オリジナル小説書きがpixivに小説を投稿するメリット

pixivというWebサービスをご存じでしょうか。言わずと知れた日本最大級のイラスト投稿サービスです。

……そう、紹介するときにはどうしても「イラスト投稿サービス」ですという紹介になってしまいます。しかし、pixivには小説投稿機能も用意されていて、実際にたくさんの小説が投稿されています。

小説のイメージが薄いのは、いわゆる「二次創作」作品が多いことにも原因があるかもしれません。確かに、パッと見たところ一次創作のオリジナ作品がなかなか見つかりません。「ピクシブ文芸」など、オリジナルの小説だけを見つけ出す試みもありますが、それでもオリジナル小説の投稿本数は少ない状態です。

しかしある条件を満たしているオリジナル作家であれば、pixivに小説を投稿することには大きなメリットがあります。

同人誌・同人グッズなどを創っている作家におすすめ

pixiv小説に投稿することをおすすめしたいのは、同人誌や同人グッズなどを作っている作家さんです。

pixivには、クリエイターを応援する様々な周辺サービスがあります。もちろん個別にもサービスを使うことができますが、機能をフルに使うには作品をpixiviに投稿しておくのがおすすめです。

pixivと連携している周辺サービスをいくつか紹介しましょう。

BOOTHとの連携

BOOTHは、ピクシブが提供する通販サイト作成サービスです。Webサイト作りの知識が無くても、簡単に通販サイトを作ることができます。

相手に住所を知らせずに物を送れたり、倉庫に商品を預けておくことができたりと、痒いところに手が届く仕様になっています。

決済もクレジット決済やコンビニ決済を選ぶことができ、そちらも面倒な決済が手続きが必要ありません。個人で自家通販をしていると身バレやお金のやり取りなど不安なことも多いと思いますが、BOOTHは一度ピクシブを間に挟むので、安心して取引を行うことができます。

さて、ここが大事なポイントなのですが、BOOTHはもちろんpixivと連携する機能があります。

たとえば、pixiv小説のキャプションにBOOTHの商品ページのURLを貼ると……?

【写真】

このように、商品ページの内容が自動で展開されます。あなたの作品を読んでくれている人に対して、視覚的にアピールできるのです。

僕が提案したいのは、pixiv小説に同人誌の試し読みを投稿して、続きが読みたい人は同人誌を買うように誘導する方法。上記のようにBOOTHへのリンクを設置しておけば、あなたの作品が気になった人が購入してくれる可能性があります。

もちろん買ってもらえない可能性もありますが、今までファンではなかった方に買っていただくためには、あなたがどのような文章を書くのかを伝える必要があります。そのために、有料で販売している作品であっても、その一部を公開することには意味があるはずです。

また、同人誌には収録しない短編などを投稿するのも良いでしょう。もちろん、新しい読者にあなたがどんな作品を書いているのかをアピールするためです。ここでも、自分が販売しているBOOTHページへのリンクを置いておくのがおすすめです。

pixiv FACTORYとの連携

pixiv FACTORYは、Webから簡単に同人グッズを注文することができるWeb

文字書きの皆さんはあまり同人グッズを作らない……という方も多いかもしれませんが、活用方法は意外とたくさんあります。例えば、短歌を詠んでそれを缶バッジに印刷してみたり。詩を全面にあしらったモバイルバッテリーなども面白いかもしれません。探せば素晴らしいフリーフォントがたくさんありますので、そこにこだわれば文字だけでも美しいデザインの同人グッズが作ることができます。もちろん、表紙に使ったイラストを使うのも良いでしょう。

また、pixiv FACTORYでは同人誌も発注することができます。納期や刷りたいページ数などに合わせて複数の印刷所が比較できるので、どこに発注すれば良いのかわからないという方はぜひ試してみてくださいね。

別にpixivを使っていなくても便利なサービスですが、pixiv FACTORYはBOOTHとの連携が強力なので、ぜひとも一緒に使っていただきたいところです。

たとえば缶バッジを製造する際、通常であればまとめて何個か作る必要があります。しかし、注文を受けていないのに一気に作ると、売れ残ってしまう可能性があります。

しかしpixiv FACTORYと連携すれば、BOOTHで売れた時点で売れた個数だけ製造することができます。しかも便利なことに、注文を受けて入金の確認が済むと、ああとはpixiv FACTORYが勝手に製造まで行ってくれます。

出品者側は、販売価格と製造原価の差額を受け取るだけ。もちろん、販売価格は出品者が自由に決められます。

同人誌にも同じような仕組みがあり、注文を受けたら1冊から印刷を行います。

1個ずつ、1冊ずつ製造すると割高にはなってしまいますが、出品者は在庫をする必要がないので、とりあえず登録しておくことができます。そこからもし買ってくださる方がいらっしゃったら儲けものです。

pixivFANBOXとの連携

pixivFANBOXは、自分のファンクラブのようなものを作ることができるサービスです。

クリエイターはファン向けに複数のか価格帯のプランを作ることができます。ファンはお月額料金を払ってプランを選び、クリエイターはそのプランと人数に応じてお金を受け取るこ月とができるという仕組みです。

pixivFANBOXには文章や画像を投稿することができ、特定のランク以上のプランを支援している人にのみ公開することが可能です。ここで、まだ発表していない小説などを先行公開するのも良いでしょう。

ただ、必ずしも無理をしてリターンを用意する必要はありません。クリエイターの中には、特にリターンのないプランを用意している方もたくさんいます。あなたの創作に価値があれば、あなたがその活動を継続することに価値が生まれます。継続的な活動を応援していただくための資金を集めるためにpixivFANBOXを使うのがおすすめです。

もちろんpixivFANBOXはpixivと連携しており、FANBOXを使っている場合はpixivのプロフィールページに自分のクリエイターページを表示することもできます。

pixiv Sketch LIVEとの連携

pixiv Sketch LIVEはライブ配信サービスです。しかし、こちらはピクシブが提供するサービスということもあって作業配信に特化しています。

連携しているpixiv Sketchで作業していればほとんど手間いらずで配信できるほか、デスクトップの配信なども特別なソフトをインストールする必要もなく配信できます。

配信されている方はほとんど絵描きの方なのですが、もちろん小説書きも配信してOK! なかなか文字書き配信をしている方はいないのですが、いなければあなたが先駆者になれば良いのです。逆にチャンス。

また、ライブには小説ではなく詩でチャレンジしてみるのも面白いかもしれません。詩の作成過程については、たとえば詩人の最果タヒさんもGIF画像として公開しています。見ている側としては、文字が新しく追加されたり組み替えられたりするのを見るのがとても楽しいです。

配信を開始すると、pixivでフォローされている方にも配信されますので、普段からpixivに小説を投稿しておくのがおすすめ。
                                  
さらに「エール」という機能も用意されています。これは視聴者が応援の気持ちを配信者に贈ることができるもの。エールを贈る場合はpixivポイントを購入し、受け取った側はエールを現金で受け取ることができます。

ピクシブの各種サービスをうまく連携するのがおすすめ

他の小説投稿サイトの場合は、「ゴール」を設定するとなれば「出版社の編集に発見されて紙の書籍でデビューすること」になるかと思います。

ところが、ピクシブの場合は他のサービスと上手く連携すれば自分でブランディングを行いながら、マネタイズに繋げることができます。

収益構造としても、ただBOOTHで自分の本を売るだけではなく、グッズを作ったり、ファンサービスをしたり、配信をしたり……といったことも収益に繋げることができます。

まとめ

小説を軸にしてマネタイズするのは、まだまだイラストに比べると事例がなく、茨の道だと思います。しかし、まずはやってみないと始まらないので、他の投稿サイトと並行してpixivに小説を投稿するのがおすすめです。

noteやKDPを使ってマネタイズを目指すのも選択肢の一つですが、ピクシブはそれぞれの機能がシームレスに連携しているのがおすすめポイントです。

ぜひ小説を投稿して、ピクシブ内の他の連携サービスも使ってみてくださいね!

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