おうち時間にスパイスをひと匙。 海外ミステリーおすすめ作品5選
「海外ミステリー?なんだか難しそう……」 なんて思っているだろうか。確かにミステリーだけに限らず、海外小説は登場人物の名前が覚えづらかったりして、読み進めにくい要素もあるのかもしれない。 斯く言う私も、『トワイライト』を…
「海外ミステリー?なんだか難しそう……」 なんて思っているだろうか。確かにミステリーだけに限らず、海外小説は登場人物の名前が覚えづらかったりして、読み進めにくい要素もあるのかもしれない。 斯く言う私も、『トワイライト』を…
ずっと自分は周りと「違う」と思ってきた。 「発達障害の傾向があります」それでも、その決定的な診断を受けた時、奈落に突き落とされたような気持ちになった。「あなたはADHD/ASD1です」 発達障害という言葉は近年メディアな…
特殊設定ミステリとは? ミステリ用語で、特殊な状況下におけるミステリのことを「特殊設定ミステリ」と呼称する。現実世界とは違った物理法則・科学技術のある世界やSF・ファンタジー的異世界を舞台にしたミステリ、魔法や超能力を組…
人間とは何か。そんな答えの定まらない漠然とした問いに対して、ささやかなヒントが得られるような小説がある。野﨑まどの小説だ。今回はそんな長編小説を5つご紹介します。 know 舞台は「情報材」の発明によって到来した超情報化…
2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ。『クララとお日さま』は、受賞後にはじめて出版された長編小説になります。まるで絵本のようなタイトル、可愛らしいカバーイラスト。中を開けると、児童文学のような文体。これま…
ドストエフスキーというと、どういうイメージでしょうか? 重い? 難解? いいえ、そこには深い深い萌えの沼が横たわっているのです。 ドストエフスキー作品はBLの宝庫。男たちの情念と思想のぶつかり合いは、BLファン必読です。…
2001年、17歳という若さで『シルエット』が群像新人文学賞を受賞し鮮烈なデビューを飾った作家、島本理生。小学生のころから小説を書き始め、15歳のころ『ヨル』が『鳩よ!』掌編小説コンクール第2期10月号に当選、年間MVP…
あなたは『かわいいウルフ』という日本発のヴァージニア・ウルフのファンブックをご存じだろうか。 この『かわいいウルフ』というファンブックは初めに同人誌として作られた。そして1000部を売り上げるという異例の快挙を遂げ、その…
乾くるみといえば『イニシエーション・ラブ』を思い浮かべる人も多いだろう。同作は2004年に発表され2007年の文庫化をきっかけにメディア等で紹介され再注目、2015年には映画化もされ、一躍世間に乾くるみの名前が知られるこ…
2013年放送のアニメ『ファンタジスタドール』はカードから「ドール」と呼ばれる女の子が出てきて戦ったり戦わなかったりする美少女アニメだ。 そんなよくある美少女アニメの前日譚を、アニメとはかけ離れた雰囲気で描いた異色のSF…
日本の電子書籍市場でトップシェアを誇るKindle。お使いの方も多いと思いますが、せっかくならセール価格の時に購入したいですよね。 ところが、Kindleで開催されているセールで公式のページが作られるものは少なく、普通に…
「自衛隊」と聞くと、なんだか厳しい表情と屈強な身体の、恐ろしい人間を想像してしまいませんか? しかし現実には、自衛隊は私たちと同じように上司に厳しく指導されながら部下の面倒を見て、仕事中に「帰ってゆっくりしたいなあ」と思…
レイモンド・カーヴァーという作家には、日本でも熱狂的なファンがいる。 また村上春樹がカーヴァー作品全ての日本語訳を担当しており、そのような理由で「レイモンド・カーヴァー」という名前を聞いたことがある人も多いと思う。 今回…
日本で電子書籍サービスの代名詞といえばKindle。インプレス総合研究所が行っている「電子書籍ビジネス調査報告書2020」という調査でも、Kindleストアの利用者が26.2%で1位となっています。 Kindleを多くの…
いま熱い視線が注がれている作家・李琴峰さんの名前を知ったのは、琴峰さんの本の表紙に書かれた著名からではなかった。 2019年、私は「LGBTQA創作アンソロジー Over The Rainbow」という同人誌を主宰し、企…
書庫のある家に憧れていた。 子供の頃から本が好きだった私は大人になったら本に囲まれて暮らそうと思っていた。「無人島に何か一つ持っていけるとしたらどうする?」という他愛もない質問にも「本がいっぱいつまった本棚!」と答えその…
歌野晶午、本格ミステリ界では唯一無二の存在だろう。 予想を裏切る展開、意外な着地点、ラストの衝撃、歌野の作品にはミステリの楽しさがある。基本を押さえながらも独特の視点で書かれた作品に読者は常に翻弄されている。騙されること…
今から90年以上前に、とある文学論争が起こりました。論争を繰り広げたのは芥川龍之介と谷崎潤一郎という、日本を代表する二人の作家で、この論争は通称「芥川vs.谷崎論争」と呼ばれています。 「芥川vs.谷崎論争」は大まかに言…
瀬尾まいこさんは『卵の緒』で2001年に第7回坊ちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年デビューされました。2005年に『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞、2008年に坪田譲二文学賞、2019年には『そして、バトンは渡された』で第…
「食」がテーマの短編小説7作をご紹介します。 ただし、食は食でも食欲がなくなるような実に恐ろしい世界が描かれている「食」です。これらの作品、食事やお茶を飲みながらの読書としては決しておすすめ出来ません。 読むときは必ず体…
皆様、「安楽椅子探偵」という言葉を耳にした事はありますか? それはミステリー用語で、現場に赴き自ら能動的に情報を収集することはせず、まるで安楽椅子でくつろぐかのように、関係者の話や、新聞記事の情報だけを基に、事件の謎を推…
美味しいミステリ小説のメニューをお持ちしました。 「美味しい」×「謎」のバリエーションは様々ですが、どれもこれも極上の料理と極上の謎となっております。どうぞゆっくりご堪能ください。 近藤史恵『ときどき旅に出るカフェ』(双…
僕たちは、文字の精霊にこき使われる下僕だ! 本の帯に書かれたその一文を本屋で見かけた時、私は思わず足を止めていました。「僕たち」とは一体誰のことなんだろう? 「文字の精霊」とは何なんだろう? それに「こき使われる」とはど…
「購入」が書けなくなった私 皆さんは普段どのくらい手書きで文字を書いているだろうか? 私は書きものは、ほとんどPCで済ませている。 ある日、私の同人誌をお買い上げいただき、一筆箋を書こうと思ったところだった。 「ご購入あ…
「最近、誰の本が面白いだろうね?」 本好きが何人か集まってそんな話題になったときは間違いなく彼女の名前が出る。 斜線堂有紀、いま気になって仕方がない作家である。 『キネマ探偵カレイドミステリー』『死体埋め部の悔恨と青春』…
自分が大切にしていること。それは、他の人にしてみたら、とるにたらないものだったりする。いや、本人でさえ、そう思っているかもしれない。とるにたらないもの、なんだけれど、心のなかにずっとある、滑らかな情緒として、そこに流れて…
2020年12月18日に、第164回芥川賞候補作品が発表されました。 候補作品は、以下の5作。 宇佐見りん「推し、燃ゆ」(文藝秋季号) 尾崎世界観「母影」(新潮12月号) 木崎みつ子「コンジュジ」(すばる11月号) 砂川…
半年ほど前に、電子書籍用端末の Kindle Oasis を購入しました。 電子書籍はもともと Kindle を使って読んでいたので、専用端末があったらどんな風な読書体験が得られるんだろう……と気になっていたんですよね。…
1月4日の新刊書籍の中から、気になる作品を紹介します。 新年最初の月曜日ということで、紙・電子書籍でたくさんの作品が刊行されるようです。 ラインナップ