皆さんは青空文庫という電子図書館をご存知でしょうか?
著作権の切れた作家の作品や、作者が公開を了承した作品が掲載されており、読書や研究の際にとても便利なウェブサービスとなっています。
テキスト形式(あるいはXHTML形式等)で表示されているため、原文を紙面やウェブ上で引用するのも簡単です。
さて、実は海外の名作を読むことのできる同様の電子図書館サービスが多数存在します。
今回は、ウェブ上で海外文学を読む際に役立つサイトを5つ紹介します。
Project Gutenberg
プロジェクト・グーテンベルグは著作権切れの文献を掲載している最古の電子図書館です。創始されたのはなんと1971年!
その名は活版印刷の開発に尽力したグーテンベルグに由来し、数万冊もの膨大な数の電子書籍が所蔵されています。
多くの書籍は英語で書かれたものですが、ドイツ語・フランス語・スペイン語などの書籍もたくさんあります。
そのため、プロジェクト・グーテンベルグ内だけでも好きな本の色々な版を楽しむことができます。
使い方は至って簡単。まず、サイト右上の検索バーに本のタイトルや作家名を入力します。
(例えば、赤毛のアンであればAnne of Green Gablesですね)
そうすると検索結果が出てきますので、自分が読みたい版のものをクリック。
そしてHTMLなどお好みの表示方法を選択すると、内容を閲覧することができます。
章ごとにページが分かれている場合も多いため、好きなシーンの原文を確かめてみたい、という人にもおすすめです。
コンプリート・シャーロック・ホームズ
こちらのサイトでは、日本語訳されたコナン・ドイル作「シャーロック・ホームズシリーズ」を、なんと全作品読むことができます。
しかも初出誌の挿絵つき。運営者のホームズ愛を感じますね。
サイトのトップページには、以下のようなコメントが掲載されています。
名探偵の代名詞、シャーロック・ホームズ。 全作品を合計すると60作品(長編4、短編56)にもなります。 文庫本にして9~10冊ですから、全部読み切るのはなかなか大変です。原作の著作権はすでに切れていますので、英語のテキストは数多くのサイトで公開されていますが、 邦訳はほとんど著作権が残っており、インターネット上で自由に読める邦訳はごく一部に過ぎません。 このサイトでは、既存の著作権に抵触しないように、全ての作品を改めて原作から翻訳し直して公開しています。
(『コンプリート・シャーロック・ホームズ』)
かつては、はてなニュース等でも取り上げられたことがあるようですね。
名探偵の全60作品を無料で読める! 「コンプリート・シャーロック・ホームズ」がすごい
推理小説好きにはぜひチェックしてほしいサイトです。
Gallica
ガリカは、フランス国立図書館によって運営されている電子図書館です。
著作権が切れているものであれば、詩や小説だけではなく、雑誌・画像・イラスト・更には楽譜まで閲覧&ダウンロードを行うことができます。
現在のサイトはフランス語のみの表示となっていますが、近い将来は多言語対応が期待されます。
Online Bibles
オンライン・バイブルスは、様々な言語で書かれた聖書を閲覧できるウェブサイトです。
ヘブライ語やギリシャ語をはじめとして、英語・ドイツ語・中国語など、数多くの翻訳バージョンが掲載されています。
トップページにはそれぞれの版へのリンクが並んでいますので、後は閲覧したいものをクリックするだけでOK。
章や節ごとに細かくページ分けてしてあるので、任意の箇所を探す際にも便利です。単に読むだけではなく、比較研究にも役立つサイトですね。
Perseus Digital Library
ペルセウス・デジタル・ライブラリーは、アメリカのタフツ大学によって運営されている電子図書館です。
こちらのサイトではギリシャ語やラテン語などで書かれた古代の文献を参照することができます。
何よりトップページや検索結果などを英語で案内してくれるのが嬉しいところです。
ちなみに、私はギリシャ語もラテン語もからっきしなのですが、大学の研究でどうしてもギリシャ語原文を確認したい箇所があり、こちらのサイトをありがたく使用させていただきました。
読書の幅を広げよう
なかなか手に入りにくい洋書も、電子図書館なら、いつでもどこでも原文を見ることができます。
このように過去の名作をオンラインで閲覧できるのは、まさにインターネットが普及した現代ならではのものですね。
企画・運営されている方々には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
便利なサービスを最大限に活用して、読書の幅をどんどん広げていきましょう。