小説を書くために多くの道具はいらない。スマホかPCがあれば、とりあえず書き始めることができろうだろう。
しかしインターネット上には、小説を書く人が使えばさらに執筆活動を効率よく進められるツールがたくさんある。
そこで今回は、小説を書く人のためにおすすめのWebサービスを紹介する。
ただし、ここではいわゆる「小説投稿サイト」は扱わない。そちらに関しては、以下の記事にまとめてあるので参考にしてほしい。
小説を書くならどのサイトがいいの?小説投稿サイトおすすめ6選
即興小説トレーニグ
即興小説トレーニングは、合同会社Diver Downが提供するサービス。この会社は有名なサービスをいくつも生み出しており、マシュマロやアプリ☆メーカーなどの名前を聞いたことがある方も多いのではないだろうか。
この即興小説トレーニングは、文字通り「即興小説」を書いて投稿できるサービスだ。まずユーザは、15分〜4時間の中で制限時間を決める。そしてスタートするとお題が与えられるので、それに沿って小説を書いて投稿すれば良い。
ちなみに、僕が過去書いたことのあるテーマとしては「思い出の小説合宿」「限りなく透明に近い冬休み」「絶望的な夜中」などがあった。いい感じに抽象的で創作意欲が湧いてくる。
また、Twitterに連携することで書き始めたことをツイートできるので、自分のフォロワーに即興小説を始めたことを告知できる。これによって、ちょっと自堕落な人でも監視されているので制限時間いっぱいは小説を書くことができるだろう。
特にスランプに陥っているときにやってみると、強制的にアイディアを絞り出して書くことになり、リハビリになるのでおすすめだ。
書き出し.me
書き出し.meも合同会社Diver Down のサービスだ。小説だけではなく、「小説の書き出し」だけを書いて送り合うサービスだ。
Twitter上で書き出しを募集できるし、サービス上でランダムにお題をもらうことも可能だ。もらったお題を使えば、サービス内で小説が書ける。
お題箱的な使い方をして無茶振りに答えながら執筆の瞬発力を鍛えるのも良いし、たくさんの書き出し例に触れて自分の執筆感覚を養うのも良いだろう。
書き出しは小説の印象を決める大事な部分だ。どんな書き出しが良いのか判断できる感覚を養うためにこのサービスを使ってみてはいかがだろうか。
本の書き出し
本の書き出しは、様々な小説の書き出しを表示してくれるサイトだ。スクロールしたり再読み込みしたりする度に表示が変わるので、いくら見ていても飽きない。
機になる書き出しがあれば、クリックすると詳しい書籍情報を確認することができる。書き出し技術の研究に使うのも良いが、運命の一冊と出会うためにも活用していただきたいサービスだ。
すごい名前生成器
すごい名前生成器は、その名のとおり名前を生成してくれるサービスだ。
小説をはじめとして、物語をつくるときはたくさんの人物の名前を決めることになるだろう。何の手がかりもなく考えるのは大変だ。
すごい名前生成器には、2018年12月現在で日本人名パターンが978802596通り登録されている。また、このデータベースは毎月更新されている。
設定も細かく変更でき、特定の文字や読み方を含む名前や文字数などを指定することができる。
WorldType
WorldTypeは、物語のぶたい となる世界設定や人物設定が管理できるサービスだ。「人と世界のポートフォリオサービス」と称している。
かなり細かいところまで設定を保存することができ、たとえば「世界」には以下の要素が含まれる・
- 人物
- 概要
- 集団
- 地理
- 問題
- トレンド
- 百科事典
それぞれの項目も細かい設定をすることができるので、特にファンタジーを書く人には便利だろう。
また、複数人でゲームを作成するときなどにも、世界や人物の整合性をとるために便利そうだ。
人物設定などは詳細に書き込んだものを印刷することができるので、手元に置いて資料として活用するのも良いかもしれない。
Nola
Nolaは、小説を執筆するだけではなく、「テーマ」や「プロット」 の管理もできる執筆サービスだ。
「テーマ」では、「この作品の終着点」や「読者のターゲット層」などを入力する画面があり、作品の構想に入る前の段階からガイドしてくれる。
登場人物や世界観なども設定できるし、そのまま小説の執筆もできる。すべてブラウザで完結できるというのも便利で良い。
SS名刺メーカー
SS名刺メーカーは、SS(ショートショート)などのテキストを入力するだけで簡単な画像を出力してくれるサービスだ。
SS名刺だけではなく、以下のように様々な種類の画像を作ることができる。
- SS名刺メーカー
- 文庫ページメーカー
- 新書ページメーカー
- L版SSメーカー
- かんたん表紙メーカー
- ヘッダー小説メーカー
- 縦書き画像出力機
- 自在原稿用紙
小説を書く場合は、基本的に自分のサイトや小説投稿サイトなど、リンク先で文章を読んでもらうようにすることが多い。ところが、小説を書いたことがある方ならわかると思うが、リンク先にテキストを用意していてもなかなか読んでもらえない。
SS名刺メーカーを使ってテキストを画像化し、Twitterなどで共有することで、多くの人の目に触れることが可能となる。
同人秘書
同人秘書は、同人誌の進捗管理を行うことができるサービスだ。
ログインすると、まずは同人誌の執筆計画を立てるところから始める。締め切りを設定したら、平日や休日に確保できる作業時間を入力。工程ごとのペースを入力することで、作業毎の工数見積もりを行うことも可能だ。
主に漫画同人誌の計画を立てるもののため「下描き」や「ペン入れ」など絵描きさん向けの設定項目が多いが、適宜文字書き用の項目に読み替えて使おう
計画を登録すると外部に公開できるので、誰かに見られると調子が出るという方は公開してTwitterなどで執筆開始を宣言するのもおすすめだ。
犬猿
犬猿は、自動で短歌を生成するシステムだ。
短歌っぽい単語がインプットされており、それがランダムな組み合わせで出力される。
短歌をそんまま自分の作品として出すのはまずいが、ここから面白い言葉の組み合わせを見つけることは可能だろう。書き出しを閲覧できるサービスと同じように、アイディアが枯渇したときなどに使ってみてほしい。
ランダム単語ガチャ
ランダム単語ガチャは、登録されている単語をランダムで5個出してくれるサービスだ。
機能は本当にそれだけ。しかし、アイディアに困っているときにここでガチャを回していると、意外な言葉の組み合わせに巡り会えるかもしれない。
何も思いつかないときは、ぜひここで無限にリロードしてみてほしい。
まとめ
道具は道具でしかないので、小説の面白さは最終的にこれを読んでいるあなたの腕にかかっている。それが最も本質の部分だ。
しかし作家は、その本質の部分にだけ集中できるのが理想的な状態だ。それほど本質的でない作業については、ここで紹介したサービスを使って効率化を目指してみてほしい。