本谷有希子『ぜつぼう』 他人の絶望には気づけない
本谷有希子『ぜつぼう』を読みました。初出は『群像』2005年11月号。講談社から単行本が出たのは2006年。約10年前の作品になります。 ここから、本谷氏は演劇界で鶴屋南北賞と岸田國士賞を受賞。文壇でも野間文芸新人賞、三…
本谷有希子『ぜつぼう』を読みました。初出は『群像』2005年11月号。講談社から単行本が出たのは2006年。約10年前の作品になります。 ここから、本谷氏は演劇界で鶴屋南北賞と岸田國士賞を受賞。文壇でも野間文芸新人賞、三…
「これから先、どう生きていけば良いんだろう?」 大人になる一歩手前、誰もがこうした不安感を覚えるものですよね。 庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』は、そんな人生の岐路で迷い、苦悩し、やがて答えを見つけていく男の子を主人公と…
星新一という作家をご存じでしょうか? という質問が馬鹿馬鹿しいほどに、星新一は有名な作家です。僕と同年代の人たち、具体的には10代後半から20代前半の人たちは中学生のときに星新一作品を読んだことがある、という人が非常に多…
離れて暮らす仲の悪い姉妹と、その母親。ある日三人でグアム旅行へ行くことになるが、相変わらず姉妹の中は悪くて……。 本谷有希子『グ、ア、ム』のあらすじを紹介するならば、このようになるでしょう。しかし、恐らく読者があらすじを…