「小説が書けなくて困った……」と思ったことはありませんか? 僕は何度もあります。そしてそのたびに「どうしたら小説が書けるようになるんだろう?」と絶望してしまいます。
もしかすると、僕が知らないだけで、小説を書いている人にはそれぞれの作戦が何かあるのでは? そう思ってアンケートを取ってみたところ、73人の方にご回答いただきました。本当にありがとうございます。
回答を眺めていると、皆さん自分なりの作戦を持っているんだなあととても感動しました。種類別に集計しましたので、紹介していきます。
(※1つの回答に複数の要素が含まれている場合もあるため、すべての合計は100%にはなりません)
読書などインプット(28.8%)
小説が書けないときにすることとして最も多かったのが、「読書をする」「映画を見る」などインプットに関するものでした。
読書。執筆(アウトプット)できないときは、読書(インプット)期間としています。インプットすることで蓄える。蓄えることも大事。
新しいアニメ・小説・漫画等を摂取?します。アイデアが湧かなくて行き詰まった時は新しいものに触れることによってアイデアが浮かぶことがあるからです。
情報を仕入れる時間にする(小説を読んだり、pixivでイラストを漁る)。理由としては、創作意欲が湧かなくなったから小説の筆が止まる訳であって、良い作品にめぐりあえたら自然と筆が踊る経験が何度もあったから。
インプットとしては小説を読む方が多かったですが、その他の方法で情報を取り入れている方もいらっしゃいました。
読書に関していえば、作家の斜線堂有紀氏は月に25万字を書く裏で1日1冊の本を読んでいる※1そうです。また、石田衣良氏は1ジャンルにつき1000冊読むことを勧めています※2。
※1.参考:斜線堂有紀のオールナイト読書日記(講談社tree)
※2.参考:石田衣良 小説スクール第1回(YouTube)
小説を書くために何かしらの取材をするという方も多いでしょう。「取材」というと、誰かに話を聞いたり現地へ赴いて調べ物をすることを思い浮かべてしまいますが、本を読んだり好きな作品に触れることも立派な「取材」と言えます。そうすることによって自分の書きたいものが見つかるかもしれないし、あるいは「書きたくないもの」が見つかって方針が定まることもあるかもしれません。
好きな作品に触れる時間を「インプット」と呼ぶことに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、ある程度の質と量を保って小説を書いていくためには、職人的にインプットしていくことが必要な場合もあるのだと思います。
好きなことをする(20.5%)
次に多かったのが、好きなことをして過ごすというもの。詰まってしまったときは気分転換をするのが良い、という意見でした。
ソシャゲをします。息抜きにもなるので
小説書けない時は、一度小説から完全に離れます。私の場合その間、絵を描いたり、漫画を描いたり、ミニチュアを作ったりして、違う創作活動をします。絵や漫画やミニチュア作りは使う脳が違うので気分転換にもなります。
創作を諦めているようにも見えますが、好きなことすることがインプットにもなったりすることもあるのかなと思いました。生活のすべてを創作の糧になるんだ、という気持ちが必要なのかもしれません。これも一種の「取材」と呼べるでしょう。
寝る・休む(17.8%)
「寝る」系の回答も多かったです。潔くていいですね。
寝る。しょうがないし一回休んだほうがいいから。
寝ます。ひたすら休息を取ります。
仕事も趣味も、疲れているときには捗りようがないですからね。数時間唸っていた課題も、一度寝てみれば5分で解決した、なんて経験が僕にもあります。
だいたいの困りごとは寝たら解決しますからね。もし小説に詰まってこれを読んでいる方がいらっしゃったら、とりあえず寝てみましょう。睡眠はすべてを解決します。
待つ・何もしない(12.3%)
「寝る」と近いところもありますが、「待つ」「何もしない」という回答も10%を超えていました。
祈り(天命を待つしかないため)
小説から完全に離れて、全く別のことをして過ごす。そうすれば、そのうち、また書きたくなってくる。焦って小説のことに関わり続けていたら、余計に書けなくなるから、頭を切り替える意味で。
何もしない。
たとえ〆切が迫ってても書きたくなるまで書かない、書けるようになるまで書かない
本アンケートは複数回答可なので、単純に足し合わせることはできませんが、「好きなことをする」「寝る・休む」「待つ・何もしない」と、意識的に小説を書くことから離れる方がかなり多いようです。書けないときは書けない。そう割り切ることが大切なのかもしれません。
歩く・外に出る(12.3%)
こちらも小説執筆から離れる系の回答です。
うろうろ歩き回る
お散歩
一人でのんびりと歩きながら話のことを考えていると、こうしたら良いんじゃないかと展開が降ってくることが多々あるから。展開に詰まったときは30分から1時間くらい歩くだけで、話が降ってくる。あくまで自分の場合はですが……。
散歩など軽い外出。様々を見て、触れて、五感で感じて、次に書くときのための社会科見学。
ゲーテやカントなども散歩を日課にしていたと言います。小説を書いているとずっと机にかじりつくことになるので、運動不足解消にも散歩はもってこいでしょう。
散歩は、五感を使いながら頭を空っぽにできるのが魅力のひとつではありますが、退屈さがあって少し苦手という方もいらっしゃるかもしれません。僕がそうです。そういう方は、Audibleなど朗読サービスなどを使って、読書をしながら散歩してみるのも一案かもしれません。
そのほか
そのほかに回答のあったものをいくつかご紹介します。
「音楽を聴く」は9.4%とやや少なかったですが、視覚を奪わないので執筆しながらでもできる気分転換なのが良さそうですね。お気に入りのプレイリストなどを作っておくと、執筆のスイッチになりそうです。
「無理やり書く」という方も、少数派ではありますが何人かいらっしゃいました。何もないと思っていても、数行ひねり出してみることで続きが書けるようになることがあるそうです。
小説に向き合う系としては、「設定を見直す」という方もいらっしゃいました。執筆で虫の目になっているところから、鳥の目になって全体を俯瞰してみることで、今まで気づかなかったような発想が生まれそうです。
また、中には「他の小説を書く」という方もちらほらいらっしゃいました。小説執筆の息抜きに小説を書く、まさに物書きの鑑……。
まとめ
皆さんが色々な作戦を持っていることが分かりましたが、「何もしない」系の回答が多く非常に興味深かったです。やっぱり、書けないときは書けないですからね。諦めて寝ちゃいましょう。
個人的には、「設定を見直す」というのが自分の中にはあまりない観点だったので新鮮でした。これまで書いてきた自分の文章を読んでみるのも、新たな発見があって良いかもしれませんね。
他にもご自身の作戦をお持ちの方は、ぜひTwitterなどで記事をシェアして教えていただけると嬉しいです!