文芸専用の投稿・閲覧プラットフォーム「ブンサイ!」リリース 文芸作品コンテストも開催

5月23日より、文芸専用の投稿・閲覧プラットフォーム「ブンサイ!」がサービス提供を開始しました。管理人は歌人の木村八朔氏

同サイトは、TECHFUND Inc.新規事業プログラムの一環として運営されているもの。現在は6月11日までの試験版が提供されており、「需要・反響が大きいほど、次のステップへ進むことができます」としています。

投稿機能について

ブンサイ! では、作品を19文字×10行までのフォーマットで投稿できます。入力できる情報は「作品」と「投稿者名」のみで至ってシンプル。

「投稿者名」に自身のTwitter ID を入力することで、後述する「ブンサイ!文芸作品コンテスト」への応募と、公式LINEによる作品配信のエントリーが可能です。逆に言えば、コンテストへの応募や作品配信エントリーを希望しない場合は、投稿者名にTwitterのIDを入力しなければOKです。

作品と投稿者名を入力することで、以下のように自動で画像が生成されます(今回は短歌作品を入力してみました)。

「確認する」をクリックすると、投稿確認画面へ遷移します。問題ない場合は「投稿する」をクリックします。

投稿が完了すると、作品画像をダウンロードできます。

なお、「作品をシェアする」をクリックしても生成された画像が自動で添付されるわけではないので、「ダウンロード」をクリックして画像を生成し、その画像を添付するようにしましょう。

投稿機能は以上となります。投稿できる文字数も少なく、かなりシンプルにまとまっている印象です。

なお、ブンサイ! 上では「文芸作品」がどのような形式のものか具体的に明示されているわけではありません。ただ、「ブンサイ!文芸作品大賞」では募集ジャンルを「短歌・俳句・小説・エッセイ他」としているため、短詩系の作品を重視しているように思われます。

閲覧機能について

ブンサイ! には、投稿された作品を一覧で見る機能がありません。作品を読むには、公式LINEアカウントを友だち登録する必要があります。

友だち登録が完了すると、朝と夜の1日2回、5作品ずつLINE上で配信されます。

また、ブンサイ! を使って生成された画像はハッシュタグ「#ブンサイ」をと共にTwitter上に多数投稿されています。

LINE登録者数は、5月25日現在で400人を超えているとのこと。読み専の方でも楽しめそうです。

ランキングシステムが採用されている投稿サイトの場合は、ランキング上位の作品ばかりが読まれる「収奪性」が問題になることもありますが、ブンサイ! の場合は作品との偶然の出会いを楽しめるのがおもしろいポイントですね。

https://twitter.com/bunsai_app/status/1661718625890480132?s=20

「ブンサイ!文芸作品コンテスト」開催情報

ブンサイ! のリリースにあわせて、「ブンサイ!文芸作品コンテスト」が作品応募を受け付けています。

募集ジャンルは「短歌・俳句・小説・エッセイ他」。期間は第1回が5月23日〜5月30日。第2回が5月31日〜6月10日となっています。

最優秀賞・優秀賞は各回1名ずつ選ばれ、合計で4名選出。最優秀賞には賞金5万円が、優秀賞には賞金2万円が贈呈されます。

応募に際しては、作品を投稿する際にTwitterのIDを記入するほか、ブンサイ!の公式Twitterフォロー、キャンペーンツイートのRTも必要になります。

コンテストの選者は、歌人の青松輝氏。氏は「ベテランち」「雷獣」の名義でYouTube活動も行っています。

コンテストの詳細については、「ブンサイ!文芸作品コンテスト」の応募要項をご覧ください。

短歌をとりまく環境

昨今、現代歌人の活躍により「短歌ブーム」が巻き起こっていると言われます。

2022年10月には、「情熱大陸」で歌人の木下龍也氏が特集されました。今年に入ってからは、2023年3月にクローズアップ現代で「空前の“短歌ブーム”は何映す 令和の歌に託した思い」が放送され、岡本真帆氏などの歌人が紹介されています。

また、KADOKAWAの運営する小説投稿サイト「カクヨム」では、角川『短歌』「俳句』の協力を得て、「第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト」が7月10日まで開催されています。

一方で、短歌投稿プラットフォームとして愛されてきた「うたよみん」は2023年1月15日に投稿サービス終了を発表。短詩系のWebサービスを運営することの難しさを物語っているでしょう。

短歌投稿サイトとしては「うたの日」などが運営を続けている中で、ブンサイ! がどのような存在になっていくのか。今後の動向に注目したいと思います。

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