気分転換に外出先で小説を書きたいこと、ありますよね?
しかし、どデカいノートPCを持って行くのはカバンも気も重くなって嫌だし、かといってスマホだけで小説を書くのはストレスが溜まる……。
そこで今回は、外出先で小説を書くときに役立つガジェットを紹介します。
ポメラ
まずは、外出先執筆アイテムのド定番、ポメラをご紹介します。
ポメラは文具メーカー・キングジムから発売されているデジタルメモ端末で、この記事を書いている時点での最新機種はDM250です。
ちなみに私は旧モデルのDM200を所持しているので、こちらの使用感などをメインに紹介します。
ポメラを一言で説明すると、「文章を書く以外何も出来ない機械」です。インターネットに繋ぐこともできなければ、テキストファイル以外のデータを開くこともできません。
そう、ポメラは非常に不便なガジェットなのです。しかし、その不便さゆえの利点もあります。
まずポメラ愛用者が口を揃えて言うのは、「ポメラを使えばどこでも執筆に集中できる」ということ。
新型のDM250は液晶が7インチで、重さは約620g。小型のノートPCに比べてもかなり軽量です。そのため、どこへでも持ち歩きやすく、「書きたい!」と思った瞬間に執筆モードへ入れます。
また、インターネットに接続できないので、執筆中にありがちな「調べ物をしていたら、関係ないWikipediaのページを無限に見続けている……」ということも防げます。
加えて、機能が絞られている分、長時間駆動も可能です。1度充電すれば、バッテリーのみで24時間使うことができます。
なかなか面白い特徴を持っているポメラですが、問題は価格がやや高いこと。最新機種であるDM250は、公式サイトでの販売価格は現時点で60,280円で、Amazonでの販売価格も38,909円です。
インターネットにも繋がらず、テキスト編集だけしか出来ないガジェットにこの金額は出しづらい……と個人的には感じるのですが、移動が多い方や、どうしても外出先での執筆に集中できないという方は、購入を検討してみても良いのではないでしょうか。
ポメラについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
物書きがポメラを使うべき3つの理由――知られざるDM100の秘密――
CHUWI MiniBook X
ポメラはインターネットに繋がらないから嫌だ!!! という私のような方におすすめしたいのが、小型PCのCHUWI MiniBook Xです。
ポメラがインターネットに繋がらないというのは、たしかに執筆中はメリットになるかもしれません。しかし、問題はその後です。執筆作業は何もポメラだけで行うわけではありません。自宅のPCから書きたいときもあれば、スマホから内容をサクッと確認したいときもありますよね。
ところが、ポメラは自身の中にテキストデータを保存するので、そのままでは他の端末から確認が出来ないんですよね。できれば、Googleドキュメントなどで執筆して、様々な端末から同じテキストを確認できるようにしたい……。
(※Googleドキュメントでの執筆については、以下の記事でも触れています)
そこで大活躍するのがCHUWI MiniBook Xです。こちらは、およそ5万円で購入できる10.51インチのWindows PCになります。
本当のことを言うと、11インチクラスのMacがあればそちらが欲しいです。しかし、現行モデルではそういった小さいMacは販売されていません。そこで仕方なくWindowsの小型PCを探しているうちに見つけたのがこのCHUWI MiniBook X。
本機の大きな特徴は、非常にお安く購入できること。5万円でWndows11搭載のPCが購入できるのはめちゃめちゃ良い。その安さの秘密は、CPUがCeleron N100であることに由来します。
一昔前のCeleronといえば、動きのもっさりしたCPUという評価が多かったですが、第12世代Alder LakeのN100は、「思ったよりちゃんと動く」という評判をよく耳にします。騙されたと思って、「Intel N100」などでGoogle検索してみてください。
僕も実際にこのCHUWI MiniBook Xを数ヶ月ほど使っているのですが、動作が遅くて不便を感じたことはほぼありません。もちろん、動画編集などの重い作業をすれば如実に差が出るのかもしれませんが、こちらとしては文章を書くために購入していますからね。基本的にはChromeのみで作業していますが、大きな問題を感じません。
重量はおよそ1kg。これより軽いパソコンは世の中にたくさんあるのですが、CHUWI MiniBook Xは筐体のサイズ感と重量のバランスが非常に良いと思います。片手で持ち上げることも多いですが、重いと感じたことはほぼありません。
また、天面にロゴなどが無いのも個人的に評価が高いポイントです。
この手のPCはキーボードがUS配列のみしか用意されていないことも多いのですが、CHUWI MiniBook Xは日本語配列もあります。私は日本語配列を買いました。
Enterキーが横長なのと、鍵括弧の位置だけ変則的なのが少々気になるのですが、それ以外は特に問題なく使えています。 普段はMacのキーボードやHHKBで作業をしているのですが、それほど違和感無く作業できますね。多少キーピッチが狭い感は否めませんが、筐体サイズや価格を考えれば許容範囲内です。
この手の小さめなノートPCを検討する際に、GPD PGPD Pocket3なども選択肢に入ってくると思います。液晶は8インチで、CHUWI MiniBook Xよりもさらにコンパクトな筐体。また、上位モデルの場合は第11世代Core-i7を搭載しており、写真編集くらいだったら軽々こなせそうなスペックなのですが、何と言っても価格が高い。上位モデルだと16万円ほどなので、CHUWI MiniBook Xが3台も買えてしまいます。
また、筐体が小さい分キー配置もさらに変則的になっているので、慣れるまでに時間がかかりそうなのも気になるポイントです。色々とバランスを考えると、やはりCHUWI MiniBook Xかな……と思います。価格的にも、失敗したところでまだ諦めがつく値段ではありますし……。
なお、AmazonではGZBOXというメーカーから8インチクラスのN100搭載ノートPCが販売されており、こちらも気になっています。キー配列も良さそうなのですが、トラックパッド非搭載でポインティングデバイスの操作感に期待できないのが気になるところ……。
この手のミニノートPCは他にもいくつか出ているので、興味があれぜひ調べてみてください。
Magick Keyboard(テンキーレス)
執筆専用の端末を持ち歩くと小説を書くのが捗るのはたしかなのですが、正直に言うと、バッグの中にあるとまあまあ邪魔なんですよね……。ポメラもCHUWI MiniBook Xも小さくて持ち運びに優れてはいるのですが、そうは言っても邪魔じゃないといえば嘘になる。あと、いざ使いたい時に充電が切れていることもあって最悪。
でも、肌身離さず持っている端末ならあるじゃないですか。そう、スマホです。スマホで快適に執筆できるようにすれば良いんです。
フリック入力に慣れている方であればそれでも良いと思いますが、普段はキーボードを使って小説を書いているのであれば、外出先でもキーボードが使えた方が捗りますよね。そこでおすすめしたいのが、Magic Keyboardです。
Magic KeyboardはAppleが販売している純正キーボードで、主にMacで使うことが想定されていると思います。しかし、iPadやiPhoneなどは接続もスムーズですし、思った通りに操作することができます。
一応Android端末でも使用できるようですが、基本的にはiPhoneで使うのがメインになるかと思います。Androidユーザーの方、すみません……。
Magic Keyboardの良いところは、何といってもその薄さ。一番厚い箇所でも、1.09 cmしかありません。さらに重量も約240gと軽く、バッグに入れておいても全然気にならない重さです。純正のキーボードがこの持ち運び安さで手に入るのはめちゃめちゃ良い。
Magicキーボードにはテンキー付きのモデルもありますが、小説執筆用に持ち運ぶのであれば、テンキーレスのものがおすすめです。小説を書く時に数字入力を頻繁に行うことはあまりありませんし、持ち運び用であれば出来るだけキーボードは小さい方が良いですからね。
価格はおよそ13,000円と全くかわいくないですが、専用の端末を買うのに比べると全然お安いので、ここに投資する価値はあるかな……と思います。
どうしても高いと感じる場合は、他のキーボードを購入してみて、自分にスマホ + キーボードの執筆スタイルが合うのかを試してみるのもおすすめです。たとえば、Ankerのウルトラスリムキーボードは2,000円で購入できます。
持ち運び用のキーボードを選ぶ際には、薄型キーボードの他に折りたたみ式のキーボードも選択肢に入ってくると思います。私も色々と試してみたのですが、個人的にはあまり折りたたみ式のキーボードは好きになれないなと感じました。
まず、折りたたみ式のキーボードはほとんどがUS配列のもので、普段からJIS配列に慣れている自分にしてみると、選択肢の幅がグッと狭くなってしまいます。
使うたびにいちいち開かないといけないのも面倒。この少しの手間が、個人的には折りたたみ式キーボードを使う気になれないポイントなんですよね。もちろん、ここはそれほど気にならないという方は、折りたたみ式キーボードもありだと思います。
また、折りたたむとそれなりにかさばるというのも気になる点でした。たしかに表面積は少なくなるんですけど、どうしても高さが出てしまうので、それで邪魔になるんですよね。
ちなみに私はEwinのワイヤレスキーボードを過去に購入しましたが、最近はあまり使っていません。しかし、日本語配列かつ右側にトラックパッドもついているので、折りたたみ式キーボードを使ってみたい方にはぜひ検討していただきたいものになります。価格もおよそ3,700円と手が出しやすい価格。
もし日本語配列の折りたたみキーボードを探している場合は、MOBO Keyboard2も良いと思います。Ewinのワイヤレスキーボードに比べると、トラックパッドがない分、かなり綺麗な配列になっています。折りたたみ式キーボードでちゃんとしたJIS配列のキーボードを使いたいのであれば、これが筆頭候補になると思います。
まとめ
ここでは主にテキストを入力するための端末に絞って紹介しましたが、外出先で集中して作業をしたい場合は、ワイヤレスイヤホンなどを導入するのもおすすめです。
iPhoneをご利用の方であれば、第2世代のAirPods Proなどが快適に使えるのではないかと思います。私は第1世代のものを使っていますが、フォルムもすっきりしていますし、気軽に使えるのが良いと思います。
また、イヤホンとしてはJBL CLUB PRO+を、ヘッドホンとしてはSennheiser MOMENTUM Wireless M3を使っています。基本的にはSennheiser MOMENTUM Wireless M3を使って作業をするのが一番快適なのですが、夏の暑い時期はあまりつけたくないですし、外出先に持っていくと結構かさばるんですよね。なので、外に行く場合はJBL CLUB PRO+の方が出番が多いです。
ガジェットにこだわると、外出先での執筆がさらに快適になります。ここで紹介したもののだけではなく、ぜひ皆さんの気に入りのガジェットも探してみてください。