森瑤子の美学 ――彼女の小説とエッセイの紹介――
私が森瑤子さんの文章に出会ったのは大好きな小説の文庫の解説だった。 読者のみなさんは文庫で小説を読むとき、解説から読むだろうか。私は、たとえばミステリーであればそれだけで犯人やトリックが分かってしまう場合もあるし、その他…
私が森瑤子さんの文章に出会ったのは大好きな小説の文庫の解説だった。 読者のみなさんは文庫で小説を読むとき、解説から読むだろうか。私は、たとえばミステリーであればそれだけで犯人やトリックが分かってしまう場合もあるし、その他…
「ラディカル」 ➀根本的 ②過激なさま。急進的。「―な意見」 『広辞苑』より BL好きのみなさん、こんにちは。普段は百合小説を書いていますが、BLも大好きなラディカル・ヤオイストの柳ヶ瀬舞です。 ヤオイストとはなんだろう…
私は「ミステリー」というジャンルをほとんど読まない。 昭和の奇書と呼ばれる『虚無への供物』や『ドグラ・マグラ』は大好きだし、ミステリーの名を借りた奥泉光さんの『鳥類学者のファンタジア』や『神器ー軍艦「橿原」殺人事件』の純…
2019年は吉屋信子さんについての論文(『吉屋信子研究』竹田志保著 翰林書房 2018)を読んだり、『屋根裏の二処女』の読書会に参加したり、私にとって吉屋信子さんの本に縁がある1年だった。 吉屋信子さんは大正・昭和に活躍…
卵料理と本は、それはそれは深い仲で結ばれている。 まず絵本『ぐりとぐら』には、大きな卵をたっぷりと使ったホットケーキが出てくる。あのホットケーキを食べてみたいと思わなかった子どもはいないだろう。 夏目漱石は胃潰瘍で入院し…
JR新宿駅東口を出て、とりあえず紀伊國屋書店の方へ向かう。そのまま本屋の前を左手に通り過ぎ、伊勢丹と明治通りがぶつかるところで、しばし信号待ち。右に見える世界堂の看板を通り過ぎたら、もう少しだ。ひたすら真っ直ぐ道を進み、…