太宰治とキリスト教
イントロダクション‐太宰治とキリスト教 太宰治の作品を読むとき、そこにはかならずと言っていいほど、聖書あるいはキリスト教の影響が見られます。聖書・キリスト教に関連する作品をおおまかに区分するならば、主に3つに分けられるで…
イントロダクション‐太宰治とキリスト教 太宰治の作品を読むとき、そこにはかならずと言っていいほど、聖書あるいはキリスト教の影響が見られます。聖書・キリスト教に関連する作品をおおまかに区分するならば、主に3つに分けられるで…
はじめに はじめまして、こんにちは。寝ても覚めても日本近代文学に夢をみる文筆家、西 一六八(にし いろは)と申します。 私が住んでいるところは、山にかこまれた関西の田舎です。夏が近づいてくると、水かがみの田んぼに稲が植え…
「大学院」と聞くと、実家が太い学生が選ぶ進路だとか、自分の行くべき場所ではないような気がするだとか、そういう印象を持つ方が少なくないのではないかと思います。 学部を卒業した大学にもあるはずなのに、進路として選択せず、一度…
前編はこちらから→物語を消費せよーー「動物の時代」の文学論(前編) 前回の記事では、日本の文芸界隈が直面している危機について考えて、それを打開するための示唆を与えてくれる大塚英志・東浩紀両氏の著作の紹介をいたしました。引…
文学はオワコンか? 「文学はオワコンか?」 昨今の文芸界隈を見ていると、このような疑念を抱くようになりました。 「オワコン」とは「終わったコンテンツ」の略称で、ブームが過ぎ去った時代遅れの商品やサービスなどを指します。 …
「文学部にいくと就職で苦労する」「文学部に行っても将来の役に立たない」などということが、今から10年ほど前、僕が高校生だったころはまことしやかに囁かれていました。「文学部 就職」などでGoogle検索をしてみると、今でも…
例えば普段からさほど本を読まない高校生が「面白いから」と友人より町田康を勧められ、何から読んで良いかわからずとりあえず芥川賞受賞作なら間違いないだろうと『きれぎれ』を手にとってしまえば、狂い咲きぶりに当惑し「向いてなかっ…
*** 本当に好きなものについて語るというのは嬉しくもあるけど怖くもある。別に反論とか批判とかが怖いというのではなくて、自分がその対象をきちんと捉えているかとか、自分の考えがその対象を歪めていないかとか、そういう不安…
【梗概】 五月の半ば、新緑のまぶしい頃、日本海海戦の音が聞こえてくる。妹の看病のことで半狂気の有様であった姉には、それが地獄で打ち鳴らす太鼓の音に聞こえた。草むらで泣き続け、日が暮れかけたころに帰宅すると、妹が呼ぶ声が…
舞台を原作とするメディアミックス作品「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」(以下、レヴュースタァライト)をご存じでしょうか。 2018年夏にはアニメも放送され、それをきっかけに存在を知った人も少なくないと思います。 様々な…
小説をインターネット上に公開するときに、皆さんはどんなサイトを使っていますか? 蓼食う本の虫でも、おすすめの投稿サイトをいくつか紹介しています。 小説を書くならどのサイトがいいの?小説投稿サイトおすすめ6選 中でも、KA…
アイキャッチイラスト:櫁(しきみ)さん チャット小説、チャット風小説、チャットノベル、チャットフィクション、トークノベル、セリフSS……。 呼称はいろいろありますが、これらはLINEのようなUI(デザイン)でストーリーが…
小説書きのみなさん、ちょっとした集まりなどで、こういう会話、ありませんか。 「何してる人ですかー?」 「小説書いてます」 「えー? どういう系の書いてるんですかー?」 ……この時にどう答えるべきか、めちゃめちゃ困りません…
創作を愛し、いつの日か自分が創り上げる作品でメシを食っていけたらなぁと夢を描いてる者も多いのではないだろうか。だが、現実は決して甘くないという事を思い知らされ、大きくそびえる壁の前に呆然と立ち尽くすしかないと悟った者も、…
アマチュア小説家は経済的自由の夢を見るか? 私たちは小説を書くとき、どこか出版社や文学賞を意識していないだろうか。デビューするために。名声を得るために。お金を得るために。 もちろん、自分のオリジナリティを前面に出した小説…
文芸創作とひとくちに言ってもその範囲は幅広いですよね。 「文芸部」というと、大抵は小説を書く人が集まっていますが、中には俳句や短歌、詩などを書く人もいます。 また、戯曲も文芸のジャンルに入りますし、個人的には140字小説…
僕は、無間書房という文芸同人サークルの代表をしていて、いくつかの同人誌を企画して販売してきました。 また、文学フリマなどの同人誌即売会で、様々な文芸系同人誌を見てきています。 今回は、そこで感じた文芸系同人誌を作って売る…
ライトノベルの定義については、これまでさまざまな意見が取り交わされてきた。しかし、ライトノベルの定義が何であるのかにたいする決定的な解答と呼べるものは、いまのところ見当たらない。ライトノベルの定義の候補はいろいろと提出さ…
突然ですが私は歌が好きです。音楽が好きです。だからって合唱部に所属したこともなければ吹奏楽部に所属したこともない、部活は体育会系一筋で育ってきたいうなればゴリラプロパーが私な訳ですが、そんなゴリラな私ですら夜な夜なシャワ…
「実際のところ、世の中にどれくらいの小説好きがいるのだろうか……?」 という疑問は、小説を読むのが好きな人にとっても、小説を書くのが好きな人にとっても常々気になっているところではないでしょうか。 そこで、小説を読む人が実…
前回寄稿した『「文芸誌連載小説のスマホ無料公開」から考える純文学の「流通」について』という記事の特に前編が広く読まれたというのはとても有り難いことだった。というわけで前回同様に、今回もとある記事における純文学の「語り方」…
皆さんは“電子書籍”という単語を聞くと、どんな形をイメージするでしょうか? 多くの方は、タブレット端末やスマートフォンを用いた媒体を思い浮かべるのではないかと思います。 しかし、実は将来的な電子書籍を読むデバイスは、その…
同人誌づくりという創作は、いろいろなことに分けて考えることができます。じぶん自身に返ってくる個人的なこと、みんなでたのしむ娯楽的なこと、もっとひろく業界的なこと、流通とか、本づくりのオールプロセスとか、ときには法律だって…
『「文芸誌連載小説のスマホ無料公開」から考える純文学の「流通」について』の前編・後編を御読み頂きました皆様、まことに有り難うございました。特に前編は結構広く読んで頂けたらしくて感謝の極みでございます。 原稿を編集様に送信…
10月13日、ピクシブはチャット形式の小説アプリ「pixiv chatstory」をリリースしました。 公式作品を読めるほか、一般ユーザーも作品を投稿することが可能です。 リリース記事はこちら→チャット形式の小説を楽しめ…
※前編はこちら→「文芸誌連載小説のスマホ無料公開」から考える純文学の「流通」について【前編】 さて、これからの文章を読むにあたっては、改めて前編でも紹介した以下の記事を読んで頂きたいと思う。 …
小説を読む人って、実際どれくらいいるんだろう?って気になりませんか。 今回は、2つの方向性から小説読者の存在を探ってみようと思います。 第一に、「蓼食う本の虫」ユーザーさんに向けたアンケート。 第二に、2010 年の若者…
2017年9月7日のこと。 僕のタイムラインに興味深いニュースが流れてきた。 新潮新人賞・三島由紀夫賞作家の上田岳弘の新作『キュー』が、文芸雑誌『新潮』と同時連載でYahoo! JAPANのスマートフォン版でも無料公開さ…
小説は一人でも書くことができる。なのに、どうして文芸部に入る必要があるのだろうか。 「文芸」なので小説だけに限らないかもしれないが、僕があってきた文芸部や文芸サークル(面倒なので以後、「文芸部」に統一する)の人たちは、小…
唐突だが、あなたは詩についてどう思うだろうか。国語の教科書でしか読んだことがない、ただの言葉の羅列にしか思えない、興味も沸かない、という人も世の中には多いのかもしれない。 現代の日本では、わからないこと…