Cosenseで自分だけの「言葉の庭」を作ろう

※当サイト・当記事には広告を含みます

蓼食う本の虫では、2025年8月より「物書きのための語彙辞典」というWebページを運営しています。

これは、小説作品の中に実際に登場した語彙を収集し、記録・掲載しているサービスです。蓼食う本の虫のあとーすが日々収集した言葉たちが蓄積されています。

最近はあまり小説を読めておらず、更新が亀の歩みになってしまっているのですが、2026年2月現在で200以上の語彙を掲載しています。

こちらのサービスが思いのほか好評で、Twitterで紹介するたびに嬉しい反響を頂いております。たとえば、以下のツイートは1万以上のいいねを頂きました。

さて、この「物書きのための語彙辞典」というWebページですが、運用にあたってCosenseというサービスを利用しています。Cosenseは、株式会社Helpfeelが提供するナレッジ共有サービスです。物書きのための語彙辞典では、あとーす一人でページを制作していますが、複数人で執筆・編集することも可能です。

なぜ物書きのための語彙辞典の運営にCosenseを使おうかと思ったのかについては、「創作する人の強い味方(になりたい)「物書きのための語彙辞典」の使い方」などもご覧いただければと思うのですが、このCosenseは一定の条件下であれば誰でも無料で利用することができます。つまり、誰でも、自分専用の物書きのための語彙辞典を構築することができるのです!

物書きのための語彙辞典には、あとーすが昨年の8月から実際に出会った言葉たちが収録されています。これらの単語を折りに触れて見返すことで、これらの言葉たちが自分の血肉になっているような感覚があります。自分だけの言葉の庭ができていくのは凄く楽しい。

この体験を、ぜひとも他の皆さんにも味わってほしい! というわけで、Cosenseを使って、自分専用の「言葉の庭」を作る方法を解説します。

Cosenseとは?

作り方の解説に入る前に、まずは簡単にCosenseというサービスについてご紹介します。

Cosenseは、もともとScrapboxという名前で開発・運営されていました。こちらの名前をご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

いわゆるWikiとして運用することが可能であり、多くの企業でもナレッジ共有ツールとして利用されています。

Cosense – 顧客事例

私も、Webサービスを運営する会社に勤務していた時にこのサービスと出会い、そこから個人的にも5年以上愛用しています。物書きのための語彙辞典は公開ページとして運用していますが、その他にも非公開ページとして、たとえば日々の読書メモなどを記録したりしています。

Cosenseのアカウントを作ろう

さて、Cosenseについてざっくりと理解していただいたところで、早速アカウントを作ってみましょう。細かいことは、後から覚えていけば大丈夫です。とりあえず、「小さなWikipediaみたいなものが簡単に作れるんだなあ」くらいに考えていただければ大丈夫です。

アカウントを作成するために、まずはCosenseのプロダクトページにアクセスし、「いますぐお試し」をクリックしてください。

すると、Googleログインのページが出てくると思います。Cosenseを利用するには、Googleアカウントが必要になります。所持していない場合は、Googleアカウントを別途作成してください。Googleアカウントをすでに持っている場合は、アカウント作成に使用するGoogleアカウントを選択し、そのままアカウント作成を進めます。

初期状態では、「○○’ project」というプロジェクトページが作成されているかと思います。このような画面が確認できれば、アカウント作成は完了です。

新しいプロジェクトを作成しよう

アカウントを作成したら、デフォルトのプロジェクトが作成されているはずです。このプロジェクトをそのまま使っても良いのですが、せっかくなので新しいプロジェクトを作ってみましょう。

新しいプロジェクトを作る場合は、画面左上のメニューを開き、「Create new project」をクリックします。

続いて、プロジェクトの設定を行います。

  • Project URLには、ご自身の好きな文字列を入れてください。他のプロジェクトとかぶっていなければ、その文字列がURLとなります。
  • 次の項目は、「Public」を選択するとプロジェクトが公開ページとなり、「Private」を選択すると非公開ページになります。Publicなプロジェクトは、いかなる場合でも無料で使えます。Privateなプロジェクトは、個人利用であれば無料で利用できます。
  • 最後の項目は、画像のアップロード先についてです。特にこだわりがなければ、デフォルトのscrapbox.ioにアップロードする設定で大丈夫です。

これでプロジェクトの作成は完了です!

プロジェクトには「Cosenseの使い方」とうページが作成されていますので、ひとまずはこれを呼んで操作方法を覚えるのが良いでしょう。このページは、いらなくなったら削除してもOKです。ページの削除は、画面右側のメモアイコンから行えます。

言葉を収集しよう

プロジェクトを作ったら、次に言葉を採集してみましょう。Cosenseの設定をいじったり、見た目を変更したりすることもできますが、そういうのは後からでも大丈夫。基本的な器はすでに完成しているので、まずは中身を盛っていきましょう。

どのような言葉の庭を作るのかはあなた次第です。たとえば、蓼食う本の虫で運営している「物書きのための語彙辞典」では、小説を読んでいて気になった単語を中心に収集・採録しています。どのような範囲で言葉を収集するのかはあなたに委ねられています。好きな範囲で収集を始めてみましょう。

収集を始めて、「なんか違うなあ……」と思っても大丈夫。失敗したら、また新しく作り直して収集活動を始めれば良いです。僕も、そうやっていくつもCosenseのプロジェクトを作っては、「なんか違うなあ……」と思って放置しています。「物書きのための語彙辞典」は、そういった多数の失敗の上に成り立っています。

言葉を収集するにあたって、「用例採集」という概念を知っておくと良いかもしれません。用例採集は、国語辞典を作る際にまず行われる作業です。用例採集がどのような作業かについては、デイリーポータルZの「国語辞典作りの「用例採集」で景色が違ってみえる」という記事で詳しく解説されており、実際の用例収集を行った事例も紹介されていますので、そちらをご参照ください。

今回は、僕が今年の1月から始めた用例採集のリストがあったので、そこから少しCosenseのプロジェクトに登録していき、今回の記事のためのテストに供したいと思います。

たとえば、「明るい」という言葉について以下のようにページを作ってみました。

ここで出てくる「明るい」というのは、何らかの事象に詳しい、くらいの意味ですね。この意味で使われる「明るい」は面白い用法だなと思って採集したようです。

青文字になっている部分はリンクです。ここでは、出典元であるYouTube動画にリンクを張っています。

それでは、赤文字になっている部分はなんでしょう。こちらもリンクになっているのですが、赤文字の場合は、内部リンクかつまだリンク先のページが無いことを表しています。

「#」を頭につけているものは、ハッシュタグ的な運用です。今回は出典元がYouTubeだったので、YouTubeで収集した言葉を一覧できたら嬉しいのではないかと思い、このようなハッシュタグを付けています。これによってどのように一覧化のかについては後述します。

「大鶴肥満」の方も、発話者によって採集した言葉を一覧化できると嬉しいのではないかと思い、リンクにしてみています。こちらは、[]で括ることによってリンクにしています。

このように、Cosenseは#や[]を活用することで、簡単に内部リンクを作れるのが特徴になります。

続けて、「えぐみ」という言葉を追加してみます。

すると、先ほどは赤かった「#YouTube」が赤くなったのがお分かりいただけるかと思います。また、画面下に「YouTube」という項目が表れ、そこに「明るい」のページが表示されています。

Cosenseには2ホップリンクという機能があり、このように同じリンクを含む概念が関連カードとして表示されます。

また、「YouTube」のページを見ると、以下のように「YouTube」というリンクを含むカードが表示されます。

ちなみに、「物書きのための語彙辞典」では、「身体」や「目」といったハッシュタグを積極的につけるようにしています。「笑う」などの感情動作をハッシュタグにすることも多いですね。こうすることで、同じ身体部位を使った表現や、類義語的なものを関連カードに表示できます。

このように、積極的にリンクを作っていくのがおすすめです。まだリンク先が無くとも、ガンガン#や[]で括っていきましょう。そのうち、何気なくリンクを付けたときに文字が青くなって嬉しくなります。

見た目を変更しよう

ところで、新しく作ったプロジェクトと「物書きのための語彙辞典」では画面の見た目が異なることに気づいた方もいらっしゃるかもしれません。

Cosenseは、ユーザーがその見た目を変更することができるのが特徴です。やり方は、大きく分けて2種類。

1つは、テーマを変更する方法です。メニューから、Project settings > Thmeと進むと変更できます。

もう1つは、、CSSを記述する方法です。こちらは、もっと見た目をアグレッシブに変更したい場合に使います。実際に、物書きの語彙辞典では、CSSを書くことで今の見た目になっています。CSSを書いたことがある方は、ぜひこちらも試してみてください。

CSSの書き方について、詳しくはCosenseヘルプのUserCSSで詳しく解説されています。

CSSの書き方の一例を紹介すると、たとえば物書きのための語彙辞典では、画面全体を白っぽくするために以下のような記述を入れています。

body, .page { background-color: #fff; box-shadow: unset }
.navbar-default { background-color: rgba(255,255,255,.7) }
.navbar-default:hover { background-color: rgba(245,245,245,.9) }
.search-form .form-group input { border: 1px solid rgba(0,0,0,.13) }
.search-form .form-group button { color: rgba(0,0,0,.13) }
.navbar-default .visible-xs .navbar-form { border-color: rgba(0,0,0,.067) }
.navbar .navbar-menu>li>a.mobile-search-toggle { color: rgba(0,0,0,.33) }

しかし、これは自分で思いついた訳ではなく、窓辺の砂場というプロジェクトのsettingsを参考にして書いただけです。このように、他の方が運営しているCosenseのプロジェクトのsettingsを見てみるのはとてもおすすめです。

よろしければ、参考までに物書きのための語彙辞典のsettingsもご覧ください。と言っても、シンプルな変更しか加えていないので、あまり参考にならないかもしれませんが。

継続的に育てていこう

これで、言葉の庭の基本的な作り方の説明は終わりです。

ここまでは割と簡単にできるのではないかと思いますが、大変なのはここからです。言葉の庭は、作っただけではほとんど意味がありません。継続的に手を手を加えていくことで成長し、意味のあるものになっていきます。

物書きのための語彙辞典は、2025年の8月から運用を開始し、2025年2月時点で200強の語彙を採録しています。半年以上かけて200しか集められていないのは少し遅いな……と思うのですが、0よりは全然ましです。それに、このままのペースでいけば、5年も経たずに1,000もの語彙を収集できるではないですか! その時に、この物書きのための語彙辞典にどのような繋がりが生まれているのかがとても楽しみです。同じように、皆さんも自分なりの言葉の庭を育ててみませんか?

実は、ここで紹介している言葉の庭の活用法は基本編です。蓼食う本の虫では、物書きのための語彙辞典に収録されている言葉を活用して、さまざまな物を作っています。

たとえば、物書きのための語彙辞典に登録されている語彙を定期的にツイートするTwitterアカウントを作成しています。また、最近では、収録されている語彙が上から降ってくるWebサイト「WordFall」も公開しました。

応用編も作るのはそれほど難しくないのですが、いざ説明しようと長くなってしまうので、需要があればまたの機会にご説明したいと思います。どうしても今知りたいんだという方は、あとーすへDMをお送りいただければ、参考になりそうな情報をご提供いたします。

まあ、どうせ最初のプロジェクトは更新されなくて頓挫してしまうと思います! なので、後先考えずにとりあえず最初の言葉の庭を作ってみましょう! よろしければ、作ってみたよ報告をいただけると嬉しいです〜!!

記事を共有する

おすすめ記事

ABOUTこの記事を書いた人

1993年生まれ、福岡県出身、熊本県在住。
2016年より、文芸Webメディア「蓼食う本の虫」を主宰・運営。
熊本大学文学部文学科卒。在学中は日本語日本文学研究室に所属。卒業論文のテーマは「太宰治の私小説的作品について」。
新卒で印刷会社に入社し、営業・Webディレクターとして業務に従事。2018年にピクシブ株式会社に入社。チャット小説サービス「pixiv chatstory」のディレクター、pixiv小説チームのプロダクトマネージャー・コミュニティマネージャーを担当。2021年に個人事業主として独立。
詳しいプロフィールやご連絡については、atohs.meをご覧ください。