文学は祈りつづける――岡真理『アラブ、祈りとしての文学』を読む
祈ることが苦手な日本人? ロシア=ウクライナ戦争がいよいよ始まるというとき、Twitterで流れてきたつぶやきがある。 「何かしたいけれど、自分ではどうにもならない/どうすればいいかわからない、そんなときに祈ることは有益…
祈ることが苦手な日本人? ロシア=ウクライナ戦争がいよいよ始まるというとき、Twitterで流れてきたつぶやきがある。 「何かしたいけれど、自分ではどうにもならない/どうすればいいかわからない、そんなときに祈ることは有益…
山田詠美の傑作選を書くということで、私は手が震えている。 山田詠美は1985年に『ベッドタイムアイズ』で第22回文藝賞を受賞してから、日本文学の最前線立つ、麗しのビッチ(誉め言葉)のお姉さま。『ソウル・ミュージック・ラヴ…
『文体の舵をとれ』(フィルムアート社)は、アーシュラ・K・ル=グウィンの“Streeting the Craft Twenty-First-Century Guide to Sailing the sea of stor…
あなたは『かわいいウルフ』という日本発のヴァージニア・ウルフのファンブックをご存じだろうか。 この『かわいいウルフ』というファンブックは初めに同人誌として作られた。そして1000部を売り上げるという異例の快挙を遂げ、その…
レイモンド・カーヴァーという作家には、日本でも熱狂的なファンがいる。 また村上春樹がカーヴァー作品全ての日本語訳を担当しており、そのような理由で「レイモンド・カーヴァー」という名前を聞いたことがある人も多いと思う。 今回…
いま熱い視線が注がれている作家・李琴峰さんの名前を知ったのは、琴峰さんの本の表紙に書かれた著名からではなかった。 2019年、私は「LGBTQA創作アンソロジー Over The Rainbow」という同人誌を主宰し、企…
「購入」が書けなくなった私 皆さんは普段どのくらい手書きで文字を書いているだろうか? 私は書きものは、ほとんどPCで済ませている。 ある日、私の同人誌をお買い上げいただき、一筆箋を書こうと思ったところだった。 「ご購入あ…
私が森瑤子さんの文章に出会ったのは大好きな小説の文庫の解説だった。 読者のみなさんは文庫で小説を読むとき、解説から読むだろうか。私は、たとえばミステリーであればそれだけで犯人やトリックが分かってしまう場合もあるし、その他…
「ラディカル」 ➀根本的 ②過激なさま。急進的。「―な意見」 『広辞苑』より BL好きのみなさん、こんにちは。普段は百合小説を書いていますが、BLも大好きなラディカル・ヤオイストの柳ヶ瀬舞です。 ヤオイストとはなんだろう…
私は「ミステリー」というジャンルをほとんど読まない。 昭和の奇書と呼ばれる『虚無への供物』や『ドグラ・マグラ』は大好きだし、ミステリーの名を借りた奥泉光さんの『鳥類学者のファンタジア』や『神器ー軍艦「橿原」殺人事件』の純…
2019年は吉屋信子さんについての論文(『吉屋信子研究』竹田志保著 翰林書房 2018)を読んだり、『屋根裏の二処女』の読書会に参加したり、私にとって吉屋信子さんの本に縁がある1年だった。 吉屋信子さんは大正・昭和に活躍…
卵料理と本は、それはそれは深い仲で結ばれている。 まず絵本『ぐりとぐら』には、大きな卵をたっぷりと使ったホットケーキが出てくる。あのホットケーキを食べてみたいと思わなかった子どもはいないだろう。 夏目漱石は胃潰瘍で入院し…
JR新宿駅東口を出て、とりあえず紀伊國屋書店の方へ向かう。そのまま本屋の前を左手に通り過ぎ、伊勢丹と明治通りがぶつかるところで、しばし信号待ち。右に見える世界堂の看板を通り過ぎたら、もう少しだ。ひたすら真っ直ぐ道を進み、…