物書きがポメラを使うべき3つの理由――知られざるDM100の秘密――

人類が言語を獲得して以来、ともに在ったものは何でしょうか?

――そうです。デジタルメモ、ポメラです。

五万年前の洞窟からポメラの化石が発掘されていることは周知の事実ですし、古代ローマ帝国ではデジタルメモを持つことが成人の証とされました。グーテンベルクの出版革命においてもポメラが活躍したことは世界史の授業でも語られていますね。

そういう訳で、人類にポメラが必要なことはもはや語るまでもありません。
特に物書き系のサピエンスにとっては、肝臓と同じくらい必須級のデバイスであります。

2008年にキングジムよりDM10が発売されて以来、物書きの間でよしよしされているデジタルメモシリーズ。その中でも、今回は私の愛用しているpomera DM100を紹介します!

DM200の登場まで、ポメラシリーズの中では最高級モデルとして君臨していたDM100……ガンダムで喩えるならばゲルググ登場までのドム、マクロスで喩えるならばサンダーボルトに対するバルキリーです。DM200ほど高機能ではないものの、必要十分な機能とスペックを備えた頼れる子、DM100。

そんなDM100の知られざる秘密を開陳いたしましょう。

秘密1:これはメモではない

結論から言いましょう。

「デジタルメモ」とか公式メーカーは言ってますが
これは嘘です。
メモなんかには使えたもんじゃありません。

これは長文書き書き専用スゴイツヨイデバイスです。言ってしまえば物書きのために企画され物書きのために設計され物書きのために製造された物書き専用機なのです。

今更説明するまでも無いとは思いますが、ポメラはテキストエディタ機能を持つ電化製品です。ポメラという製品名自体、「ケット・モ・イター」の略ですし、公式にも「パッと開いてすぐ起動!」等という宣伝文句が踊っている通り、「デジタルメモ」と位置づけられるガジェットです。

その機能もwindowsのメモ帳の機能のみを取り出したようなモノに喩えられるくらいそのメモ性が強調されがちですが、とんでもない。繰り返しますが、コイツはメモ用なんかに収まる器ではありません。

だいたい、今日日「パッと開いてすぐ起動」(実際約2秒くらい)のポメラをわざわざ取り出すよりも「既に起動」してるスマホでメモした方が圧倒的に速いでしょう。ちょっとしたメモを取るのに、こんな厳ついデバイスなんか使ってられません。

しかし、逆に「ちょっとでは済まない長文」を書くには、最高なんです。
小説から議事録、論文、そしてブログの記事まで!

「長文を書く」にあたって、シンプルながら負担が少なく、文章作成に集中できる機能が、このポメラDM100には揃っているのです!!

必要十分なサイズかつ目に優しい画面。おまけに暗所でも使えるバックライト機能付き。
お外でも安心な連続30時間駆動。電源はどこでも買えちゃう単3電池。
国語辞典・英和辞典・和英辞典の三種の辞典を内蔵。ユーザー辞書もPCからエクスポート可能。
個人的にはツボなのが心地よい打鍵感。ノートPCによく似た浅めのキーストロークのおかげで疲れません。

……具体的に言うと、バックライトと絶妙なサイズ感のおかげで
寝っ転がってお布団の中で作業
できます。

もちろん電車の中で、旅先で、野外でと使用タイミングを選ばないのは魅力です。私は揺れる電車の車内で立ちながら片手で作業していることもありました。が、それよりも何よりもお布団の中で長文が書けるという長所こそが最高なのです!!
お布団から離れがたいという人類の本能と、それでも長文を書きたいという物書きの本能を、このポメラは見事に両立してくれるデバイスなのです。

シャア専用ザクが目の前にあって尚乗らないシャアはただの豚です。
物書き専用デバイスを前にして、ただ眺めていられる物書きが果たしていましょうか。

さっそく電気屋さんへ走り、ポメラのキーボードを触ってみてください。
「これは、ボク専用に造られた機体だ……!!」
ということがすぐに実感できるはずです。

秘密2:これは意外とデカい

ポケットに入るサイズ……な訳無ェだろうが!!!

どれくらいの大きさか、比較画像を用意してみました。


▲左:iPhone6、中央:ポメラDM100、右:アサシンブレード

すごく……大きいです。

持ってみると意外なデカさにビビるくらいで「携帯……用……?」という疑問符が湧くこと間違い無し。私愛用のアサシンブレードと比べてサイズ感がありますね。これでは暗殺用にはさすがに向きません。


▲アサシンブレードとポメラの比較

そう、DM100はデカいのです。ポケットからは余裕でハミ出ますし、アサシンブレードみたいに袖に仕込むこともできません。紙のメモ帳をお尻のポケットに収めるようにお洒落に携帯することは不可能と心得ましょう。

この迫力を感じる絶妙なサイズ……それ故に「ちょっとしたメモ」用には向きません。
逆にいえば「ガッツリ作業」用には必要十分な大きさだったりするのです!!

画面幅は実測12cm弱、というと小さく聞こえるかもしれませんが、実際に対面して見ると充分な大きさに感じられます。大きめの文字表示でもこれだけの文章量を表示できるのです!
(地味ですが縦書き・横書き表示の切り替え可能なのも嬉しいところ)

存外なデカさのおかげで、使い心地は快適です。キーボードも小ささを感じることはありません。長時間作業もらくらくです。お外でももちろん使える訳ですが、その使いやすさのおかげで自宅で作業するにも文章を書くだけならばPCよりも使いたくなったりします。

デカイデカイと言ってますが、とはいえバッグやリュックには余裕で入るサイズではあるので無理なく携行は可能です。縦に長い反面、ボディはかなり薄く作られているため意外と収納場所には困らないのです。

……ちなみにそのデカさに由来する強烈な存在感のおかげで、バッグの奥深くで行方不明になることはまずありません。バッグの中が資料本と文庫本とお財布と筆箱とスマホのバッテリーとペットボトルとおやつと玩具でグチャグチャの混沌になりがちな私には地味に助かるポイントです。

秘密3:これは俺を監禁する

ポメラ最大の強みが、コレです。

インターネットに繋がりません!!
ゲームもできません!!twitterもできません!!

執筆以外に何もできない!!

いわばセルフ監禁状態。執筆に集中するしかない環境に、私を閉じ込めてくれるのです。

執筆の途中で思い浮かんだことを、ふとツイートしたくなりませんか?
作業用BGMを探していた筈が、いつのまにか面白い動画を見つけてしまいませんか?
類語表現を調べていただけなのに、何故か語源を遡っていたご経験は?

……インターネットの引力とは、実におそろしいものです。

「寝る前の時間に毎日作業すれば、少なく見積もっても一週間で7000字は書けるぜ!!」

そう思っていた筈が、7000字分twitterで呟いただけで、執筆は何も進んでいなかった――なんてことは物書き共通の恐怖です。ですよね? 私だけじゃないですよね?

その点、ポメラはそんなネットの魔力から貴方を隔離します
何せポメラはテキストを書く以外のことが何もできません

誘惑の多いPCと違って、本当に 執筆する以外のことが 何ひとつできません。
逆説的に執筆に対する集中力を発揮することができるようになるのです!!

「いやいやスマホも持ってる訳だしPCは隣にある訳だし、誘惑は常にあるんだからそんなに集中力が変わる訳ないでしょう?」
と思うかもしれません。実際私もポメラを使う以前はそう思っていました。

こればっかりは体験してみないことには分からないことですし、人それぞれな部分もあると思います。
とはいえ、私個人としては確実に効果がありました。何より強いのは執筆エンジンのかかる速度です。

私はつい、執筆を始めるまでにネットサーフィンや艦これ等に1時間も2時間も費やしてしまいがちです。いざ筆が乗り始めた時は深夜だなんてことはザラ。
その点、ポメラであれば確実に執筆エンジンがかかります。「やりはじめれば速い」というやつです!

加えていえば、この「執筆しか出来ないことにより、執筆エンジンがかかる」という強みが最大限に発揮されるのがお布団の中で執筆する時なのです。

朝起きて、まずPCを触ると寝ボケた頭はついついダラダラとネットを彷徨い始めてしまいます。しかし、お布団の中でまずポメラを触ると、脳が活性化する頃にはもう執筆モードに入れるのです!!

「執筆しかできない」という セルフ監禁の威力、貴方も試してみませんか?

まとめ

・必要充分な機能がある。
・自宅で使うにも快適なだけのデカさがある。
・執筆しかできないために、執筆だけに集中できる

それ故、物書きにはポメラが必要なのです。

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