小説のアイディアが浮かばないときに使えるひらめきツール3選

出したい公募があるのにネタが思いつかない! 最近同じようなネタばかり書いてるから刺激が欲しい! ……と、お困りの方も多いのではないだろうか。

「小説を書く」という作業は、連続で0から1を作り出していくこと。大変な作業ではあるが、その作業を少しでもラクにできれば、創作活動はもっと楽しくなるはず。

そこで今回は、アイディアが思い浮かばないときに使えるツールを3つご紹介。毎日の創作活動の参考にしてほしい。

タロットプロット「即席アイデアメーカー」

まず最初にご紹介するのは、「タロットプロット」というサイトにある「即席アイデアメーカー」。

「タロットプロット」は物語を書く人のための創作支援サイトで、創作のプロット作りをサポートしてくれる機能が多数揃っている。その中でも「即席アイデアメーカー」は、「性質×人物×場所」をランダムで組み合わせてネタ出しをしてくれる機能で、自分では思いつかないようなキーワードの組み合わせを見つけてくれる。

「シャッフル」ボタンを押せばキーワードが再抽出されるので、ちょっとしたゲーム感覚でネタ出しを楽しむことができる。

ちなみに私が使用した際に出た組み合わせがこちら。

どのネタもかなり面白そう。「指名手配中の整体技師」や「血に飢えた小説家」など、どれだけ頭を捻っても思いつくのが難しいキーワードが一瞬で生成された。シリアスな方向にも、コメディの方向にもできそうな絶妙なキーワードだ。

「即席アイデアメーカー」の良いところは、ただランダムに選ばれたキーワードを出すだけでなく、キーワードのジャンルを3つに絞ってくれているところだ。必要不可欠でありながら最小限の情報である、「キャラクター」と「その設定」「場所」があることで、自分らしくネタを膨らませつつ今すぐにでも小説を書き始めることができる。

アイディアが大切な短編小説やSSを、頻繁にたくさん書きたい人には特におすすめだ。

閃け! ヒラメ君

キャッチーなネーミングが印象的なこちらは、iOS・Androidに対応したアプリケーション。「自分では思いつかないアイデアが欲しい」という悩みを解消するために開発されたアプリで、2つの言葉の組み合わせでアイデアを生み出すことを助けてくれる。

このアプリの最大の特徴は「カードパック」というシステムだ。「世界観とテーマ」や「キャラクター設定」、「物語の起承」「物語の転結」など色んなシチュエーションに対応したパックがあり、自分の欲しいアイディアの的を絞ってネタを溜めていくことができる。

私は世界観を考えることが苦手なので、試しに「世界観とテーマ」パックを使用してみた。その際に出た組み合わせはこんな感じ。

①「竜宮城な世界」で「武士の一生」をテーマにする
②「AIが登場する世界」で「死の喪失感」をテーマにする

小説を書く際、一貫したテーマというのは非常に大事だ。だが、自分自身でテーマを選ぶといつも似たり寄ったりになってしまい、マンネリ化する事も多い。このカードパックを使うと、考えたことが無かった方向性に気付くことができるかもしれない。

この「閃け! ヒラメ君」はアイディア出し専門アプリというだけあって、便利な機能がたくさんある。気に入った言葉の組み合わせに思いついたことを書き込んで保存する「メモ機能」や、ランダムで表示される2枚のカードのうち1枚を固定する「ロック機能」、自分でワードカードを作れる「ワード追加機能」など、アイディアを溜めていくのに役立つ機能が盛りだくさん。カードパックの種類も「ビジネス」や「ゲーム」「SDGs」など豊富なので、小説だけでなく仕事やデザインなど、幅広くアイディアが必要な人におすすめだ。

iOS / Android

Wordcascade

Wordcascade」は、ただひたすら単語が流れ落ちてくるだけのとてもシンプルなサイト。「ランダム単語ガチャ」という別サイトに収録されている単語が、雨のようにゆっくりした速度で降り続くだけの、眺めているだけでも楽しいサイトだ。

このサイトの良いところは、単語以外の情報が一切無いところ。宣伝や広告もなければ、ちょっとしたメニュー画面のような物もない。左下に製作者様のアイコンがちょこんと1つあるだけで、他はひたすら単語のみ。白い背景に黒い無骨な文字が流れるアーティスティックな画面は、まるで雄大な自然の風景を眺めているときのような奥行きすら感じ、いつまでも眺めていられる。

ちなみに私がしばらくぼーっとこちらのサイトを眺め、目についた単語はこんな感じ。

猫オルガン センター試験 カキフライ サイコパス診断 お祝い ラグビー部

何の繋がりも無い単語だが、そんな単語こそ無理やり関連させると面白いものが生まれるものだ。例えば、「元ラグビー部の受験生がセンター試験を受けるために会場に向かうが、会場を間違えてサイコパス試験場に到着してしまい、そんなつもりはなかったのに満点を取ってしまって自分がサイコパスだと気付く……」とか。

とにかく、「全く関連性のない単語をひたすら眺め続ける」というのは、アイディアを生み出す新たな刺激だけでなく「頭をクリアにする」ことにも役立ちそうだ。何か執筆のヒントがほしい、少し頭を休めながらも気を抜きたくない……という人に特におすすめしたい。

最後に

アイディアをひらめくのに役立つツールを3つご紹介した。アイディアが浮かばないという悩みは尽きないので、ヒントとなるツールを作ってくれている製作者の方々には本当に感謝したい。

脳がひらめきやすい状態にするには「集中からのリラックス」というメリハリも大事なようだ。いつもと異なる刺激をたくさん受けて、ある程度自分の中に情報が溜まったら、考え続けるのをやめてリラックスしてみてほしい。お風呂に入っている時間や電車に乗っている時間など、少しぼーっとする時間を設けると、脳はインプットした情報を整理してまとめ始める。その過程で、繋がると思わなかった何かと何かが繋がるとき、「アイディアがひらめく」のだ。

今回紹介したひらめきツールを使って、楽しく小説を執筆しよう。

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