Skeb、pixivリクエスト、SKIMA、ココナラなど近年隆盛のコミッションサイト。既にイラストをリクエストした方も多いのではないでしょうか?
同人業界におけるコミッションとは個人間で作品を有償依頼する事、またはその仲介サービスをさします。日本には海外から逆輸入された形で、Skebの台頭により2018年頃から盛り上がりを見せてきました。
このコミッション、物書きの需要もあるのをご存じでしょうか?
私は普段創作BL小説を書いており、現在の所Skebで3本、pixivリクエストで21本小説を納品しています。
今回はリクエストを受ける創作字書き(クリエイター)の観点から物書きにおすすめのコミッションサイト、ならびにリクエストを受けた感想を紹介していきます。
Skeb
コミッションサイトとしては現状ほぼ一強なSkeb。2018年11月30日にスタートして以来、2021年1月時点でリクエスト総は34万件を記録。有料のお題箱、投げ銭サービスを謳っています。
クリエイターとして利用した経験から申しますと、一番納品がスムーズでストレスフリーでした。
テキストの納品形式はテキストとPDFで選べます。私はテキストで納品しましたが、即反映されます。納品期限まではファイルの修正と再納品が可能なので、恥ずかしい誤字脱字もしれっと証拠隠滅できます!
そしてSkebの強みはTwitterと連携している所。Twitter上に作品をアップしているなら文体や作風などの雰囲気が掴めるので、Skebから来た新規クライアント(オリキャラの小説を書いてほしい人たち)にも有難いですね。
たびたび手数料無料キャンペーンを実施してくれるのも大変有難いです。テキスト納品ではニッチな性癖に特化したエロ二次小説が多い印象。TRPG系(いわゆるうちの子やうちよそ)も強い。
ユーザーページではpixivや他サイトにリンク可能なので、サンプルテキストをおいておくのがおすすめ。納品物がよければブーストももらえます。ブーストとは納品後にクライアントから感想とともに料金を上乗せできる機能で、Skebではリクエスト金額と同額まで設定可能です。
さらに面白いのが新規アピール。このボタンはリクエストしてほしい人に「私に作品を頼んでみませんか?」とアピールする機能です。
クライアントの要望にこたえる自信をお持ちの字書きは、うちの子のイラストやテキストをたくさんお願いしている人に狙いを定めてアピールするのも手ですね。
私も創作をしているので断言しますが、「おたくの子が魅力的なので描(書)かせてほしい」と言われて不快になるクライアントはまずいません。win-winな機能を活用してください。
pixivリクエスト
次点がpixivリクエスト。こちらでは21本小説を納品しています。ほぼすべて既存シリーズの番外編、1本のみ新作の創作BLでした。
pixivリクエストの利点は、pixivで好きな小説と出会ったらその人に依頼できる所ですね。創作BLで人気の字書きさんは私を超える本数を受け付けてらっしゃるので、利益率がよさそうです。
Skebと同じでうっかり流しちゃったリクエストの再送依頼ができるのも親切設計。
ただし相乗りシステムなど、「これって意味あるのかな?」と首を傾げざるえないウィークポイントもあります。
手数料の面においてもSkebほど優しくないので、あちらに人が流れているのは否めません。
他に言及すべきはpixiv小説編集部が力を入れてる特集があります。pixivisionの小説特集に載りたい野望をお持ちなら、一次創作のリクエストを積極的に受け付けてください。pixivisionとはpixivが運営している多言語発信の創作系メディアで、毎日テーマ別のイラスト特集やオリジナル漫画特集、小説特集などを行っています。
小説内に挿絵を表示できるのもメリットでしょうか。
Skebの場合は納品期限を過ぎると修正削除ができなくなりますが、pixivプレミアム会員なら好きな時に表紙や挿絵を差し替えられるので、リクエスト小説を華やかに彩りたいクリエイターには向いています。
SKIMA
SKIMAでも創作小説の受付・依頼は可能です。
ただしイラスト(TRPG立ち絵需要多し)の方がメジャーなので、小説で登録しているクリエイターはそこまで多くありません。
正直Skebやpixivと比べるとマイナーな感が否めません。ココナラと同じく契約面のシステムはしっかりしてるので、進捗を確認したいクライアントには有難いですね。
どちらかというとクラウドソーシングサイト寄りの雰囲気です。
ココナラ
ココナラ
はコミッションサイトよりもクラウドソーシングサイトに近い印象を受けました。クライアントの評価制度が取り入れられているからでしょうか。
YouTubeの動画使用前提のボイスドラマ脚本などもクリエイターが受け付けており、1文字1円と定めている募集が多いのでビジネスライクな雰囲気です。
その他クラウドソーシングサイト
ランサーズやクラウドワークスにも創作小説の依頼を受け付けているクリエイターは存在します。内容は様々でR18のBLや百合や特殊性癖Hから健全まで、それぞれの強みを売り込んでいますね。
しかし私が見た限りだと、クライアントが条件を列挙し募集をかけているケースが多いです。
クラウドソーシングサイトで好みの小説の書き手を募るクライアントは大抵の場合条件が細かく厳しく、密な相談が前提なので、クライアントの理想に沿った作品を作り上げたいクリエイターには向いています。
興味がある字書きさんはランサーズの「文芸・クリエイティブライティング」ページをチェックしてください。
実際にリクエストを受けてみて
以上、字書きに向いてるコミッションサイトを簡単に紹介しました。
個人的なおすすめ順はSkeb>pixivリクエスト>SUKIMA・ココナラ>その他クラウドソーシングサイトです。
やっぱり字も絵もSkebが圧倒的に強いですね。手数料無料キャンペーンがおいしいです。
これはpixivリクエストも同じですが、リクエストされる小説の大半はR18二次小説です。
私の場合も創作小説のリクエストをいただいたのはSNSで繋がってるフォロワー(読者さん)さんが大半でした。
リクエストの体験を語る上で少々自己紹介をさせていただきます。
私はかれこれ十数年ほどインターネットで創作小説(BL)を発表しており、2019年頃に放置状態だったブログサイトを閉鎖し、pixiv・小説家になろうに活動の場を移しました。
その為クライアント様からいただくクエストは、終盤に突入した時点で執筆が止まった大長編の番外編、または後日談が圧倒的に多いです。
もし「諸事情で未完だけど最後までプロットはできている!」長編作品があるなら、後日談や番外編の形でリクエストを受け、発表するのも手かもしれません。
他にも「本編では書かれなかったカップルの初夜が見たい!」「攻めと受けが別職業のパロが読みたい!」などの要望におこたえしました。
総じて「本編では書かれてないけどキャラクターの口を借りて、あるいは地の文で匂わせられているエピソードor作者自身がSNSで垂れ流した妄想」をリクエストのネタにしてくださる方が多いです。
本編に書かれてないキャラクターの過去のあれこれや、本編では接点のないキャラクター同士の絡みなどは皆さんやっぱり気になるようです。
なので自作小説関連のリクエストが欲しい方は恥ずかしいとか躊躇せず、SNSでどんどん「こんな話書きたいな~」と述べてください。親切な読者さんがコミッションサイトを介して希望されるかもしれません。
もともと投稿サイトや個人サイトで作品を発表して、そこから導線ができていればリクエストに繋がりやすいですね。
納期が2か月以上あるので余裕をもって執筆に臨めるのもメリット。趣味や本業の合間に進められてストレスはありません。
クライアント様のオリキャラが活躍する小説をリクエストされた経験もありますが、その方はSkeb経由で私の作品を見て、文体や雰囲気を気に入ってくれた模様です。
その際はキャラ設定の把握に自信がないので見送りましたが、「うちの子を描いてほしい」のと同様に「うちの子を書いてほしい」潜在的な願望があるのは確か。
コミッションサイトで報酬を得ることで自信や実績を築けますし、「お金を払ってまで自分(の作品)を必要としてくれている人がいる!」と痛感することで自己承認欲求が満たされ創作のやる気がでます。
この記事がコミッションサイトで報酬を得たい字書きさんの参考になれば幸いです。