ネネネの短歌条例第三回「さいごのおわりの終焉のあと」

ここはもう圏外だから何してもバレないよって君は笑った。
チョコチップクッキー、キャラメル、ルイボスティー、イワシ、じゃがりこ、コアラのマーチ。
永遠に繰り返されるしりとりをぼくらはずっとやめられなくて、ひび割れた壁の隙間をなぞっては遥か昔の夢を語った。

ゆっくりと近づいてくる暗闇を夜と名づけた神さまのこと、信じないって決めてたのにな。
君の目は絶望さえも希望に変える。
「神さまの言うとおりって指差して、ふたり並んで選ばれちゃった」
手をつなぐ。瞼を閉じる。輪郭がなくなっていく。不確かなキス。

藍色は愛の色ではないことを知らないままで海を覚えた。
騙されていてほしかった。傷ついてほしくなかった。
ごめんねなんて寂しげに泣かないでくれ。
悪いのは僕だけだってそう言っただろ。

日が昇る前に消えれば怖くない。きっと来世も君を見つける。

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短歌をつくって絵を描くライター。
最近川の近くで一人暮らしを始めました。食べられるチーズと食べられないチーズがあります。特技はおいしいコーヒーのお店を見つけること。