4千万円超えの古書も出品 有楽町で「ABAJ国際稀覯本フェア2022」が3月18〜20日に開催

日本古書籍商協会(ABAJ)は、3月18(金)〜20日(日)の3日間にわたって、日本最大級の古書市「国際稀覯本フェア2022-日本の古書 世界の古書-」を有楽町の東京交通会館展示会場で開催します。入場は無料。

日本国内の古書店から古書(古地図・美術画・浮世絵なども含む)1,000点以上が集うこの企画。最高価格本となるのは、中国歴代皇帝や名臣たちの書が収められた集帖『淳化閣帖 巻八』で、販売価格は4,400万円。そのほか、アインシュタインが1922年に京都から出した直筆の書簡など、歴史的に価値の高い品々も出品されます。

【イベント詳細】
○名 称:ABAJ国際稀覯本フェア2022 -日本の古書 世界の古書-
     (英名: Tokyo International Antiquarian Book Fair 2022)
○主 催:日本古書籍商協会(ABAJ)*
○日 時:3月18日(金)12:00~19:00
       19日(土)10:00~18:00
       20日(日)10:00~16:00
○会 場:東京交通会館展示会場12階 カトレアサロンA・B 
     (東京都千代田区有楽町2-10-1)
○出品数:約1,000点 (日本国内19書店より)
○公式ページ:http://www.abaj.gr.jp/special/2022/ ※全ての出品古書がPDFカタログでご覧いただけます
○一般問合せ先:ABAJ国際稀覯本フェア事務局(TEL: 03-6367-6128)

【主な出品古書(順不同)】

※①古書タイトル(著者)、②出品書店(所在地)、③販売価格、④ひとこと

【1】①明治天皇勅旨 原本(岩倉具視宛) ②安土堂書店(東京都目黒区) ③22,000,000円 ④明治天皇が米欧回覧使節団大使だった岩倉具視に宛てた勅旨の原本。条約改正へ向けた交渉、文明視察の記載あり

【2】①百人一首かるた(団扇形) ②思文閣(東京都中央区) ③3,000,000円 ④江戸前期に作られた、珍しい“うちわ”形のかるた。読札・取札各百枚も揃い、黒漆唐草模様の綺麗な絵箱に収められている

【3】①徳川家康書状 ②思文閣(東京都中央区) ③1,320,000円 ④秀吉によって関東に移封された徳川家康が天正19年(1591年)堺の茶人・今井氏の一族・今井宗室に宛てた書状。

【4】①絵本福神遊(菱川師宣画) ②大屋書房(東京都千代田区) ③8,800,000円 ④浮世絵の祖・菱川師宣の画と伝わる貴重な絵本。師宣は生涯100種以上の絵本や50種以上の好色本に筆をとった

【5】①紺紙銀字華厳経(二月堂焼経) ②一誠堂書店(東京都千代田区) ③7,150,000円 ④奈良時代唯一の紺紙の銀字写経。今も銀が輝き“プラチナ経”と呼ばれる。東大寺火災時に火中から取出された際の焼痕有

【6】①夾雪本 淳化閣帖 巻八(呉栄光ほか) ②中尾松泉堂書店(大阪市中央区) ③44,000,000円 ④中国の歴代皇帝や名臣たちの書を集めた最古の集帖。虫喰い痕が舞い散る雪を夾んだようにみえ夾雪本と呼ばれて貴重

【7】①[英]日本昔噺 1-18(ダビッド・タムソン他訳) ②沙羅書房(東京都千代田区) ③1,375,000円 ④日本昔話の貴重な英訳本。全20冊の内1〜18巻が揃う。明治期に外国人用のお土産として人気を博した。

【8】①桃太郎金太郎雛鶴笹湯寿(山東京山作 豊国画) ②浅倉屋書店(東京都練馬区) ③1,320,000円 ④魔除けに赤い物を持てば病に掛からないという俗信をもとに天然痘流行の江戸後期に発刊された、全て朱で摺られた赤い絵本

【9】①アインシュタイン自筆書簡および絵葉書 ②崇文荘書店(東京都千代田区) ③7,700,000円 ④1922年、ノーベル賞授賞式を控えたアインシュタインの日本滞在中の書簡と絵葉書。日本を満喫していた様子が窺える

【10】①テレヴィジョン(ディンスデール著) ②崇文荘書店(東京都千代田区) ③638,000円 ④現存する最も古い英語版のテレビ誌。1926年の初版は12枚の写真を含みロンドンで刊行された

【11】①エッフェル塔三十六景(アンリ・リヴィエール著) ②かげろう文庫(東京都千代田区) ③2,300,000円 ④北斎「富嶽三十六景」を模して、エッフェル塔建設当初の1888-1902年までの四季を五色刷のリトグラフで描いた

【12】①武田流首実検之図(杉山八蔵写) ②臨川書店(京都市左京区) ③1,650,000円 ④戦国時代の武田家の首実検の作法やレイアウト図が図示された史料。桐箱に入れられ大切に保管されてきた

【13】①VIEWS & COSTUME OF JAPAN(シュテルフリート/ベアト撮) ②文生書院(東京都文京区) ③7,150,000円 ④幕末に来日した2人の外国人写真家が撮った侍、公家、行商ら99枚のモノクロ写真に手彩色でカラー色付した写真帖

【14】①フランスの菓子職人(ラ・ヴァレンヌ著) ②臨川書店(京都市左京区) ③4,950,000円 ④17世紀の名シェフ、ラヴェレンヌが記した料理書(レシピ集)の古典。現存する刊本は極稀でたいへん希少

【15】①イエズス会士日本年報(フロイス報 長崎発) ②安土堂書店(東京都目黒区) ③1,100,000円 ④来日したイエズス会の宣教師によるローマ向けの日本の年報。天正10年(1582年)報には織田信長の記載もある

日本古書籍商協会(ABAJ)は1964(昭和39)年11月に東京、大阪、京都の有力な古書業者10店により結成。非営利団体として、古書を通して東西文化の交流を計り、相互理解と国際親善を深め、世界に友好の輪を拡げることを目的に様々な活動を行っています。

記事を共有する