文芸誌2021年5月号情報まとめーー『新潮』が三島由紀夫全集未収録掌編を掲載

『新潮』、『群像』、『すばる』、『文學界』、『文藝』の文芸誌各誌が発売となりました。

『新潮』 / 三島由紀夫の発掘小説を掲載

『新潮』は、三島由紀夫の全集未収録作品「恋文」を掲載。この作品は、『仮面の告白』が刊行された1949年の「朝日新聞」に掲載されていたものです。大阪大学の斎藤理生教授による解説も掲載されています。

創作は、筒井康隆氏の掌編、金子薫氏の長編が掲載されています。朝井リョウ氏+村田沙耶香氏の対談にも注目。

なお、この記事を執筆している時点で、Amazonでは品切れとなっています。楽天ブックスやhontoなどには在庫が残っているようですので、ネット書店での購入を希望の方は、そちらもご確認ください。

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『群像』 / 小特集は「旅」

『群像』は相変わらずのボリュームで、中編は松波太郎「王国の行方 二代目の手腕」、藤代泉「姫沙羅」、湯浅真尋「導くひと」を掲載。また、短編では川上弘美「そういう時に限って冷蔵庫の中のものが」、町田康「天之忍穂耳命と邇邇芸命」が掲載されています。

小特集は「旅」。田岳弘氏、倉数茂氏、津村記久子氏、藤野可織氏による短篇の他、「想い出の駅」に関するアンケート結果を20ページに亘って掲載しています。

『すばる』 / 井上荒野の短編掲載

『すばる』は、創作として井上荒野氏の短編「錠剤F」小山内恵美子氏の短編「しょんなかもち」を掲載。田中慎弥氏による新連載「流れる島と海の怪物」も始まります。

松家仁之氏+野崎歓氏の対談「小説の緻密さと余白」も興味を引きます。

『文學界』 / 文學界新人賞発表

『文學界』5月号では、文學界新人賞が発表されています。受賞作は青野暦「穀雨のころ」、九段理江「悪い音楽」の2作。創作にはそのほか、羽田圭介「Phantom」が掲載されています。

批評は千葉雅也「霊的世俗性──フーコー『肉の告白』論」、対談は谷川俊太郎氏×高橋睦郎氏「雪のように溶ける詩を目指して」にも注目です。

『文藝』 / 特集:もふもふもふもふ

『文藝』の特集1は「もふもふもふもふ」。古川日出男氏、小山田浩子氏、高山羽根子氏などの短編が掲載されています。特集2は「非常時の手紙」。緊急事態宣言下の7人によるリレー書簡が掲載。

そのほか、創作として藤代泉「ミズナラの森の学校」、加納愛子「最終日」、児玉雨子「凸撃」がラインナップ

また、新たな文藝賞選考委員が発表され、磯崎憲一郎氏と村田沙耶香氏が退任となり、角田光代氏と町田康氏が加わりました。なと、角田・町田両氏は文藝賞選考委員の経験があります。

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