BiSH・モモコグミカンパニーのデビュー作『御伽の国のみくる』が3月に刊行

“楽器を持たないパンクバンド” BiSHのメンバーであるモモコグミカンパニーの小説デビュー作『御伽の国のみくる』が、3月下旬に河出書房新社より刊行されます。

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あらすじ
『御伽の国のみくる』の主人公はメイド喫茶店員の「友美」。アイドルの夢にもがき、悩みながらメイド活動を続けていた彼女は、信頼していた人間の裏切りをきっかけにバランスを崩していく。一方、友美の唯一のファンである「ひろやん」は、母親を介護する日々のなかで、メイドとして頑張る彼女を推し続けていたのだが……。裏切り、妬み、失望の果てに、友美が見つけた答えとは? 待望の書き下ろし長編小説。

著者・モモコグミカンパニーからのメッセージ
この度、小説を刊行させていただくことになりました。
小説はずっと書きたいと思っていたのですが、今までずっと手の届かない存在でした。
それが、今回やっと形になって本当に嬉しいです。
生きることにしがみつくように、その形を確かめるように書いていたら、
自分にとってお守りになるような物語ができました。
読者の皆さんにとってもそうなってくれれば嬉しいです。
ぜひ、楽しみにしていてください。

BiSHは、昨年の第72回紅白歌合戦にも出場。2023年をもって解散することを発表しています。

アイドル×小説というフロンティア

本作は、アイドルの夢を追いかける女性が主人公。近年はアイドルを主題とした小説作品が増えてきたように思います。

象徴的なのは、第164回芥川賞を受賞した宇佐見りん『推し、燃ゆ』でしょう。『御伽の国のみくる』と同じく河出書房新社より刊行されています。同社から刊行されているアイドルを主題とした作品としては、他にも児玉雨子『誰にも奪われたくない/凸撃』もあります。

少し古いところでは、2015年4月に刊行された朝井リョウ『武道館』が挙げられますし、最近の作品としては、2021年にコミック百合姫で連載されていた洲央『いつか君と、輝く星に』もあります。

2021年の新語・流行語大賞には「推し活」がノミネートされ、アイドルやアイドル的な人物への関心の高まりが感じられる昨今。2020年代の時代の表象として、今後の文芸作品の中で「アイドル」や「推し」がどのように扱われるのかが楽しみなところです。

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