壁にふせんを貼って創作のための情報を整理すると、「RPGのマップ攻略」感が出て楽しくなった

「スクロールしない」「ページをめくらない」資料作り

 創作のために調べたものをまとめたいとき、あなたはどうしていますか? デジタルでなんでも管理できるご時世なので、すべてデジタル化して綺麗にまとめているよ~という方もいるかもしれません。デジタル化すると、フォルダ分けができたり検索機能が使えたりして便利ですよね。何より、パソコンやスマホにデータを保存しているので、身辺がすっきりして気持ちがいいです。

 しかしこの記事では、アナログならではの資料作りのよさを提案してみたいと思います! 必要なものはたった2つ、カレンダーなど大きな紙の裏面と、百均などで売っている「全面のりふせん」です。

 デジタルとも、また手書きノートとも一味違った、「スクロールしない」「ページをめくらない」資料作りに挑戦してみませんか?

知識で用紙を埋めていこう

 このアナログ資料作りでもっとも推したいポイントは、「余白を埋めていく」という楽しさです。

 作業の段階で言うと、資料作りは基礎の基礎。創作物の下準備や、設定のための勉強でしかないことが多いと思います。資料作りは最終的に自分が何かを作り出すためにするのであって、その基礎が楽しいなんて……と思われるかもしれません。しかし、もしこの基礎作業にもやりがいを感じられたら、創作にももっと力が入ると思いませんか?

 この方法での資料作りの楽しさは、「地図の余白を埋めていく」楽しさに似ていると言えます。大きなカレンダーの裏紙があなたの知識で埋められていくのは、RPGでマップを攻略していくのに似ています。最初は広大に見える白紙も、あなたの進行具合=書き込みが日に日に増えれば、きっとモチベーションの維持につながるはずです。

 この大きな用紙を、あなたの知識で埋めていきましょう。方法は簡単、「全面のりふせん」という普通の付箋より粘着面が多い付箋にメモをして、それをカレンダーの裏紙に貼っていくだけです。

 次から、私がやっている方法を具体的にご紹介していきたいと思います。写真でまとめている資料は「明治42年~明治45年の石川啄木について」ですので、それを例とさせていただきますね。

 そのほかにも、台紙を貼る場所、全面のりふせんを使う際の利点と注意点など、ご参考にしていただけますと幸いです。あなたのやる気を引き出す環境づくりを整えていきましょう!

常に見える場所に大きな紙を貼るべし

 まずは、土台となる用紙をよく目に入るよう壁に貼ってください。ピンで用紙を留めてもいいですし、穴が開くのが気になるという方は、剥がしやすいテープなどを使用してもいいと思います。

 直接用紙に書き込みができるよう、裏はある程度固く、凸凹していないところがよいでしょう。また、あまり高い場所ではなく、手が届きやすいところがいいと思います。

 常に目に入り、いつでも書き込みができ、そして邪魔にならない場所。そんな場所が確保できて、用紙をきちんと張ることができたら、もう準備は完了です。これからこのスペースは、あなたの知識の土台となっていきます。

大切だと思った情報は「全面のりふせん」にメモ

 さて、土台を埋めていく知識を収集しなければなりません。私がこの時調べていたのは、「明治42年~明治45年の石川啄木について」です。啄木の創作活動はもちろん、彼が勤めていた朝日新聞社のこと、日露戦争後の社会背景や社会運動、交流のあった著名人のこと、家庭や身辺のこと……などなど、調べることは山ほどあります。本を読んだり、ネットで検索したり、あるいはほかの媒体で、とにかく情報のインプットに努めました。そしてこの際、大切だと思ったことはどんどん「全面のりふせん」にメモしました。本当に必要な情報かはひとまず置いておいて、「重要かも」と思ったことはできるだけメモしていくのがポイントです。

 メモした付箋は読んだ本の表紙に貼り付けてもいいですし、ノートPCの上蓋、机の脇などに貼ってもいいでしょう。「全面のりふせん」は普通の付箋よりも粘着面が多いので、簡単に剥がれてどこかへ飛んで行ってしまうということはありません。どんどんメモして、適当なスペースにべたべた貼りましょう。

付箋を土台に貼っていこう

 資料読みが一区切りついたら、次は書き込んだ付箋を土台に貼っていきます。

 雑多にメモした付箋の中から必要だと思われるものを選んで、用紙に貼っていきましょう。その際、付箋の配置を考えたり、順番を入れ替えたりすることによって、あなたの中で漠然としていた知識が自然と整理されることと思います。

 カラフルな付箋が用紙のスペースを埋めているのを見ると、それだけで「今日はこれだけ進んだ」ということが可視化されます。自分の知識が蓄積されていっているのを見るのは嬉しいですし、ある程度のスペースが埋まると達成感も湧きます。この土台は目に入りやすい場所に貼ってあるはずですので、常に一目で作業の進行具合がわかるのも利点ですね。
デジタルでは達成度がなかなか実感しにくい資料作り作業も、これならモチベーションを維持しやすいのではないでしょうか。

貼るも剥がすも自由自在、どんどん更新するべし

 付箋を貼っていくうちに、配置を変えたり書き込みをしたり、土台はどんどんあなた色に染まっていくはずです。一度貼ったけど必要なくなった、というメモは捨ててしまえばよいですし、貼り換えが面倒なら、上から新しい付箋を重ねて貼ってもよいでしょう。

 付箋を色や形で使い分けしたり、隣に年表や用語集などを作って貼ったりするのもいいですね。私の場合、参考資料を付箋で分野別に分けたり、青色の付箋は実在の人物の著作からの引用にしたりと使い分けをしています。自分の見やすいように、自由にマップを更新してください。

 ある程度紙面が固まってきたら、土台に直に書きこみをしていってもOKです。余白はあるだけ使ってください。余白が足りなくなってくるころには、きっとあなたの中に十分な知識が蓄えられ、整理されていることでしょう。

「全面のりふせん」の利点と注意点

 ここで「全面のりふせん」と書いている付箋について、普通の付箋ではいけないの? と思われる方もいることと思います。もちろん、普通の付箋で代用しても構いませんよー!

 ただ、大きな台紙を埋めていくにはある程度の時間がかかります。その間、剥がれにくい付箋となると、やはり普通の付箋よりは粘着面の多い「全面のりふせん」を使う方がおすすめです。また、台紙に貼った後も書き込みがしやすいという利点があります。

 注意点としましては、台紙以外の場所に付箋を貼ったままにしておかないように、ということです。どこにでも貼れ、すぐに剥がせる便利な付箋ですが、時間が経つと剥がしにくくなってしまいます。特に、本など紙モノには貼り付けたままにしないでください。時間が経つと、付箋の糊が紙に張り付き剥がせなくなってしまいます。もっともしてはいけないのは、図書館で借りた本に付箋を貼ったまま返却すること。返却する前に、絶対に付箋を剥がしてください。付箋をつけたままにしていないか確認してからの返却をよろしくお願いします。

 また、古い本などは紙が劣化しているため、貼ったばかりでも剥がしにくい場合があります。大切な本を破損しないよう、くれぐれもご注意を!

アナログもデジタルも、それぞれの長所を生かした資料作りを

 以上、「全面のりふせん」を使った資料作りのススメでした。

 アナログならではの面の広さ、常に目に入れられる環境づくり、そして書き込んでいくという楽しさを上手く活用していただけましたら幸いです。

 ここではアナログな資料作りの方法をご紹介しましたが、どちらか一辺倒ではなく、デジタルはデジタルでいい面を活用し、それぞれいいとこ取りをしていきたいですね! 資料の読み込み・作成は時間がかかって根気のいる作業ですが、自分に合っている方法を見つけて、少しでも効率化していきたいものです。そして、よりよい作品作りに励んでいきましょう!

執筆者

旅行好きのインドア派。昔の日本文学が好き。だいたい時代についていけない。

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