10月13日、ピクシブはチャット形式の小説アプリ「pixiv chatstory」をリリースしました。
公式作品を読めるほか、一般ユーザーも作品を投稿することが可能です。
リリース記事はこちら→チャット形式の小説を楽しめるチャットストーリーアプリ「pixiv chatstory」をリリースしました
チャットフィクションとは?
チャットフィクションは、近年注目される物語の形の一つ。他人のチャットアプリを覗き見しているようなUIで、タップ&スクロールで物語を読んでいきます。
紙の本ともケータイ小説ともまた違った独特の没入感が大きな魅力を言えるでしょう。
海外では既に「Hooked」や「Yarn」といったチャットフィクションのアプリが若者を中心に人気を博しています。青春、恋愛など多彩なジャンルの作品を読むことができますが、チャットフィクションと相性が良いのはホラー・サスペンスの小説で、トップ画面にホラー作品をもってきているアプリも少なくありません。
そしてこのブームに乗り遅れるまいと、日本でも続々とアプリがリリースされているのです。
最近ではDMM傘下のピックアップがリリースした「TELLER」、今年の6月に設立したばかりのFOWDがリリースした「Balloon」などの話題が各メディアで取り上げられました。
さて、今回リリースされたpixiv chatstoryには、他のアプリとは違ういくつかの特徴があります。
まず1つ目は、各作品に「〇〇秒(分)で読める」といった時間表示があること。これにより、読者は読み始める前からその作品がどの程度のボリュームのものであるかを知ることができます。
紙の本であれば見ただけで分かる「厚さ」を、チャットフィクションでは「時間」で表すというのが印象的です。pixiv chatstoryのページでも紹介されている通り、通勤・通学中など、この時間を確認してさくっと読んでしまうことができます。
チャットストーリーでは、スマートフォンアプリで普及しているSNSのチャットのように、他者同士の会話のやりとりを見ているような感覚や、自分自身が会話に参加しているような感覚を味わうことができます。1話が1〜3分程度で読める短編になっており、通勤通学などの移動時間やちょっとした空き時間などでも楽しめます。
(チャット形式の小説を楽しめるチャットストーリーアプリ「pixiv chatstory」をリリースしましたより)
2つ目は、「お題」形式でユーザー作品が投稿されること。
他のアプリでは自由に投稿できることが多いユーザー作品ですが、pixiv chatstoryではいくつかのお題が事前に準備され、作品を投稿するユーザーはまずどのお題で書くかを決めてから書き始めることになります。
初期で出されているお題は、チャットフィクションには欠かせない「怖い話限定!ホラー&サスペンス」や、限られた文の中で笑わせるセンスが要求される「10メッセージ以内で爆笑させた人優勝」など。また、練習用として何でも投稿して良いお題も用意されています。
さっそく作品を投稿してみた
まずは実践あるのみ、というわけで、筆者も早速チャットフィクションの作品を書いてみました。
残念ながら現在のところ作品をシェアする機能を確認できなかったため(早くなんとかしていただきたいところです)、今回は画像のみとなります。
ユーザー投稿作品を書く際は、まずアプリ右下にある鉛筆マークをタップ。その後、お題の選択を求められるので、好きなお題を選択します。
今回は「練習用お題!何でも投稿していいよ」を選んで書き始めてみました。
肝心のチャット部分ですが、書き方は至ってシンプル。キャラクターのアイコンと名前を決め、セリフや説明文などを書いていくだけです。
アイコンは模様や人の顔など、デフォルトで用意されているものの中から選択することが可能でした。残念ながら、今のところ自前の画像をアップロードする機能はないようです。今後のアップデートに期待しましょう。
そして本物のチャットのように見えるよう、一文ずつ「右寄せ」と「左寄せ」を選択することができます。主人公のセリフを右寄せ、その他のキャラクターのセリフを左寄せにすると、よりチャットを読んでいるような気分になりやすいです。
プレビュー機能を使い、こまめに表示を確認しながら書いていくと良さそうです。
書き終えたら「次へ」ボタンを押して、公開する場合は「今すぐ公開」ボタンから作品を公開することが可能です。できあがった作品はこのような表示になりました。
画面下部の領域をタップすることで読み進めることができます。地の文で描写することが少なくなるため、ややキャラ立てが難しくなりますが、会話中心にテンポ良く話を進められるという点が特徴的であると感じました。小説というより、脚本を書くのに近い感覚です。
pixiv chatstoryのこれからについて
オリジナルストーリーだけでなく、既に人気のあるコンテンツのチャットフィクション化も計画しているというpixiv chatstory。作品の応募コンテストも実施予定ということで、公式作品だけでなくユーザー投稿作品も多く集まってきそうです。
個人的には、二次創作の作品が多く集まるpixivでは、既存キャラクターのチャットを作成するのも流行するのではないか?と予想しています。
これまでも「ひとり会議」や「チャットノベル」を使って、もしもあのキャラクター達がチャットをしていたら?という二次創作が行われることがありましたが、その役目をpixiv chatstoryが担う日も近いかもしれません。
まとめ
オリジナルも、二次創作も、それぞれに新鮮な楽しさがあるチャットフィクション。この機会に、ぜひ体験してみませんか。
アプリのインストールはこちらから →pixiv chatstory(現在はiOS版のみ)