皆さんは読書会に参加したことはありますか? ひとくちに「読書会」といっても様々な形式のものがあるのですが、少なくとも「読書会」と称している会に僕は何度か参加したことがあります。まあ、いずれも自分が主催したものなのですが……。
これまでは主にオフラインで開催してきた読書会なのですが、新型コロナウイルスの流行があって以降はなかなか気軽に開催ができなくなっていました。そうして引き込もり生活を続けていて気づいたんです。そもそも、読書会のために外出するのって面倒くさくない?
仕事もリモートでできているんだから、読書会も別にオンラインで開催しても良いのではないか。突然そんなことを思いつき、実際にやってみましたので、そのやり方や感想などをお伝えできればと思います。
この記事の目次
オンライン読書会のやり方
「読書会」とは?
そもそも「読書会」とは何でしょうか。僕としては大きく2つのタイプの読書会があると思います。
ひとつは、1冊の同じ本を皆で読んできて、それについての意見を交換するというもの。もうひとつは、それぞれが好きな本を持ち寄り、それぞれが本のおすすめをするというものです。
今回行った読書会は前者の形式をとり、斜線堂有紀『愛じゃないならこれは何』を課題図書にして開催しました。
TwiPlaでイベントページを作る
今回はTwitter上で広く募って開催したいなと思っていたので、TwiPlaというサービスを使ってイベントページを作って公開しました。読書会を開催するのは久しぶりで、何をすれば良いのか正直あんまりよく分かっていなかったので、それほどガチガチに固めずにページを公開しました。
オンライン読書会立ててみました🙋♀️
[TwiPla] 蓼食う本の虫オンライン読書会 / 斜線堂有紀『愛じゃないならこれは何』 https://t.co/KvexcSXatZ— あとーす (@atohsaaa) December 7, 2021
参考までに、「詳細」に書いたテキストを貼っておきますね。
文芸Webマガジン「蓼食う本の虫」主催のオンライン読書会を行います。
▼やること
- 開催時間1時間の中で、課題図書の感想を言い合います
- 主催者がトピックをいくつか用意しておきますので、それについて話します
- 何か話したいことがある場合は、発言を行っていただいて構いません
- 脱線したり、関連する他の書籍やトピックの話をしても構いません、主催者が話を広げたり話を戻したりします
- 1時間経つか、話したいことがなくなったら終了です
- 開催中はリアルタイムで文章化しておき、話している途中で振り返りやすいようにしようかなと考えています
▼要項
課題図書:斜線堂有紀『愛じゃないならこれは何』
参加条件:読書会までに課題図書を読了していること
日時:2022/01/08 19:00〜20:00(予定)
場所:Discordサーバー「蓼食う本の虫倶楽部」→https://discord.gg/nggT5jmGH2▼備考
蓼食う本の虫倶楽部というDiscrodサーバーで開催しますので、サーバーには事前にご参加いただけますと幸いです。
当日は、サーバー内に専用チャンネルを立てる予定です。当日までに決定してご連絡いたします。
「やること」を見ていただければ分かると思いますが、どういう形式でやるのかはほとんど決まっていません。実はページ公開当初はもっと簡素なことしか書いておらず、マシュマロでご質問をいただいたので追記したりしました……。
大学研究室のゼミみたいに、担当者ががっつりレジュメなどを作って開催する読書会もあるかなと思います。たしかに専門書などを読むのであればそういった大仰な準備を行った方が読書の効果が高まると思いますが、今回は文芸書なのでおそらく「一人で読んでもぜんぜん意味がわからない」という事態にはならないことが予想されます。というわけで、読んだ後に他の人の意見を聞いて読みを深めることを目的にして、わざとゆるふわな内容にしているところもあります。
情報を公開してから課題図書を読み終わるまでの時間を考えて、今回は公開から1ヶ月後に開催日を設定。開催日前日に、TwiPlaを通じて「参加者」「興味あり」に登録している人に案内のメッセージを送りました。TwiPlaで実施すると、一斉送信ができて便利ですね。
当日はDiscordで通話
オンラインで読書会をするにあたり、通話のためのツールを何かしら導入する必要があります。Google Meet や Zoom などが一般的な選択肢になると思うのですが、いずれも時間制限があるのがネックでした。それほど長時間使用しないとはいえ、ツール側の都合で会が尻切れトンボになるのは避けたかったんですよね。
また、会に参加してくれた人が話している内容をざっとテキストで残しておきたいという気持ちもありました。そういう理由もあって、今回はDiscordを使ってオンライン読書会を開催することに。以前より読書が好きな人のためのDiscordサーバー「蓼食う本の虫倶楽部」を作っていたので、そこに参加していただくことにしました。
また、当日用に専用のテキストチャンネル・ボイスチャンネルをプライベートチャンネルとして作成。これで参加表明をしている人だけが当日に参加することができますし、テキストチャンネルも他のメンバーから見えないメモ置き場として使うことができます。
なお、Discordはビデオ通話を行うことができますが、今回はビデオのON/OFFは任意ということにしました。だって家にいるのに、人に見せるための格好や表情を作るのって面倒くさくないですか……? というわけで、僕はきっちりOFFのまま参加しました。
オンライン読書会の流れ
PCから参加しようとしたら何故かマイクを認識してくれず、仕方なくスマホから参加する……というハプニングはありましたが、それ以外は概ね問題なく進行できたかなと思います。
流れとしては、以下のような感じ
- 自己紹介(ハンドルネーム & 好きな本や作家)
- 主催者から書誌情報などを軽く紹介
- 主催者が用意していた「気になるところ」から話を開始
- 各々が思ったことを発言していく
- 最後の10分くらいを使って、次の読書会で取り上げたい本を考える
以上です。何も決めずに臨んで大丈夫かなと少し不安があったのですが、完全に杞憂でした。全員がちゃんと読んできてくれていたので、話すトピックが無限に出てきて良かったです。
オンライン読書会の感想
読書会の感想は一言に尽きて、「もうめちゃくちゃに楽しかった!!!!!」です。
4人でオンライン読書会を開催してみたのですが、爆裂に楽しかったです。人類はもっと読書会をやったほうが良い……。
— あとーす (@atohsaaa) January 8, 2022
飲み会とかで好きなコンテンツの話になると無限に盛り上がったりしますが、まさにそのテンション。しかも全員が直前に対象書籍を履修しているので、話題に事欠きません。自分とは違う意見を持っている人と情報を交換したり、関連するコンテンツを教え合ったりできて、ぐっと世界観が広がったような気がします。
本は1人で読んでも面白いものですが、他の人と感想を共有するだけでこんなにも実りが大きくなるんだ……と感動しました。
オンライン読書会のコツ
さて、オンライン読書会を開催するにあたって、いくつか「コツ」のようなものがあるなと気づいたので、備忘録的に書いておきたいと思います。
自己紹介について
まず自己紹介については、最初に名前(ハンドルネームでも可)と好きな作家・作品を聞いておくと良いなと思いました。発表する側には、その場で声を出すことの練習になり、その後の感想合戦で発言するハードルが下がるように思います。聴く側としては、その人の声の感じが分かるので会話がスムーズになり、趣味嗜好がある程度分かるので話題も作りやすくなります。
事前にトピックを作っておく
今回の読書会を開催する前に、僕は話しておきたいトピックを2つほど作っておきました。というのも、読書会が始まったときに「誰かまず何か言いたいことがあれば……」というふわっとした感じで始めると、誰も感想を言いたがらなかったりするんですよね。しかし事前にトピックがあれば、まずはそこから話を始めることができます。するとそれが呼び水となり、様々な方向に感想が伸びていきます。
また、複数のトピックを事前に持っておくことで、途中で話しが途切れてしまった場合でも話題を振ることができます。まあ、今回の場合はめちゃくちゃ盛り上がったので、事前に用意する話題は1つだけでも足りたような気がしますが……。
他の人の意見を求める
読書会は複数人が参加する場なので、意識しないとよく喋る人ばかりが発言をするという事態に陥りがちです。そこで、定期的に他の人の意見を求めるようにすると良い読書会になると思います。今回は参加者の方の一人が積極的に場を回そうとしてくださっており、「〇〇さんはどう思いますか?」と聞いたりしてくれたため、主催者としては非常に助かりました。
制限時間を決めておく
読書会は本当に盛り上がります。盛り上がりすぎてやめ時が分からなくなります。それがわかりきっていたので、今回は最初から1時間という時間制限を決めることにしました。この制限がなければ、たぶん5時間くらい話せたんじゃないかなと思います。
長い時間話すとそれはそれで楽しいんですけど、やっぱり体が疲れちゃうんですよね。それに生活を壊さないようにするためにも、やはり時間を決めておくのがおすすめです。制限時間があることで、大事な要素から話していこうという意識もはたらきます。
おわりに
簡単ではありますが、オンライン読書会のやり方や感想をまとめてみました。
今後も蓼食う本の虫ではオンライン読書会を開催していきたいと思っておりますので、機会があればぜひご参加ください。次はどの本を課題図書にしようかな。