小説を書いて、それでお金を稼いで暮らしたい。そんな夢を見たことのある方も多いでしょう。もちろん小説を書くこと自体が楽しいから良いけれど、それはそれとして、これが仕事になれば楽しい気がする。
一般的には、小説を書いてお金を得るためには商業出版をしなくてはなりません。そのためには出版社や小説投稿サイトが開催している新人賞や公募で受賞して……というように、正面から立ち向かっていく方法が一般的でしょう。
しかし最近は、商業作家としてデビューしなくても小説で収益を得られる方法が確立されつつあります。そんな方法の中のひとつが、小説投稿サイトによる広告収益還元プログラムです。
広告収益還元プログラムの仕組みとメリット
広告収益還元プログラムは、その名のとおり、小説投稿サイトが得た広告収益をユーザーに還元する仕組みです。これを採用しているサイトはいくつかあり、それぞれのサイトで呼び方や仕組みは少しずつ異なっています。
小説投稿サイトは自身が収益を得るため、小説閲覧ページなどに広告を掲載しています。その広告費の一部を還元するのが基本的な思想です。
もちろんこのプログラムを使わずとも、たとえば自分でWebサイトを作り、自分で広告を掲載したりすることもできるでしょう。しかしWebサイトを構築したり運営したりするのにはある程度の知識が必要ですし、掲載する広告を選定したり契約したりするのにも時間がかかります。
その点、小説投稿サイトの広告収益還元プログラムを使えば、サイトが用意しているガイドに沿って設定をすれば簡単に収益化することができます。また、サイト内にランキング機能はフォロー機能などもあるので、個人で運営するサイトよりも人を呼び込める可能性が高まるというメリットがあります。
設定するだけでとりあえず収益化ができる。そして閲覧数が増えるのに応じて収益も伸びていく。この手軽さと明快さが広告収益還元プログラムの魅力でしょう。
広告収益還元プログラムを提供している投稿サイト
広告収益還元プログラムを提供している投稿サイトはいくつかあります。それぞれに特徴がありますので、色々と試してみて自分にあったサイトを選ぶのがおすすめです。
カクヨム
KADOKAWAの運営する小説投稿サイト「カクヨム」。2016年開設とまだ歴史は浅い投稿サイトですが、大きな出版社が運営しているということもあり、非常に人気のある投稿サイトのひとつです。
カクヨムが提供している広告収益還元プログラムは「カクヨムロイヤルティプログラム」。2019年10月より提供が開始されています。
2021年9月時点で、支払総額は1億円を突破。2019年〜2031年6月の中で、複数名のユーザーが100万円以上の支払いを受けているとのこと。これだけで生活するのは難しいですが、お小遣いとして考えるとなかなか夢のある価格が支払われています。
2022年2月頃を目処に第二弾の提供も予定されており、こちらは読者ユーザーが作家ユーザーに支援を行う機能となっています。
収益化を行いたい場合は、カクヨムにログインした状態で「アカウント設定」→「収益」から設定することが可能。3,000円分以上のリワードが貯まると、登録した口座に振り込まれます。
→カクヨム
アルファポリス
アルファポリスは、小説投稿サイトの黎明期から業界を牽引している老舗サイト。アルファポリス内でも小説を投稿できるほか、外部に投稿した作品のURLを登録できることも特徴です。
そんなアルファポリスは、2019年1月1日より「広告100%還元宣言」を行っており、広告収入の100%を投稿者に分配しています。
ただし、このプログラムの対象となるのはアルファポリス内で投稿した作品のみ。獲得したスコアは、Amazonギフト券に交換したり、楽天銀行かんたん振込を使って現金に交換したりすることができます。
ノベルバ
ノベルバは、まんが王国などを運営している株式会社ビーグリーが運営している小説投稿サイト。2015年から運営されています。
PVをお金に換えることのできる「ノベルバ報酬プログラム」を提供。1PV=0.1円で換金することができます。
なお、このプログラムに参加するためには、アプリをインストールして申請を行う必要があります。
→ノベルバ
ノベリズム
ノベリズムは、2020年9月より運営を行っている新興サイトです。
作品に寄せられた応援や閲覧数、ブックマーク数、レビュー、評価数等、作品に応じてユーザーに与えられる貢献スコアというものがあり、これを現金に換えることが可能です。換金は、2000点以上から。
貢献スコアは、「ノベポイント」というノベリズム内で使えるポイントとも交換することができます。このノベポイントを使うと、ノベリズム内の有料作品を購読したり、作品の応援をしたりすることができます。
まとめ
収益還元を行っているサイトからの支払いだけで生活をする、というのはまだまだ厳しい部分があります。しかし何もしなければお金を得ることもできないので、それを考えると嬉しい制度。
小説投稿サイトには様々な特徴があり、どこに投稿するのかが難しいですが、この情報もぜひ参考にしてみてください。