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自分の文の長所を見つけたい

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コユキ Crow (2,040 ポイント) 1/7 質問 執筆
自分の文の長所を伸ばしたいのですが、客観的に見れません。短所はいくつも見つけられます。
また他人については長所も短所も見えます。
良い見つけ方はありますか?
出来れば自分ひとりで解決できる方法を知りたいですが、人に聞いたほうがいいようでしたらそうします。

回答 4

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和菓子 Snake (4,530 ポイント) 1/8 回答
コユキ 1/20 選択
 
ベストアンサー
 「自分の文の長所」という曖昧な言いかたになっているところに第一原因があると存じます。長所とはいったいなんのことなのか、一度はっきりさせたほうがよいかもしれません。
 いくつか区分して考えてみようと思います。どこかしら引っかかって参考になれば。

(1)文が正しい
――(送り仮名・語法・句読点・記号使用などが)編集ハンドブックに従っている。文化庁の指示に従っている。国文法に従っている。語句が辞書通りに用いられている。その上で一流の校正者・校閲者に指摘され切っており、すべて修正してある。

(2)文がテクニカル
――大小の修辞法を取り入れている。文末やコロケーションが多様で飽きない。句読点のリズムが大勢の読者にとって心地よい。イメージに強く訴える語句を意図的に用いている(君・僕・孤独・星空・惜別・死など)。

(3)文がわかりやすい
――簡単な語句で書かれている。一般常識にもとづいて書かれている。書かれるべきことが書かれるべき順番で書かれている。直接的に表現されている。比喩が適切に使われている。

(4)文がおもしろい
――(フォント遊び・ことば遊び・回文などの)仕掛けがある。(知っているひとが笑える・優越感を抱くなどの)特殊なネタが仕込まれている。(アネクドートや皮肉文学のような)ユーモアを感じる。(ソンタグ的に言って)キャンプ性がある。

(5)文が趣味的
――(プルーストのように)あらゆる語句を総動員してひたすら緻密に書かれている。(カフカのように)人称が曖昧になるように書かれている。(後期の保坂和志のように)文法を破壊することを文法にして書かれている。

(6)文が説明的
――(ドストエフスキイのように)物語が露骨に停滞するほど人物が説明されている。(推理小説のように)ロジックを追うことで満足できるよう書かれている。映像的に書かれている。ト書き的に書かれている。

(7)文が描写的
――「そうそう!これが文学だよね!」という読書愛好家の共通感覚に訴えるよう婉曲的に書かれている。映像や戯曲、音楽や舞踊では表現できない部分にまで小説的な説明(表現=描写)が及んでいる。

(8)文が前衛的
――時代をリードするほど前衛的に書かれている(ので時として意味が伝わらない)。

(9)文が専門的
――ふつうだれも知らないであろう世界・業界・分野について、その世界のことばで書かれている(ので時として意味が伝わらない)。

(10)文が問題的
――謎解きや穴埋め(あの忌まわしき入試問題!)のような形になっていて、それだけでそそる。

(11)文が文化的
――書き手によってローカライズされている(ので基本的に翻訳不能)。方言などがこれに近いかもしれない。

(12)文が文明的
――プログラミング言語で書かれている。

 などなど分けたらキリがないというのが理解されると思いますが、あとーすさんが先に答えているように、長所と短所は裏地のような関係ですし、時には相互浸透的です。枢要なポイントは、長所に思われるものや短所に思われるものを、作家の感性や信条によって取捨選択してゆくことと、そこから生じる作家性を何度も審問にかけることかなと思います。
 長所や短所といった固定評価的な(ビジネスライクな)観念で分析的に語れるほど「文」というのは決まりきっていないということでもあります。よく「文章は生き物だ」なんて言われますが、ここではその言い伝えを擁護したいです。すくなくとも、「このひとの文の長所/短所はこれこれこうである」と分析できたつもりになることほど危ういことはないでしょう。
コユキ Crow (2,040 ポイント) 1/10 コメント
和菓子さん、こんにちは。

曖昧な言い方とはまったくその通りで、『自分では見えない、どこかにある長所』、そんなふわっとしたものを探す気持ちでした。
けれどハッキリさせたほうがいいと言って頂き、また区分を見せて頂いて、たくさんの引っかかりを見つけることができました。
取捨選択してゆくこと、何度も審問にかけること、というお言葉を噛み締めたいと思います。
また、他人に対してもですが、自分に対しても『長所がない』などと断じてしまわないように気を付けますね。

曖昧な問い方でしたのに、具体的に答えてくださってありがとうございました。
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あとーす Crow (1,630 ポイント) 1/8 回答
他の人に聞いてみるのは、一つの選択肢として有効だと思います。率直な意見をもらえるか、もらえたとしてそれを素直に受け入れられるかと言う問題はありますが…。

他の人の文(作品?)についての長所・短所は見えるということで、そうであれば自分の文章を客観的に見つめる必要があるのだと思われます。

よく言うのは、時間を置いて自分の書いたものを読みなおしてみるということですね。

また、「短所はいくつも見つけられる」ということでしたが、短所から長所を導くこともできるでしょう。この二つは、表裏一体であることが多いです。たとえば精緻な表現が苦手という場合、それは裏を返せばドライブ感とある文章を書くのが得意ということになるかもしれません。そのようにして、自分の短所から長所を見つけてみるというのはいかがでしょうか。
コユキ Crow (2,040 ポイント) 1/10 コメント
あとーすさん、こんにちは。

他の人に聞くのも選択肢として有効ですよね。素直に取り入れたいと思います。
おっしゃる通り、きっと自分の文章が客観的に見れていないのでしょう。
時間を置いて読み直す、やってみたらとってもよく効きました。「やっぱり自分のここは捨てられない、好き」というところが落ち着いて見れた気がします。
短所から長所を導くことは、マイナス思考の自分に合っているかも知れません。短所を書き出して長所に変換してみます。
全部を長所に変換すると短所が直せなくなるんじゃないかという不安もありますが、そこで和菓子さんが回答してくださった『取捨選択』を自身で考えるのでしょうね。

たどたどしい質問に対して、わかりやすくお答え頂いて、ありがとうございました。
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秋桜空 Mouse (180 ポイント) 1/8 回答
「自分の文」は「自分が書いた文」と同義語なので、様々なジャンルを書いてみることも有効かと思います。

私の場合、一次創作から歴史系に変えてみたところ「つじつま合わせが得意」という長所を見つけることが出来ました。

他人から見れば当たり前かもしれないものでも、突き詰めれば長所になるはずです。
コユキ Crow (2,040 ポイント) 1/10 コメント
コユキ 1/10 編集
秋桜空さん、こんにちは。

様々なジャンルを書いてみるというのは思いつきませんでした。
ジャンルを変えることで、何が自分の中で変わらないものなのかも見えやすくなりそうですね。
その、変わらないものが長所か短所かを見ることができそうです。
突き詰めれば長所になるという考えも、頭から抜け落ちるほどに悩んでいたみたいで、秋桜空さんに言って頂いてハッとしました。

自分にはない視点を教えて頂いて、ありがとうございました。
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あきか Crow (2,130 ポイント) 1/8 回答
あとーすさんも言われてますが、他人に見せる、少し時間の空いた作品(一月前のとか)を読み返してみるのが一番いい気がします。

見せる相手がいない場合は、文体診断(http://logoon.org/)なんかもいいかもしれません。

ここで見るべきは、一番下の数値です。

一文の長さ、一度しか出てこない単語の多さ(これが高いと語彙が多いという意味にもなります)、ひらがなカタカナの多さ(キャラクターがカタカナひらがなの場合必然的に高くなってしまいますが)等が数値として見れます。

それによって、多少の傾向は見えてくるかもしれません。好きな作家と自分のを比較してみると尚いいかも。
コユキ Crow (2,040 ポイント) 1/10 コメント
あきかさん、こんにちは。

見せる相手はいるので、素直に見せることも選択肢に入れたいと思います。
少し時間の空いた作品を読み返したら、あとーすさんへの返信にも書きましたがとってもよく効きました。
ロゴーン文体診断は一度しか使ったことがないのですが、似たような診断を使っていました。
診断で見えた傾向を活用してはいましたが、短所なのか長所なのかという判断にまで繋げることができませんでした。
けれど、ご意見をたくさん頂いた今ならもっと活用できそうな気がします。
好きな作家とも比較してみますね。

とてもわかりやすく答えてくださって、ありがとうございました。
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