第7回渡辺淳一文学賞に葉真中顕『灼熱』

第7回渡辺淳一文学賞の結果が発表され、葉真中顕氏の『灼熱』が受賞しました。

渡辺淳一文学賞は、集英社と公式財団法人一ツ橋綜合財団が主催する文学賞で、昭和・平成を代表する作家であり、豊富で多彩な作品世界を多岐にわたり生み出した渡辺淳一氏の功績をたたえ、純文学・大衆文学の枠を超えた、人間心理に深く迫る豊潤な物語性をもった小説作品を顕彰する目的で開催されています。

対象となるのは、前年1月〜12月に刊行の、日本語で書かれた小説単行本および単行本未刊行の文庫。賞金は200万円です。今回の選考委員は、浅田次郎氏、小池 真理子氏、髙樹のぶ子氏、宮本輝氏の4名。

『灼熱』内容紹介
 沖縄生まれの比嘉 勇(ひが いさむ)は、叔父たちと共にブラジルに移住、日本人入植地「弥栄(いやさか)村」でブラジル生まれの日本移民二世・南雲(なぐも)トキオと出会い、無二の親友となる。二人はともに日本へ帰ろうと約束する。
 祖国の戦争が伝えられる中、村一番の農家・南雲家が育てるハッカは敵性産業だという噂が出回り、夜襲を受ける。トキオたちは村を出ていくが、実は襲撃したのは、「御国のため」の正義を掲げる、勇ら村の者たちだった。新たに村のリーダーとなった瀬良(せら)に目をかけられた勇は、村で存在感を発揮する。
 そんな中、終戦の報がもたらされる。サンパウロにいるトキオには「日本が敗けた」、弥栄村にいる勇たちには「日本が勝った」という報せが……。両者は激しく対立し、ついには事件が勃発する――。

著者の葉真中顕氏は、1976年東京都生まれ。2013年『ロスト・ケア』で日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞しデビュー。2015年、『絶叫』で吉川英治文学新人賞候補・日本推理作家協会賞候補、2017年、『コクーン』で吉川英治文学新人賞候補。2019年『凍てつく太陽』で大藪春彦賞、日本推理作家協会賞を受賞。ほかの著作に『Blue』『そして、海の泡になる』などがあります。