おすすめの小説の書き方本は? アンケートで聞いてみた

小説を書くのって難しすぎませんか? 大学生の頃はばりばり書いていたのに、ここ数年はぜんぜん書けなくて悲しい気持ちを味わっています。ちょくちょく書いてはいるのですが、どうも形にならないんですよね。

小説が書けないというのは、そもそも小説を書くための技術について何ひとつ知らないからなのでは……? そう思っていわゆる「小説の書き方本」を読もうと探してみたのですが、量が多くてどこから手をつければ良いのか分からない。

手当たり次第読んでみても良いのですが、何か指針があった方が良いかなと思い、Twitterで呼びかけてアンケートを取ってみました。ご回答いただいた皆さん、ありがとうございます!

最終的に21名の方から回答をいただきましたので、結果を紹介していきたいと思います。4名の方からおすすめいただいた本が1冊、2名の方からおすすめいただいた本が2冊あります。

2名以上の方にご紹介いただいた本

はやみねかおる『めんどくさがりなきみのための文章教室』(飛鳥新社 2020年)

はやみねかおる『めんどくさがりなきみのための文章教室』は4名の方からおすすめいただきました。

主人公の文岡健と喋る不思議な猫「マ・ダナイ」の軽快なやりとりを挟みながら、小説を書くというアウトプットに限らずインプットについてまで触れられている。文章そのものが平易であるので「何をどうすれば良いか」の理解が容易。小説を書いてみたい!と初めて思った時にも、なんだか行き詰まってしまった時にも読みたい一冊。

ゆら(@pd_yura)

はやみねかおる先生が好きというのもありますが、そもそもの文章の書き方から丁寧に教えてくれる上に、ダナイという可愛いキャラクターのおかげでとっつきにくさが無く初心者におすすめです。

秋山魚子(@YAMASakanayo)

読みやすくかつ実用的。小学生から大人まで使える。一番大事な要点を確認できるので、色々学んで最後におさらいとして読むのもアリ。自分が文を書く上で、大切にしていることが肯定されていて自信に繋がった。

神無月(かなつ)(@kanaz_5718)

物語調になっていて読み物としても面白くわかりやすいから

はやみねかおる氏はジュブナイルミステリを得意とする作家さんで、「怪盗クイーン」シリーズや「都会のトム&ソーヤ」シリーズを子どもの頃に読んでいたという方も多いのではないでしょうか。『めんどくさがりなきみのための文章教室』は、2020年と比較的最近出された文章の書き方本です。

円山夢久『「物語のつくり方入門7つのレッスン」(雷鳥社 2012年)

円山夢久『「物語のつくり方入門7つのレッスン」は、2名の方におすすめいただきました。

実際に小説教室(?)をされている方が書かれていて、物語の構成方法についてとても丁寧に記述されています。

by 仁鳥あまん

執筆の準備段階、物語の構成、キャラクターの作り方など、物語作りの一連の流れがシンプルに平易な言葉でまとめられており、わかりやすい。初心者におすすめ。

『リングテイル―勝ち戦の君』で第6回電撃ゲーム小説大賞を受賞し、「大人の文章塾 夢久庵」で文章始動を行う円山夢久氏の小説書き方本。本書のシリーズとして、『「物語」の組み立て方入門 5つのテンプレート』『「物語」の魅せ方入門 9つのレシピ』も刊行されています。

雷鳥社はこの他にも小説の書き方本を刊行しており、わかつきひかる氏による『やっぱり王道がおもしろい カタを使った物語の生み出しカタ』『文章を仕事にするなら、まずはポルノ小説を書きなさい』などもあります。

谷崎潤一郎『文章読本』(中央公論新社 1996年)

谷崎潤一郎『文章読本』も2名の方におすすめいただきました。

いかに美しく書くかという点に主眼が向いていて、ただ文章を書き切れば良いというような小説書き方本とは一線を画すように思われる

門林はみめ(@dy1wNPQyTk6QlHm)

「物語の書き方」や「わかりやすく書く文章(レポートや評論向け)」を中心に書いている本は多いが「小説の文章の書き方」を中心説いている本はなかなか見当たらない。その点で、文章読本はかなり昔の本ではあるが、現代でも十分に参考になる「小説の文章の書き方」を説いてくれる。

谷崎潤一郎『文章読本』は、現在手に入りやすい中公文庫のものは1996年出版ですが、初版は1934年に単行本化されたもの。その後、この本を踏襲する形で川端康成の『新文章讀本』や、三島由紀夫『文章読本』なども刊行されています。

1名の方に熱烈な推しを頂いた本

以下は、1名の方におすすめいただいた本です。

三浦しをん『マナーはいらない 小説の書きかた講座』(集英社 2020年)

文章が堅苦しくなく、かつ三浦しをんさん自身の小説を例にして分かりやすく書いてくれているため。小説の「型」を教えてくれていると同時に、小説の表現方法の可能性についても教えてくれている本だと思います。

またゆ

大森望編『SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録』(早川書房 2017年)

課題と便概、実作、講評に至るまで丁寧に掲載されており、創作講座を受けている気持ちになりながら一つ一つ自分の問題点を洗い出していくことができるから。また、SFを書くにあたって考えるべきこと、そもそも小説を書くことについても見直すことができる。

紅坂 紫(@YukariKousaka)

梅田貞夫『文章表現400字からのレッスン』(筑摩書房 2001年)

プロットやキャラ立て以前の、「小説を書く」「小説としての文章を創る」とはどんなものかを、生徒の書いた実例を交えながらわかりやすく解説した一冊。身近なお題に沿って400字の作品を書くという実践的なレッスン形式で、より体感的に小説作りを学ぶことができます。

空閑

大塚英志『キャラクター小説の作り方』(星海社 2013年)

キャラの作り方から物語の型、破綻させない方法など、有名な映画や昔話を例に出して書かれているのが非常に分かりやすい。
一冊で物語の作り方の基礎が見に付くと思います。
(残念ながら現在は紙媒体は絶版のようです)

大塚英志『物語の体操 物語るための基礎体力を身につける6つの実践的レッスン』(星海社 2013年)

極めて実践的。手法の都合上、思い通りにとはいかないが、確実に誰でも物語を書けるようになる。

yokosa

中島梓『小説道場』(ボイジャー・プレス 2016年)

ジャンルが特殊ですし、全体のノリも今読むときついと思いますが、視点の置き方についてわかりやすく解説されていたと思います。初読からずいぶん経ちましたが、今でも参考にしています

三田誠広『ワセダ大学小説教室 天気の好い日は小説を書こう』(集英社 2000年)

鬱々とした時こそ創作で吐き出そうと原稿に向かうが、そういう時に書いた文章は後から見返すとすっごくつまらなくて、その現象なんなの?と思っていたところにこの本。タイトル秀逸すぎ。そして、文章書きたくなるだけでなく、本も読みたくなる。創作に向かう姿勢を正してもらえる一冊です。

石崎洋司『黒魔女さんの小説教室 チョコといっしょに作家修行!』(講談社 2009年)

シンプルにそれしか知らない、が何度も何度も読み返した

サミュエルソン大竹『現役プロの官能小説家が教える!勝ち抜くための描写テクニック』(2021年)

怪しいKindle本ですし確実にワンベストではないのですが、あえて挙げさせていただきました。かなり読者層とテーマを絞っている分、中身は具体的で確かに納得できる部分も多かったです。あまり「地の文」にこだわった初心者向けの本は少ない印象なので。

ゆっこ

村上春樹『職業としての小説家』(新潮社 2016年)

結論として実践できる。

百瀬(@k0imomo)

辰濃和男『文章のみがき方』(岩波書店 2007年)

わかりやすく、実践しやすい内容

高橋源一郎『一億三千万人のための小説教室』(岩波書店 2002年)

文体を模倣して遊ぶという話がおもしろいです!

岸田大(@KishidaDai)

加藤典洋『言語表現法講義』(岩波書店 1996年)

読んでいると、そもそも小説を書くための言葉をどう考えるかという根本的なところから考えられます!

岸田大(@KishidaDai)

その書き手にとってもっとも愛すべき1作です。

何度も読み返したり、覚えるくらい書き写したりすると、その小説の作られ方をからだで覚えられます。書き方本を手にとる前に、死ぬまできっと忘れられない1冊に出会い、深くて、濃くて、そう簡単には拭いがたい影響を受けるのがおすすめです。

笠井康平(@kasaikouhei)

おわりに

様座なタイプの小説書き方本をご紹介いただきました。

小説執筆の習熟度や、書きたい小説の方向性によって合う本は異なるかと思います。おすすめコメントなどを参考に、あなたにぴったりの1冊が見つかれば幸いです。