先日、以下のようなツイートをした。
創作における7つの大原則
①下手でもいいから最後まで作り上げる
②アウトラインを固めて取り掛かる
③自分の中で締切を設ける
④道具のせいにしてはいけないができる限り投資する
⑤大量のインプットから始める
⑥少しずつでいいから毎日やる
⑦ちゃんと寝る— あとーす (@ATOHSaaa) 2017年10月12日
何となく自分の中にあった7つの原則をまとめてみたのだけど、たくさんの方に読んでいただき、多方面の創作厨に刺さったみたいだ。特に7番。みんな、無理せずちゃんと寝ような!
さて、Twitterでは140字以内でまとめなくてはならないという関係上、項目を取り上げるのみとなってしまった。そこで今回は、それぞれの項目をもう少し掘り下げてみたいと思う。
なお、この記事を書いている僕は今現在このどれをも達成できていないので安心して読み進めてほしい。ただ、学生時代など時間のあるときに、ぜひここに書いてあることを実践しておくと、創作に対する基礎体力がつくだろうと思う。
また、僕は小説を書くのが主たる創作活動なのでそれを主眼にしているが、漫画やゲーム制作、音楽、工作などについてもある程度同じことが言えるのではないかと思う。
それでは、上から順番に一つずつ取り上げていこう。
目次
下手でもいいから最後まで作り上げる
創作の世界では、未完の傑作よりも完結した駄作の方が価値がある。そもそも、未完の傑作はふたを開けてみれば駄作だったという可能性がないわけではない。
コンテンツの流通に乗せるためにも、誰かに評価してもらうためにも、まずは最後まで作り上げるというのが最低ラインだ。
また、完成したものをブラッシュアップしたり、改作したりといったことも可能になる。あるいは、完成した短編をいくつか繋げて連作風にすることも可能かもしれない。
いずれにせよ、何かを完成させなければ永遠にあなたは「創作者」にはなれない。
アウトラインを固めて取り掛かる
小説で言うと、要するにプロットを練ってから小説を書き始めなさいということだ。もちろん、プロットなしで傑作を書けてしまうタイプの人もいる。あるいは、あなたもプロットなしでそこそこ満足できる小説を書くことができているかもしれない。
しかし、大抵の場合はプロットをしっかりと練って取り掛かった方が、短時間でクオリティの高い作品を書くことができる。騙されたと思って一度試してみてほしい。
自分の中で締切を設ける
「パーキンソン」の法則をご存じだろうか。
第1と第2の法則があるのだが、第1の法則は創作をする上でも気をつけなければならないことを端的に言い表している。
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
(パーキンソンの法則-Wikipediaより
創作に完璧というものはほとんど存在しない。完璧に近い未完成の状態がいくつも存在しているだけだ。僕たちはどこかで諦めなければならないのだけど、締め切りが無い限りはどんどん完成を先延ばしにしてしまう。
明確な締め切りがあれば、ひとまずは形にしようという気持ちが働く。プロの小説家であれば締め切りが存在するものの、アマチュア作家は別に締め切りを設けなくても困らないので、当然ながら締め切りは存在しない。無いなら作ればいい、締め切りを。
道具のせいにしてはいけないができる限り投資する
特に小説の場合は、紙とペンがあれば書き始めることができる。今どき紙とペンだと不便極まりないけど、まあスマホを持っていない人というのはなかなかいないだろうし、スマホでも十分に執筆をすることができる。僕もたまにスマホでぽちぽちと書くことがある。
大抵、どんな状況でも作品づくりをすることはできる。だから道具のせいにしてはいけない。しかし、道具に投資すれば作業効率が上がることもまた事実だ。
小説で言うならば、小説執筆と並行しながら様々な作業をしても全然重くならないPCがあれば良いだろう。それから、使いやすいキーボードやマウスがあってもいい。また、長時間座っても疲れない椅子や机もあるといいかもしれない。
上に書いたものをすべて揃えようと思えば、いくらあってもお金が足りない。だから、僕たちに選ばれた選択肢は「できる限り」投資をすることしかないのだ。
ちなみに、投資する道具としてHHKBという高級キーボードは僕も使っているけれどめちゃくちゃ打ち心地がよくておすすめ。ただ、3万円くらいするし、コストパフォーマンスが良いかと聞かれると微妙なので悪しからず。
大量のインプットから始める
だいたい「書けねえなあ〜」って思ってるときは、全然読んでないときだったりする。
読まないと発想が貧困になるし、どんどん自分の中に閉じこもっていってしまう。自分の中にある引き出しなんて絶対数が少ないし、そもそも自分一人で語りかけていてもほとんどの引き出しは開かない。そういう時に他の本を読んだりすると、新しい引き出しを増やすことができるし、何よりどんどんと自分の中にある引き出しが開いていく。書きたいものがどんどんと増えていく。
まあ「インプット」と言っても色々あって、創作のために勉強したり取材することもインプットに含まれると思う。また、たとえばその辺を散歩することだってインプットになり得る。
創作というのは、0から何かを生み出す作業ではない。自分が溜め込んだ100のものの中から削りだして1にする作業だ。だからまずは、大量にインプットする必要がある。
少しずつでいいから毎日やる
1日100字書けば、1年間で35,000字以上の小説を書くことができる。もちろん、時には大工事をして結果的に文字数が少なくなってしまうことがあるかもしれない。しかし、少しでも前に進んだということが重要なのだ。
全くやらない日がたとえば1週間続いたとすると、人は段々とその事実から目をそらしたくなってしまう。しかし、目をそらしたは良いものの常にそのことが気になっている。しかし目をそらしているので書かない。だけどやっぱり気になる。こうして気になるのに書かないまま時を過ごすと、全く小説は進まないし、ずっとそわそわしているので精神衛生上もよろしくない。
だから、とりあえず「やった」という実感を残すことが大切なのだ。
ちゃんと寝る
いいから寝ろ。話はそれからだ。
鬼のように締切が迫っている場合は徹夜をしなくてはならない場合もあるかもしれないが、アイディアが生まれてこないというようなときに、いくら睡眠時間を削ったところでどうにもならない。疲れているんだ。いいからさっさと寝ろ。
まとめ
繰り返すけれど、僕はここで挙げた7つの原則をどれ一つとして守れていないので安心してほしい。
ただし、このどれもが効果のあることは体感しているので、達成できる人はぜひ達成してほしい。しかし、皆さんお仕事も学校もあるしなかなか難しいこともあると思う。まあここに書いたことは心に留めておいてほしいけれど、自分のペースで創作を楽しむことも大切かなと思う。