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ズボラ創作者が「キャッチコピー」と「予告編」から4万文字の小説を書く

はじめに

最高のアイデアを持っているのに「まあいっか」で先延ばしにしてしまうズボラ創作者の皆さま、こんにちは。ズボラ創作者の本間海鳴です。

皆さまは小説を書き始めるとき、プロットを準備するタイプでしょうか。

小説の目的地をはっきりさせる地図の役割を持っているプロット。きちんとした創作者の皆さまは、がっちり組んだプロットを元に小説を書き、確実に完成させておられるようです。

でも私は思います。

プロットを組んでから行なう小説の執筆は、いわばマラソン。

コースとゴールが決まっており、綿密な下見と練習を重ねた上で同じルートをなぞって「完成」というパフォーマンスを見せるものです。

しかし、私はズボラ創作者で長距離走アンチ。ずっと同じ景色を見続けていると飽きてしまい、「もういっか」と投げ出してしまいます。

私は、ノープラン旅のような、変化に富んだ飽きない執筆がしたい! そうしないといつまで経っても作品が完成しない!

そこで今回は、ズボラで飽き性な私が辿り着いた、究極のサボり創作方法をご紹介します。

ちゃんとした創作者の皆さまは、決して真似しないでください。

カッコいいキャッチコピーを作ろう

まず最初に準備するのは、カッコいいキャッチコピーです。

キャッチコピーとは、主に広告や商品の宣伝に用いられる短い文章のこと。宣伝したい物の雰囲気や印象を的確に表したキャッチ―な一文で、人々の購買意欲を煽り、記憶に残しやすくするためのものです。

ズボラ創作者が作品を完成させるために必要なのは、ワクワク感。

「一刻も早く形にしたい」「完成させて世の中に発信したい」という気持ちを、いかに最後まで持続させるかが大切になってきます。

その点、キャッチコピーはとても便利。

長く作り込まれたプロットは見直しただけで満足してしまう可能性があります。しかし、キャッチコピーなら満足度が低く、自分の作品に対するワクワク感と、完成させたいという意欲だけを的確に刺激してくれます。また、キャッチコピーは短い文章で構成されたものなので、考える時間も非常に短くて済みます。

それに加えて、キャッチコピーはそのまま物語のテーマになります。定期的に見返すことで、自分の書きたかった軸を明確にすることができ、途中で作品が迷宮入りしてしまうことも防げます。

では早速、ぼんやりと思い描いた創作ネタに、キャッチコピーをつけてみましょう。

これは自分のモチベーションを持続させるためのキャッチコピーなので、難しく考える必要は一切ありません。自分がワクワクするかどうか、それだけを重視して考えます。出来る限りエモく、カッコよく、シンプルなものにすると、書きたい意欲がより強くなります。

実際に私が作ってみたキャッチコピーと、その雰囲気はこんな感じです。

なんとなくそれっぽいキャッチコピーではないでしょうか。

一枚目のキャッチコピーは、「いびつな依存関係」についての小説を思いついて作ったもの。二枚目のキャッチコピーは、「自分を天使だと思い込んでいる悪人」についての小説を思いついて作ったものです。

キャッチコピーを作ったことによって目指すべき場所が定まった気がします。

ちなみにこのキャッチコピー画像は、私が頭で思い描いていたものを皆さまにお伝えするために作った物です。実際にキャッチコピーを作る際は、絶対にこんな画像を作らないでください。

なぜなら、

ズボラ創作者は目に見える『物』を作った時点で満足してしまうから!

ズボラ創作者の自分甘やかしスキルを侮ってはいけません。自分でも驚くほど、すぐにモチベーションは下がってしまいます。ですから、何があっても小説本文以外の物を作らない! と肝に命じましょう。

「予告編」を想像しよう

キャッチコピーを思いついたら、その流れで予告編も妄想していきます。

ここで言う予告編というのは、ドラマや映画を宣伝するため、一部分を切り抜いて編集したもの。言い換えるなら、ストーリーのワクワクする部分詰め合わせです。

邦画やアニメの予告編CMを思い出してみてください。CMの一番最初って、キャッチコピーから始まってることが多くないでしょうか。

キャッチコピーが主人公の声で再生され、そのあと主な登場人物が数人紹介されます。登場人物たちのセリフが流れる中、主要なシーンが次々切り替わります。そして不穏なシーンや気になるシーンが流れ、大きくタイトルが出ます。最後にもう一度キャッチコピーが入ることもあります。

ここでお気づきかもしれませんが、この予告編、ほぼプロットみたいなものですよね。

主な登場人物とその性格、組み込みたいシーン、物語の中で起こる事件や問題、そしてキャッチコピーで表される作品のテーマ。小説を執筆する上で最低限必要なものは全て揃っています。詳細は決まっていなくても、これさえ揃っていれば書き始めることができます。

予告編ならプロットよりも情報量が少なく、満足度が足りないため、「自分で早くこの物語を完成させなければ!」という気持ちの持続に繋がります。

自分のモチベーションが下がってきたら、脳内で定期的に予告編を再生します。自分の推しがいる人は、推しに主人公になってもらうとよりワクワク感が増すのでオススメです。予告編は自分の脳内にしか存在しないので、推しもキャスティングし放題です。

では、実際に予告編を作ってみましょう。

ここでは、先程作ったキャッチコピー「その瞳を、捕らえておきたいと思った。」を元に作ってみます。私が妄想した予告編の流れと雰囲気はこんな感じです。

物語の一連の流れっぽくなってきましたね。

先が気になる展開を作るために不穏なシーンを無理やり入れ込みました。こんなシーンを入れる予定はありませんでしたが、結果的に読者も飽きを感じない展開になっていくのではないでしょうか。

ここでもう一度言いますが、この画像は私の脳内に流れている予告編を皆さまに共有するために作った画像です。こんな画像や、ましてや本格的な動画タイプの予告編なんて絶対に作らないでください。そんなものを作ってしまった暁には、その動画をTwitterにアップするだけで満足して本編を書かなくなるだけです。絶対に脳内で作ってください。

矛盾点を潰そう

さて、細かいプロットを一切作らずに執筆に入るデメリットが一つあります。それは、矛盾点が必ず生まれてしまうことです。予告編の中では多くの場合、物事が起こる詳しい年月や、経過する時間、登場人物の過去などに触れていません。その結果、書き進めるうちにそのような詳しい情報を決める必要があり、それを繰り返すことで矛盾点が生じてしまうのです。

しかし、ズボラ創作者に必要なのはワクワク感の持続

いちいち矛盾点を気にしながら執筆していると、どこかのタイミングで必ず「めんどくさい」という感情が執筆欲を追い越します。

ですので、まずは最後まで書ききってしまいましょう。矛盾点を潰すのは、完成した後の推敲部分で一気に行ないます。

矛盾点潰しの方法も、自分に合ったやり方を探しましょう。

私の場合は、自分の書いた小説を最初から読み直し、矛盾していそうな点を別紙にメモして潰しています。

作中に出ている年月日は矛盾していないでしょうか。サブキャラクターの一人称が途中で変わっていないでしょうか。作中の季節は統一されているでしょうか。

「確認事項が基本的すぎる」と思ったそこのあなたは、ズボラ創作者のことを理解していません。ズボラ創作者には、作品が行き詰まったとき都合のいいように世界を捻じ曲げて強行突破しようとする癖があります。ですから、冒頭では冬だったはずの季節が、2ページ先で夏に変わっていることも有り得るのです。

とはいえ、そんなことばかり気にしていては執筆作業も進みません。まずは、完成させることだけを考えます。完成させてしまえば、「完成させてしまいたい」という欲が「早く公開したい」という欲に変わります。その欲は、実際に公開してしまうまで満たされません。その欲に突き動かされるため、面倒くさく思える『矛盾点潰し』の作業は、思っているより早く終わるはずです。

気楽に創作を楽しもう

ここまで、サボり創作方法について紹介してきました。

必要最低限のワクワクするものだけを元に執筆をすることで、ズボラで飽き性な創作者でも最後まで小説を書ききることができます。

私もこの方法で、約4万文字の小説を完結させることができました。「お前のようなズボラ創作者が4万文字なんて書けるわけがない」と思われたときのため、証拠の一部を載せておきます。

万が一、この先が気になるという方がいらっしゃいましたら4万文字ぜひ読んでください。頑張って書いております。

小説:銀の糸

さて、いかがだったでしょうか。

小説の執筆は大変ですが、何よりも大切なのは楽しむこと。何も難しいことは考えず、細かいことは気にせず、なるべく速く、ラクをして、ワクワクしながら、ズボラで健やかな創作活動を楽しんでいきましょう!

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