂愛里の実験ノート

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ABOUTこの記事を書いた人

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・作者さまに何も告げず非公認botを立ち上げた人。(良い子の皆さまは事前に許可を取りましょう)
・友人が図書館司書であることをいいことに、コネを駆使して地元の図書館三館に『神楽坂愛里の実験ノート』を寄贈する。そして公費で『神楽坂愛里の実験ノート2』を入れてもらう。(小学生が借りてくれるらしい)
・Wikipediaに強い憧れのある友人から、軽率にWikipediaの編集を依頼され、作者さまのページを勝手に制作するなどした。
・神楽坂愛里botの運営を通じて、多くの人に神楽坂愛里の実験ノートシリーズを読んでもらおうと思っている。