創作小説の設定がうまくまとまらない!そんな時はWorldTypeを使ってみて

「書いてるとキャラクターがぶれていく」「ストーリーにあいまいな部分があって、つい都合のいい方向に動かしてしまう」「伏線はりが苦手」そんなあなたにぜひ使ってほしいツールがあります。その名もWorldTypeです。

WorldTypeは、小説の設定をまとめるためのツール。設定する項目が細かいので、一つ一つ設定していけば自然と、あやふやなところのないしっかりした世界観が作れます。

この記事ではその使い方や機能を紹介します。ぜひあなたの執筆活動にお役立てください。

WorldTypeは「設定を深く掘り下げたい人」におすすめ

小説を執筆するときのスタイルについて「設定はざっくり決めて柔軟に書く」「しっかり決めた設定に則って書く」あなたはどちらのタイプでしょうか。

WorldTypeは、しっかり決めた設定に則って書く方におすすめのツールです。「地域」「技術」「生活」「概要」など、小説に登場する各種設定を細かく決めておけます。普段から資料作りをしている方には特に馴染みやすいツールと言えるでしょう。

WorldTypeでできること

「設定を深く掘り下げる」そのためにWorldTypeはどう役立ってくれるのでしょうか。まずは、WorldTypeでできる3つのことを紹介します。

小説の箱書き作成

箱書きとは「あらかじめ各シーンの要点をまとめておいたもの」を言います。起承転結や章単位からシーンやカット単位まで、その規模はさまざまです。

箱書きがあれば「ストーリーの矛盾や破綻を防げる」「伏線が貼りやすく回収しやすい」といったメリットがあります。伏線が上手くはれない、気を付けているのに矛盾箇所がでてきてしまい困っている、という方は箱書きを作ってみると解決する可能性がありますよ。

執筆の進捗報告

後々使い方を紹介しますが「モノローグ~書きもの日記~」という機能を使えば毎日の進捗報告が可能です。公開・非公開の設定ができ、公開設定にしておけばTwitterへの進捗報告もできます。モチベーション管理に繋がるため、執筆終わりに簡単な記録を残しておくと便利です。

小説の分析

こちらも後程紹介しますが「小説・脚本の紹介ページ」機能を使えば、執筆した小説の傾向を分析することも可能です。よく使われている単語やことば間の繋がりなどを自動で抽出してくれます。作品の傾向を分析したい時、作品をアピールする時などに活用できます。

WorldTypeは完全無料で利用できる

(引用:https://www.world-type.com/
WorldTypeは完全無料で全ての機能が使える、便利なサイトです。サイトにアクセスできるのであれば、パソコンでも、スマホやタブレットからでも操作できます。ただしスマホやタブレットの場合、一部非対応の機能も。完全に全ての機能を使いたいのであれば、パソコンで利用するのがおすすめです。

また、WorldTypeにはアプリはありません。ブラウザ版のみの提供となります。

WorldTypeの使い方

ここでは登録方法から順に、各種設定方法を画像付きで紹介します。

登録方法

まずはホームページ(https://www.world-type.com/)にアクセスします。サイト下部に表示されている「世界を作成する」ボタンをクリックしてユーザー登録を済ませましょう。

ユーザー名、メールアドレス、パスワードの入力を行い登録を終えると、登録したアドレスへ確認メールが届きます。記載されているリンクを開き、認証を終えましょう。そのままログインして、作業を始めていきます。

また「パソコンで作業したいのに、登録アドレスをスマホにしてしまった!でもパソコンの方、画面の戻り方がわからない!」という場合はサイト下部にある「WorldType」のリンクをクリックしてみてください。トップページに戻れるので、こちらから再ログインをしましょう。

ログインを終えると、利用規約への同意を求められます。目を通して同意をクリックすれば、下画像にあるようなダッシュボードへ移動できます。

最初のアクセス時はチュートリアルとして簡単な説明が出てくるので、さらっと読んでいきましょう。「使いながら覚えたいから、チュートリアルはいいかな……」という方はスキップボタンで飛ばしても大丈夫です。後からでも、右上のチュートリアル開始ボタンからチェックできます。

世界・世界設定の作り方

それでは実際にそれぞれの設定を作っていきましょう。画面左上に表示される「新しい世界を作る」をクリックしてください。

基本情報として、名前やイメージ画像といった大まかな設定を入力します、保存をクリックすると、ダッシュボードにその世界が追加されます。

こうして世界の枠組みが作れたら、次は詳細を決めていきましょう。先ほど作成した世界の「世界設定」をクリックしてください。

詳細の設定画面に移りました。ここでは以下の項目の設定が可能です。

  1. 人物
  2. 概要
  3. 集団
  4. 地理
  5. 問題
  6. トレンド
  7. 百科事典

「1.人物」と「7.百科事典」については別個で後述していきます。まずは2.概要~6.トレンドまでの設定をチェックしていきましょう。

まずは「2.概要」についての紹介です。🖊マークをタップし、ざっくりとした概要を登録していきましょう。内容は、あくまでもざっくりとしたもので問題ありません。

次に「3.集団」を設定します。「新しい集団をつくる」をクリックし、グループの名前を入力します。

名前を入力し「保存する」を押すと、グループの詳細設定が可能になります。

イメージ画像や目的、文化、ルールなどグループの性質を決める項目を設定していきましょう。はじめにこれらの項目を決めておけば、あやふやな部分を減らせます。少々面倒に思う方もいるかもしれませんが、後々が楽になるのでがんばって設定しておきましょう。

グループは複数の設定が可能なので、登場するグループは全て設定しておくと便利です。

次に設定するのは「4.地理」です。「新しい地形・地域を作る」をクリックし、編集を始めましょう。

「地形?えぇ、どうしよう……」と戸惑う方もいるでしょう。しかし地形・地域の種類はテンプレートから選択するだけで簡単。イメージに合うものを選んで設定しましょう。

また「2.集団」同様に複数の地形登録ができるので、舞台となる場所をそれぞれ登録しておくと「あれ、どうだったかな?」と確認したいときに便利です。

次に「5.問題」を設定しましょう。ストーリーで起きる重要なトラブル・課題などを入力していきます。「新しい問題を設定する」をクリックして、新規作成します。

問題の名称、説明を入力します。重要なトラブルは登録しておくと便利です。

次に必要であれば「6.トレンド」を設定しましょう。「新しいトレンドを設定する」をクリックして新規作成します。それぞれ名称、イメージ画像、説明を登録しておきましょう。

キャラクターの設定方法

キャラクターを設定したいときは、ダッシュボードの「人物一覧」をクリックします。

「新しい人物をつくる」をクリック、基本情報で、名前と画像を設定し保存しましょう。

人物情報の保存をすると、以下の画像のようにキャラクターが追加されていきます。

しかし、人物設定はこれでは終わりません。より細かな登録をするため、キャラクターの「詳細」をクリックし設定を行いましょう。

キャラクター詳細で設定できる項目は、大きくわけて以下の12種類が存在します。

  • 概要(役割、性質)
  • 名前
  • 出自・生来属性
  • 身体的特徴(身長、体重、見た目)
  • 身体技能
  • 人格分析(質問形式、行動原理・過去・今・仮定のシチュエーション)
  • 性格(対人傾向、行動傾向、思考傾向)
  • 精神的基盤(宗教、思想・哲学)
  • 知識・技術
  • 対人関係
  • 所属組織
  • 経歴

それぞれを設定しておけば、リアリティのあるキャラクター作成が可能です。全て設定し終えれば、ユーティリティからプロフィールの印刷も可能。すぐに参照できるよう、最も便利な形で活用できます。

アイデアボードの使い方・機能

アイデアボードは、アイデアやメモ、箱書きなどを作成できるコルクボード風の機能です。ダッシュボードの「アイデアボード」から開いて使いましょう。

「新しいアイデアボードを作る」をタップ、新規作成へ進みます。アイデアボードの名前と、公開・非公開を選びアイデアボードの作成を行います。新規アイデアボードは以下のようなまっさらな状態です。

ここにそれぞれの機能を使い、設定資料を作ったりメモを貼ったりしていきます。

基本的な使い方は、下図の通りです。始めは少し戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえば非常に便利。本格的なオリジナルの設定資料も、ささっと作れます。

またアイデアボードを公開設定にしておけば、Twitterでの共有も可能。アイデアや創作風景をシェアできます。

書き物日記の使い方

書き物日記は、日々の執筆の記録を付けられる機能です。ダッシュボードから「モノローグ~書きもの日記~」の作成するボタン→作品の日記を付け始めるをクリックし、新規作成します。

作業記録画面に移行したら、作品名、メモ、進捗の単位(%、ページ数、文字数など)を設定。日記の公開・非公開を選択し、保存しましょう。これで枠組みが完成です。

次に日記作成に関する画面になるので「今日の日記を付ける」をクリック。

作業記録画面では気持ちや、内容、現在までの進捗度、書いた文章を記録しておけます。

この画面における必須項目は「気持ち」部分のみ。詳細まで書かなくても更新可能です。

毎日の記録を続けると、進捗度のグラフが自動的に作成されます。モチベーション管理や進捗管理に役立てられますよ。

作品紹介ページの作り方

作品紹介ページとは、入力された文章を分析し、紹介するページのことを言います。サンプルとしてアーサー・コナン・ドイル「緋色の研究」を入力すると、こんな感じに。

作成方法は非常に簡単。「作成する」ボタンを押して作成画面へ移行したら、作品URL、一言コメント、分析したい文章をコピー&ペーストで入力します。分析結果を作成するボタンを押して少し待てば、完成です。

Twitterで結果の共有も可能なので、他とは少し違う作品紹介やアピールに役立てられます。

百科事典の使い方

百科事典は、ダッシュボード内に表示されません。ダッシュボードから世界設定を開き、左に表示されるサイドバーの「百科事典」→「新しいカテゴリを作る」をクリックして、辞典を作成します。

保存したら「新しい事物をつくる」をクリックし、辞典に科目名(単語)やその説明を入力していきます。

保存を押せば追加完了です。以下の画像のようにどんどん単語を増やせるので、ストーリー中に専門用語が出てくる場合は登録しておくとわかりやすくなります。

WorldTypeの公開設定について

WorldTypeには、ところどころに公開・共有のための機能が付いています。「日記」や「作品紹介ページ」など随所で出てきますが、公開したくない場合は非公開設定にしておけば大丈夫です。

もちろん公開されるのは、自身で公開設定にしたもののみ。「作成したもの全部公開されちゃうの?」と不安に思った方も安心してください。

WorldTypeを使う前に準備しておきたいもの

WorldTypeでは世界設定、キャラクター設定、集団など、イメージ画像を設定する場面が多く出てきます。そのため、あらかじめイメージ画像を作成しておくと、詳細入力の際に一気に登録でき便利です。後から作成・設定しようと思うとまたそれぞれの設定画面を開かなくてはならず、少々面倒になります。

あらかじめイメージに合った画像をダウンロード、あるいは作成しておくことをおすすめします。

まとめ

WorldTypeは、詳細までしっかり決めて執筆したい方にぴったりのツールです。はじめに詳細まで決めて項目を埋めておけば、迷うことなく書き進められるでしょう。

全て設定するのは少々大変ですが、頑張って設定してみてください。きっとその後の執筆がぐっと楽になりますよ。

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ABOUTこの記事を書いた人

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読書とコーヒーを愛するフリーランスウェブライター。
好きな作家は中山七里、小野不由美、森見登美彦。
趣味で小説の執筆を行い、小説サイトに投稿している。
本好きの例にもれず、いつか書庫を持ちたいと思っている。