吉本ばななエッセイ最新刊『人生の旅をゆく 4』が2月25日に刊行

吉本ばなな氏のエッセイシリーズ最新刊『人生の旅をゆく 4』がNHK出版より2月25日に刊行されます。

「人生の旅をゆく」は、「喪失と再生」を描き続けてきた作家による「旅と日常」を描いたエッセイ・アンソロジーのシリーズ。2006年に1冊目が刊行され、本作で4冊目となりました。

【本文より一部抜粋】
私の小説を好きな人たちのところに私は実際には一生行けなくても、小説だけはしっかりと会いに行けている。その人たちを助けたり、慰めたり、励ましたりしている。心を込めて書いていれば、きっと伝わる。

きれいな水やお湯を見たとき、きれいな氷を見たとき、人はふっと自然に思いを馳せる。その時間は全部、自然に寄り添う小さな旅なのだ。

ごきげんな赤ちゃんが全身で喜ぶような、木や草が久しぶりの恵みの雨にまるで蛍光色のような明るさを表現するような、そんな感覚を決して忘れたくない。

私のエッセイのテーマは基本的には過去の良かったことをふりかえって描き、人生にはいつでも、たとえどん底にあっても、ふと良い場面に出会う可能性があるということ、それが誰にでも平等にあることに気づいてもらうことだけだ。わずかでもそのきっかけになれば嬉しいと思う。

吉本ばなな氏は1964年東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科を卒業し、1987年に『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。代表作に『キッチン』『TSUGUMI』などがあります。

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