いしいしんじによる書き下ろし短編小説『クロワさん』が、京都に店舗を構えるベーカリー・進々堂の全店で無料配布されている。
配布は2023年12月23日から行われており、無くなり次第終了。配布部数は22,000部。
進々堂は、2023年に創業100周年を迎えた老舗ベーカリー。2013年にいしいしんじ作品の無料配布を開始し、今作の『クロワさん』が4作目となる。
【本の仕様】
ページ数:59ページ
寸法:10.4×14.2×0.3(cm)
◆『クロワさん』発刊にあたって ご挨拶
いしいしんじさんの紡ぐパン愛あふれる物語をお客さまにプレゼントしたい。そんなことを思い立ったのは、私ども進々堂が創業100周年を迎えた2013年の秋でした。その年の第1作『毎日のパン』からはじまった短編小説のプレゼントは、第2作『パンとサーカス』(2015年)、第3作『ブレッドはパン探偵』(2018年)へと続き、それぞれとても個性的な登場人物たちが繰り広げるパンのお話は、読んでくださったお客さまの心を温め、私どもがパンやお料理のご提供を通して育んできたお客さまとの絆を、ちょっとちがった形でより深めてくれたのではないかと思っています。
辛かったコロナ過が過ぎ去り、再びたくさんのお客さまをお迎えできる喜びに満ちあふれながら、私ども進々堂は今年創業110周年を迎えさせていただきました。この記念すべき年に、休止していた短編小説のプレゼントを再開したい。そんな私どもの願いに応え、いしいしんじさんが書いてくださったのがこの『クロワさん』です。香り高いクロワッサンを噛みしめながら、また京都の夜空に浮かぶ月をながめながら、できたてホヤホヤの最新作を味わっていただけたなら幸いです。
株式会社進々堂
代表取締役社長 続木 創