蓼食う本の虫の週報【第5週】

こんにちは!蓼食う本の虫主宰のあとーすです。

夏本番という感じですね(この週報、毎週暑いという愚痴しか言ってない気がしますね、すみません…)。

もう7月も終わり、いよいよ8月になります。梅雨も明けて僕らの夏はこれからだ!という感じですが、ぼーっとしてると簡単に夏は終わってしまいますので、読書や創作活動もまあほどほどに外で遊びましょう。僕は海に行きたいです。

今週の蓼食う本の虫

今週は以下の記事を公開いたしました!

 

あさのあつこが描く“時代を超えた人の闇”「弥勒」シリーズレビュー!

。-MaLu-さんに寄稿していただいた記事です。

『バッテリー』や『ガールズ・ブルー』などの青春小説で有名な作家、あさのあつこさんの書いた歴史小説「弥勒」シリーズのレビューです。

僕もあさのあつこさんは大好きなのですが、このシリーズは未読なので読みたくなりました。

編集部トーク

あとーす
今週のお題は「小説執筆における難読漢字の使用について」です!

まずはざっくり質問なんですけど、小説を書くときに難しい漢字を使うとか使わないとか、意識してますか?

神田
あるあるかもしれませんが、小・中学生の頃は普段あまり使わないような漢字を使いたがりでしたね。(笑)

五月蝿いとか、嗤うとか、登場人物の名前に難読漢字を当ててみたり……。

今はというと、特別な意図がない限りはニュースや新聞でほとんど見かけないような漢字は使わないことにしています。

読む方もストレスになってしまうと思いますし。

 
あとーす
登場人物はわかります!(笑)

特に苗字ですよね。「小鳥遊(たかなし)」とか、みんな一回は使ったことあるんじゃないかなあと思うんですけど。

せっかく小説なんだから、日常とは違う名前をつけたいという思いが当時はあったような気がします。

ライトノベルとかファンタジー系ならそういう名前もありかもしれないですけど、それ以外だったら普通の苗字の方がいいかもしれませんね。ライトノベルでも、西尾維新くらい強烈な個性を発揮できるのが一番いい方法だと思うのですが、あれもなかなか難しいですよね…。

とはいえ、僕は最近あまりにも気にしなさすぎて、最初に登場する男の人がすべて「斎藤」になりつつあるんですけど…(笑)

神田
確かに斎藤率は高い!(笑)

ファンタジーやバトルものだと、むしろ難読漢字の方が歓迎される雰囲気を感じますね。

技の名前が「力強い切り」だとやはり格好がつかない。

「鳳凰魔導剣」とか「龍虎滅殺撃」とか、大げさな名前だからこそ文字から威力の強い攻撃を想像できるんですよね。

今は頻出させなくなったとはいえ、明治・大正の文学作品を読んだりすると、現代小説にも難読漢字を使いたくなったりします。

やっぱり、かっこいいじゃないですか、難しい漢字って。

 
あとーす
「鳳凰魔導剣」とかは、また違う病気な気もしますが…。

でも、安易に難読漢字を使うのは危険だなあと思っていて。要するに、難読漢字を使える=小説を書くのが上手い、みたいに勘違いしちゃうことがあると思うんですよね。「語彙力が豊富です!」なんて言っちゃう。

語彙力があるのはいいことだし、難読漢字も知っていれば引き出しが増えるのは確かなんですけど、それと小説の上手さはまた別の話かなあとも思うんですよね。

国語の教科書レベルの話ですけど、日本では二葉亭四迷以降は言文一致でいこうみたいなスタイルになっているわけじゃないですか。難読漢字って、基本的には文語なわけですよ。というか、使用頻度が低すぎてもはや文語かどうかすらも危ういという。

そういう独特な言葉遣いも、森見登美彦みたいに昇華させることができたら良いんでしょうけど、普通に辞書を適当にめくって覚えたような付け焼き刃の単語でページを埋めても、いい小説に繋がるかというと微妙ですよね。

神田
難読漢字を使うことに必然性がないと、ただ読みにくいだけの小説になってしまいますからね。

自分自身書くときには気をつけたいものです。

ところで、今新たに言文一致体をやろうとすると、もはや難読漢字どころか簡単な漢字すら使わなくなる可能性があるような気がしますね。

友達とやりとりする時のチャットの文章って、予測変換すらめんどくさくてひらがなばっかりになることってあるじゃないですか。

あれって、続けていると脳内言語? のようなものまでひらがなになっていくような気がするんですよね。

むしろ若者が話す言葉に逐一漢字を当てることの方が不自然じゃないかと思うこともあります。

あとーす
そういう新しい言文一致みたいなものが、それこそライトノベルで行われているのかなあとも思います。

僕もどちらかといえば口語的に小説を書きたいと思っているタイプなんですけど、ある程度以上は崩せないなあというか、書き言葉の領域を出ることができないと思っています。

でも、たまにライトノベルを読むと、そういうところを軽々と飛び越してしまっている。それって、実はとても凄いことなのかもしれないなあって。

それでは、今週はこん辺で!

編集部メンバーが今週読んだ本

あとーすが読んだ本

『愛の縫い目はここ』(最果タヒ)

大好きな詩人、最果タヒさんの新刊詩集です。

これまでのタヒさんの詩集に比べると、なんというか「光」を感じるというか、明るい感じがしました。
また蓼食う本の虫でも記事にしたいと思います!

神田が読んだ本

今iPadがとても欲しいのですが、週末にiPadを買うか否か悩んでいたらもう日曜の夜になっていました。

そのため今週は本が読めておらず、申し訳ないです……。

今のところiPadの2017年春モデルを買う予定です。

これで電子書籍がサクサク読めるようになるはず!(今持っているものはどのアプリもすぐ落ちてしまうほど低スペックなので)

まとめ

今週も1本しか記事を投稿できなかったのがなんとも悔しいところです。

来週もそれほど記事を増やせる予定がないのですが、週報は頑張って更新したいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします!

記事を共有する