読む私小説の救世主“ケンタ”未完の遺作 / 西村賢太『雨滴は続く』レビュー 2022.09.16 土佐有明第144回芥川賞の選考会/発表会の結果は文壇の外側にも大きな波紋を広げた。三井財閥の末裔でフランス文学者/詩人の父を持つ朝吹真理子と、中卒で前科者の西村賢太という両受賞者の格差は、メディア的にも恰好のネタだったのだろう。…