「K」を手掛かりにした文学的連想__「K」の登場する小説案内
小説を読んでいると、他の文学作品に対する言及があることがよくあります。 そんな作品しらないよ!って思ったり、この小説なら読んだことがある、なるほどーと思ったりした経験のある方は多いのではないでしょうか。 文学作品はその中…
小説を読んでいると、他の文学作品に対する言及があることがよくあります。 そんな作品しらないよ!って思ったり、この小説なら読んだことがある、なるほどーと思ったりした経験のある方は多いのではないでしょうか。 文学作品はその中…
小説を書く者にとって、闇雲に文字を書き連ねることは賢明な判断と言えない。個人の内にある資源には限りがあり、アウトプットを続けていればそれは必ず枯渇するからだ。 その対策として、すなわちアウトプットできなくなったときの処方…
与謝野晶子といえば、日露戦争のときに召集された弟のことを思って書いた詩「君死にたまふことなかれ」が有名です。また、夫である与謝野鉄幹と共に文化学院を創設するなど、教育者としての一面も持っています。 しかし、彼女の一番の功…
こんにちは、あるいは初めまして。雲鳴遊乃実と申します。趣味は、小説を読んだり書いたり読ませたりすることです。 このサイトを見ている方々も読書が好きな方々だと思われますが、皆さまは読書をするときにどのようなこだわりを持って…
穂村弘といえば、現代短歌の最前線で活躍する歌人の一人です。その穂村弘による歌論書『はじめての短歌』が面白くないわけがありません。 普段の生活の中で短歌を詠むことはほとんどなく、短歌の鑑賞経験も乏しいのですが、穂村弘の書く…
こんにちは、福本毛玉です。 蝉の鳴き声もいつの間にやら静まり、夜がのびてきた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。 今回は読書の秋におすすめの本を、吉本ばなな氏の作品からご紹介いたします。 吉本ばななのおすすめ小説3…
高橋文樹『途中下車』を読みました。 普段は「高橋さん」と呼ぶのだけれど(面と向かって呼んだことはない)、本記事では一貫して「高橋」と呼ばせていただきたく存じます。ということを、冒頭で断っておきます。 著者の経歴をざっと紹…
「青春小説」とは何か。最近、そういうことを考えます。 僕は、ずっと「青春小説」が好きだと思っていました。思春期にあたる中高生たちの揺れる気持ち、教室の風景、かわいらしい恋愛、などなど……。そういうものがぎゅっと詰まった「…
僕は別に詩というものがそれほど好きなわけではないけれど、最果タヒ氏の書く詩は好きです。 特に、今のところ彼女の最新刊である『夜空はいつでも最高密度の青色だ』は特に良かったと思てっています。僕は熊本に住んでいるのですが、前…
こんにちは。文芸サークル『思ってたより動くメロンパン』の新士悟です。 今回は少し変わった構成を楽しめる2冊のSF小説をご紹介いたします。 6月末に発売された、乙野四方字『僕が愛したすべての君へ』&『君を愛したひとりの僕へ…
『新潮』9月号に掲載されていた舞城王太郎「Would You Please Just Stop Making Sense ?」を読みました。 Twitterでうっかり「感想文書きやすそうだな〜」と書いてしまったのですが、…
こんにちは。文芸サークル『思ってたより動くメロンパン』の新士悟です。 さっそくですが、皆さんは普段どんなジャンルの文章を書いていますか? 硬派に純文学。想像力豊かにファンタジー。知力を尽くしてミステリー。気ままにエッセイ…
こんにちは、『思ってたより動くメロンパン』の真実無目むゆです。 前回に引き続き、日本の古典文学に関する記事です。 『曾根崎心中』のリズム 眼もくらみ、手も震え、弱る心を思い直し、脇差を取り直しても、なお震え、突こうとはす…
こんにちは、蓼食う本の虫編集長のあとーすです。 アイキャッチ作成担当の方に「太宰の短編についての記事を書くから画像よろしく!」と頼んだところ、なぜか「編集長が選ぶ!」という煽りがついていたので、このようなタイトルになって…
こんにちは。文芸サークル『思ってたより動くメロンパン』の新士悟です。 今回は昨年4月に刊行された、藤井太洋氏の第4長編『ビッグデータ・コネクト』の紹介をさせていただきます。 まずは著者の紹介から。 藤井氏の商業デビューは…
はじめに こんにちは、『思ってたより動くメロンパン』の真実無目むゆです。 ある時、僕は、バイト先の塾に通っている高校1年生の男の子にこう話しかけられました。 「先生! 最近、俺、『ガリヴァー旅行記』と『不思議の国のアリス…
『屋久島ジュウソウ』は、小説家である森絵都氏によるエッセイ。タイトルの通り、屋久島への旅行が飾らない文章で綴られています。 また、同時収録の「slight sight-seeing」は主にヨーロッパ旅行についての思い出を…
皆さんは青空文庫という電子図書館をご存知でしょうか? 著作権の切れた作家の作品や、作者が公開を了承した作品が掲載されており、読書や研究の際にとても便利なウェブサービスとなっています。 テキスト形式(あるいはXHTML形式…
幼少期の体験というのは、その後の人生にも多大な影響を与えるものです。 私の周りには読書好きの友人が多いのですが、つい先日「昔好きだった絵本について」という話で大いに盛り上がりました。 親に読み聞かせてもらった本、図書館で…
あなたは読書記録をつけていますか? あるいは、読書記録をつけたいと思ったことはありますか? Twitterでアンケートをとってみたところ、約70%の方が読書記録をつけていないということでした。 【アンケート】 皆さん、読…
途中で本を読みさすとき、多くの場合はしおりを間に挟むのではないでしょうか。あるいは、本についているひも(スピン)を挟むこともあるかもしれません。 しかし、しおりもスピンもない……なんて場面に遭遇することも多々あるでしょう…
本谷有希子『ぜつぼう』を読みました。初出は『群像』2005年11月号。講談社から単行本が出たのは2006年。約10年前の作品になります。 ここから、本谷氏は演劇界で鶴屋南北賞と岸田國士賞を受賞。文壇でも野間文芸新人賞、三…
「これから先、どう生きていけば良いんだろう?」 大人になる一歩手前、誰もがこうした不安感を覚えるものですよね。 庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』は、そんな人生の岐路で迷い、苦悩し、やがて答えを見つけていく男の子を主人公と…
星新一という作家をご存じでしょうか? という質問が馬鹿馬鹿しいほどに、星新一は有名な作家です。僕と同年代の人たち、具体的には10代後半から20代前半の人たちは中学生のときに星新一作品を読んだことがある、という人が非常に多…
離れて暮らす仲の悪い姉妹と、その母親。ある日三人でグアム旅行へ行くことになるが、相変わらず姉妹の中は悪くて……。 本谷有希子『グ、ア、ム』のあらすじを紹介するならば、このようになるでしょう。しかし、恐らく読者があらすじを…