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小説を書き上げたら、誰かに読んでもらいたいのが人の心というもの。
作品を誰かの元に届けるためには、公募に出したり、同人誌を作ったり、自分で作ったサイトに掲載したりと様々な方法があります。その中で最も簡単な方法は、小説投稿サイトに掲載することではないでしょうか。
しかし小説投稿サイトの世界は移り変わりが早く、10年以上運営されている老舗サイトもあれば、1年足らずでクローズされてしまうものもあります。
はじめて小説を投稿する場合、一体どこを選ぶべきなのか。それはもちろん、あなたが書いている小説の特性や、投稿する目的によりけりです。
そこで、今回は主な小説投稿サイトとその特徴を紹介し、あなたにぴったりの小説投稿サイトを見つるためのお手伝いができればと思います。
小説家になろう
「小説家になろう」は、2004年に運営を開始した老舗の小説投稿サイトです。このサイトで人気を博して書籍化された作品の一群は「なろう系」と称されるなど、小説投稿サイトの中で抜群の知名度を誇ります。
2023年5月時点で、登録ユーザー数は243万人超。小説掲載数も102万作品を超えています。日本最大級の小説投稿サイトと言っても過言ではないでしょう。
『Re:ゼロから始める異世界生活』、『異世界居酒屋「のぶ」』、『転生したらスライムだった件』、『君の膵臓をたべたい』など、多数のライトノベル作品が、小説家になろうで人気を博したことをきっかけに書籍化されています。
年間を通して様々なコンテストを開催していますが、目玉となるのが通称「なろうコン」と呼ばれている「ネット小説大賞」。グランプリは賞金100万円 & 書籍化と、作家デビューを目指す方にとっては非常に魅力的なコンテストとなっています。現在は第11回ネット小説大賞の応募受付期間です(2023年7月31日18:00〆切)
小説を書き上げた人であれば、誰しも一度は投稿を検討するサイトでしょう。
カクヨム
「カクヨム」は2016年に正式オープンした小説投稿サイトで、出版社であるKADOKAWAが運営しています。小説家になろうと比べると若いサイトですが、非常に勢いがあるといえます。
登録会員数は、100万人を突破していると2023年3月28日にカクヨムが発表しています。
カクヨムにも、なろうコンのような目玉コンテストがあります。それが、年に1回開催されている「カクヨムWeb小説コンテスト」、通称「カクヨムコン」です。ジャンル毎に部門を分けて作品を応募し、それぞれの大賞賞金が100万円。もちろん、受賞作はKADOKAWAから書籍化されます。通常の公募文学賞では選考委員のみによる選考が行われますが、カクヨムコンではその前に読者による選考があるのも特徴といえます。
また、2019年10月より「カクヨムロイヤルティプログラム」を開始。これは、サイト上に掲載されている広告収入のうち70%をユーザーに還元するというもの。つまり、自身の投稿した小説が読まれれば読まれるほど、収益を得られるような仕組みとなっているわけです。
他にも、スニーカー大賞への応募を受け付けていたり、作品に「キャッチコピー」を付ける機能があったりと、面白い試みを行っています。
エブリスタ
「エブリスタ」は、モバゲーというSNSの小説投稿機能「モバゲー小説」を前身とし、2010年に運営が開始されました。
2016年時点で、累計登録クリエイター数が141万人と、小説家になろうに負けないくらいの規模感があります。
「小説家になろう」や「カクヨム」には男性向けのラノベ系作品が多い印象ですが、エブリスタにはどちらかといえば、女性向けのキャラ文芸的な作品が多く投稿されているように思います。しかし、エブリスタ発の書籍化作品として『王様ゲーム』、『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』、『カラダ探し』などもあり、幅広い作品が投稿されていることが窺えます。
企画面で特徴的なのは、気軽に参加できる公式コンテストを数多く開催していること。その中のひとつである「三行から参加できる 超・妄想コンテスト」に集まった作品が「5分シリーズ」として河出書房から発売されるなど、企画から生まれた書籍もあります。
2019年4月に大幅なリニューアルを行い、それ以降も継続的な開発を続けているエブリスタ。コンテスト企画にあわせて投稿する作品を考えるというのもおすすめです。
pixiv
「pixiv」は2007年に運営を開始したWebサービス。イラスト投稿サービスとして始動し、その側面が有名ではありますが、2010年にはすでに小説投稿機能が実装されています。
2018年には新たに小説チームが発足し、既存機能の改善や新機能のリリースを行っています。
直近で注目したいのは「設定資料」機能でしょうか。シリーズ作品に対して、人名など固有名詞の資料を掲載できます。また、この設定資料に登録した用語に対して「単語変換」機能を使うことも可能です。これは、特定の用語を、ユーザーが入力した単語に変換できる機能となっています。
コンテスト企画も様々なものが開催されており、特に2018年にコミック百合姫と開催した「百合文芸コンテスト」はSNS上でも盛り上がりを見せ、2023年時点で第5回まで開催されています。
また、pixivと連携した周辺プロダクトも充実。ファンコミュニティサービスのpixivFANBOX、同人通販サービスのBOOTH、同人グッズ制作サービスのpixivFACTORYなど、クリエイター活動を一気通貫で行うことができます。
2020年10月には「リクエスト機能」をリリース。クリエイターがファンから有償で作品のリクエスト依頼を受け付けられるようになりました。もちろん、小説作品も対象です。
小説を投稿するだけではなく、様々な創作活動の母艦として使えるのがpixivの特徴といえるでしょう。
ノベルアップ+
「ノベルアップ+」は2019年に運営をスタートした新興の小説投稿サイトです。2022年12月初旬に投稿作品の総公開エピソード数が100万件を突破しました。
サイトのガイド兼看板娘であるノベラちゃんがTwitter上でアグレッシブな活動をしていることで知られ、2023年5月の時点で、2万5千人を超えています。運営会社は、HJノベルスなどのレーベルを持つ株式会社ホビージャパン。
「HJ小説大賞「ノベルアップ+」部門」をはじめとして大小さまざまなコンテストを開催しており、すでにHJノベルスなどで書籍化された作品もあります。
「応援スタンプ」や「アバター」といった、他のサイトにはない機能を備えているのも特徴的です。また、「ノベラポイント」という有料のポイントを作者に送ると、それが「貢献ポイント」となり、作者はそれを換金できるという仕組みもあります。
Novelism
「Novelism」は2020年9月に正式オープンした小説投稿サイトです。
特徴は「契約作品」という有料コンテンツの存在。投稿された作品の中から優秀なものは「契約作品」となり、書影や挿絵がついた状態でサイト内に掲載されます。
また、正式オープンと同時に大賞賞金100万円の「ノベリズム大賞」も開催。大賞は一迅社でのコミカライズも行われる予定となっています。
今後どのようなサイトになっていくのか未知数なところもありますが、新しい投稿サイトの勢いを楽しめるのではないでしょうか。
魔法のiらんど
魔法のiらんどは、カクヨムと同じくKADOKAWAが運営する小説投稿サイトです。2023年時点で投稿作品数は300万作品。書籍化作品として『恋空』があります。ただ、ホームページ作成サービスの印象が強いという方もいらっしゃるかもしれません。
カクヨムとは違い、どちらかといえば女性向けの作品が多い印象。また、2020年3月にホームページ機能などの提供を終了し、小説に特化したサービスとして大幅リニューアルを行っています。
2021年1月締め切りの「魔法のiらんど 小説&コミック大賞」は賞金総額300万円以上と、その規模感から期待が感じられます。
ノベルピア
2022年8月にオープンした、韓国発の小説投稿サイトです。現在はベータ版で、継続的にアップデートされています。
ユーザー数は、2022年8月の時点で、3000人を突破。自由連載での投稿作品数は2023年5月8日時点で1600作品を超えています。
サブスクリプションで発生した売り上げ金額がPVごとに振り込まれ、ノベルピアのみで投稿する契約をした場合、PVごとに2円、他サイトで同時投稿される場合はPVごとに1円です。
2023年1月から開催された『第1回ノベルピアWeb小説コンテスト』では、大賞は書籍化が確約されており、賞金総額1,000万円となっています。
新しい小説投稿サイトが気になるという方は、投稿を試してみてはいかがでしょうか。
Web小説を書く方におすすめの書籍
Web小説を書いていくにあたっておすすめの書籍を2冊紹介します。
まずは、『読者の心をつかむ WEB小説ヒットの方程式』。こちらは、小説家になろう出身で今も活躍されている10人の作家さんへのインタビューを掲載した本になります。Web小説発のヒット作を生み出したいという方は、参考にしてみると良いかもしれません。
また、Web小説全体のことを知りたいという方には、『ウェブ小説の衝撃』もおすすめです。
蓼食う本の虫の読者の方にアンケートを取り、小説の書き方について書かれた本を15冊以上取り上げた記事もあります。こちらもぜひご覧ください。
まとめ
長くなるので詳しくは説明できませんが、その他にも投稿サイトはまだまだたくさんあります。
講談社が運営していてチャットノベルなども投稿できるNOVEL DAYS、ノベルアップ+と似たようなポイント制度の先駆者であるマグネットマクロリンク、スマホアプリに力を入れているノベルバ、出版社デザインエッグが運営するノベラボなどなど。オンライン文芸誌を称する破滅派も、登録すれば作品を投稿できます。
各小説投稿サイトの概略をまとめましたが、実際に使ってみないとわからないことも多いです。そのため、まずは気になるサイトをひとつ決めてから投稿して、余裕が出てきたら他のサイトの情報収集をするのがおすすめです。
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