小説の書き方を学ぶときにこれだけは知っておきたい作法・ルール

こんにちは、あとーすです。

この記事を読んでいる方の中には、小説を書き始めたばかりという方もいらっしゃるかもしれません。

紙に掲載される場合でも、ネットで書く場合でも、小説を書く際にはいくつかの作法・ルールというものがあります。

必ず守らなければならない、というものではないのですが、守っておいた方が無難な場合が多いものもあります。

そこで今回は、上述したような「守っておいた方が無難」な作法・ルールをいくつか紹介させていただきます。

三点リーダ(…)とダッシュ(−)は偶数個使う

小説の作法・ルールと言うときに、一番よく指摘されるのがこれです。小説をはじめとして、書籍はだいたいこのルールが適用されています。

三点リーダ(…)は、主に沈黙を書き表すときに用いられます。ダッシュも同じように偶数個使うのですが、こちらはあまり使用頻度が高くないのではないでしょうか。もちろん、人にもよるのだと思いますが、僕は全くといっていいほど使いません。

翻訳小説のような場合だと、以下のように使われているのを見ます。

 僕は−−それが正しいか間違っているかはさておいて−−そのような判断を下したのだった。

ただ、これについては、日本語で書き表す場合は

 僕は(それが正しいか間違っているかはさておいて)そのような判断を下したのだった。

のようにするのが普通かと思います。

このように括弧を使うのは、表現力が未熟だということで嫌われる風潮もあるようですが、いわゆる純文学や大衆文学でも、頻度こそ高くないものの見られる手法です。

少々話がそれてしまいましたが、三点リーダ(…)とダッシュ(−)は偶数個セットで使用する、ということを覚えておきましょう。

形式段落は1字下げる

学校の国語の授業で、「形式段落」という言葉を聞いたことはないでしょうか?

デジタル大辞泉を引くと、以下のように説明されています。

形式上ひとまとまりになっている段落。文頭を一字下げたところから改行までのまとまり。主に学校教育で用いられる語。

(デジタル大辞泉より)

教科書に書いてある文章と同じように、小説も改行する際には行頭を1字下げるのが普通です。

ただ、ネットの文章ではあまり行頭を1字下げる文化がありませんね。このサイトも、行頭は下げないという方針で運用しています。

原稿用紙換算で賞に出すような場合、あるいは同人誌を作るような場合は守っておいた方が無難でしょう。ただ、ネットに小説を掲載する場合などは、あまり気にしなくてもいいかもしれません。

また、改行の際には行頭を1字下げるとは言っても、かぎかっこで始まる場合にはそのままにしておきます。

 たぬきのポン吉は夢を見ていた。故郷の森に帰る夢だ。あの森は、まだ無事だろうか。残してきた弟や妹たちは、無事だろうか。
「何を考えているの?」
 妻はそう聞いてきた。
「昔のことを考えているんだ」
 ポン吉はそう答えた。妻には、森に残してきた家族のことは話したことがなかった。

会話文の最後に句点を打たない

現代の小説においては、基本的に会話文をあらわすかぎかっこの閉じの直前には句点(。)を打ちません。

○「泣くんじゃない。君はポン吉を救うんじゃなかったのか」
 
×「泣くんじゃない。君はポン吉を救うんじゃなかったのか。」

ただ、近代から戦後くらいまでの小説には閉じの直前にも句点を打っているものがたくさんあります。また、現代の作家でもそのような書き方をする人が全くいないわけではありません。

同人誌などを作る場合は、編集方針を決めてどちらかに統一する方が無難かと思います。特に理由がなければ、禁則処理のことも考えて打たない方が良いでしょう。

感嘆符と疑問府の後は1字分空ける

感嘆符(!)や疑問府(?)のあとは、基本的に1字空けるのがルールとなっています。

○「ポン吉! お前は本当にポン吉なのか? 探していたんだぞ」

×「ポン吉!お前は本当にポン吉なのか?探していたんだぞ」

ただ、最近は書籍になっている小説でもこのルールに則っていないものをよく見かけます。先ほどの会話文における句点と同じように、同じ制作物内で統一するという程度の配慮でも構わないでしょう。

Twitterやブログなどで、感嘆符や疑問府の後を1字分空けている人がいれば、その人は小説を書いている人かもしれません。

まとめ

さて、ここで紹介している作法・ルールに関しては、一般的によく言われているものです。記事中でも説明しましたが、必ずしもこの通りになっていないものもありますし、小説を書いたり同人誌を作ったりする上で、必ずしもこうしなければならないというものでもありません。

ただ、同じ小説や冊子の中では統一する必要があるでしょうから、編集などを担当する人は特に、覚えておいて損はないでしょう。

内容は素晴らしいものができても、形式が整っていないばかりに質を低く見積もられてしまうかもしれません。そうならないように、しっかりと覚えておきましょう。

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